GAME RESULT試合結果
第9節 2007/5/03(木)
観衆 30,436人
天候 晴、弱 気温 20.1度 湿度 43%
主審:奥谷 彰男 副審:中井 恒/中原 美智雄 四審:長田 和久
J1 第9節
味スタ
1-2
試合終了
前半0-0
後半1-2
FC東京 | 鹿島アントラーズ | |
---|---|---|
57' ワンチョペ |
得点者 |
59' 中後 雅喜 82' 増田 誓志 |
70' ワンチョペ → 馬場 憂太 70' 石川 直宏 → 鈴木 規郎 80' 栗澤 僚一 → 梶山 陽平 |
選手交代 |
66' ダニーロ → 増田 誓志 79' 田代 有三 → 佐々木 竜太 85' 本山 雅志 → 大岩 剛 |
11 | シュート | 9 |
6 | CK | 9 |
16 | FK | 14 |
11' ワンチョペ 66' ルーカス 72' 馬場 憂太 |
警告 | |
退場 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 6 | 今野 泰幸 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 37 | 福西 崇史 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
FW | 18 | 石川 直宏 |
FW | 9 | ルーカス |
FW | 10 | ワンチョペ |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
MF | 15 | 鈴木 規郎 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
FW | 20 | 川口 信男 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
GK | 21 | 曽ヶ端 準 |
DF | 2 | 内田 篤人 |
DF | 3 | 岩政 大樹 |
DF | 15 | 青木 剛 |
DF | 7 | 新井場 徹 |
MF | 16 | 中後 雅喜 |
MF | 8 | 野沢 拓也 |
MF | 10 | 本山 雅志 |
MF | 11 | ダニーロ |
FW | 9 | 田代 有三 |
FW | 18 | マルキーニョス |
GK | 29 | 杉山 哲 |
DF | 4 | 大岩 剛 |
DF | 22 | 石神 直哉 |
MF | 14 | 増田 誓志 |
MF | 23 | 船山 祐二 |
MF | 17 | 興梠 慎三 |
FW | 34 | 佐々木 竜太 |
【選手・監督コメント】
安定した守備から果敢に攻撃に転じ、味スタでの連勝をめざす
第9節は、鹿島アントラーズをホームで迎え撃つ。前節神戸戦ではスコアレスドローに終わったが、安定感のある守備は維持。「1点を取れば勝てた」という試合だっただけに、今節は必ずゴールを奪い、第7節横浜FC戦に続き、ホーム味スタでの連勝をめざしたい。
鹿島は、現在2勝3分け3敗で12位につける。開幕直後は勝てない状況が続いたが、MF野沢の復帰により、ゲームがつくれるようになっている。一方、調子が上がってきたところでFW柳沢がケガで離脱。しかし、前節浦和戦では敗れたものの、チャンスは鹿島のほうが多くつくっていた。原監督は「どのチームも紙一重の差で、一瞬でも集中を切らせば負けるし、チャンスをしっかり決められれば勝てる」と気を引き締めながら、意気込みを見せた。
鹿島といえばパスを回すというイメージが強いが、今季は素早いカウンターからもチャンスをつくっている。同時に、総失点は「8」と少ない。東京と同様に、ある程度ボールを持たれても、守り切れるという自信をもつだけに、中盤の攻防は見どころの一つとなるだろう。神戸戦では、2トップと中盤の間が離れてしまい、厚みのある攻撃を仕掛けられなかったが、選手たちは一様に「慎重になりすぎた。もう少し工夫が必要」と反省点を話し、よい守備から攻撃に転じ、アグレッシブに仕掛けていくことをもくろむ。ピッチをワイドに使った攻撃や、中盤やサイドバックから前の選手を追い越す動きで、鹿島の堅守を崩していきたい。
東京は、前節と同じ先発メンバー、鹿島は今季初先発となるFW田代をスタメンに入れて臨むこととに。五月晴れの味スタには、ゴールデンウィークということもあり、3万436名のお客様が来場していただき、16時5分に鹿島のキックオフでスタートした。
ともにカウンターを仕掛け、一進一退の展開
序盤からプレスをかけ合い、奪っては速い攻撃を仕掛けた。東京は、浅利をほぼワンボランチにして、福西の攻め上がりから、厚みのある攻撃を仕掛けた。3分には、ルーカスが左から果敢にエリアに切り込む。ラストパスは相手DFに阻まれるが、こぼれを粘り強く拾って角度のないところからシュートを放つ。しかし相手GKのセーブに阻まれた。鹿島は9分、右前線へのロングボールにFWマルキーニョスが抜け出し、藤山が対応するが切り返され、右エリア内至近距離からシュート。だが塩田の好セーブでCKに逃れた。
12分には、徳永→石川がくさびとなり、徳永がオーバーラップ。右クロスがファーのルーカスにわたり、ダイレクトでゴール正面のワンチョペにパス。よい攻めの形をつくったが、ラストパスは鹿島DFに阻まれた。東京は、何度かよい攻めの形を見せたが、鹿島も長いボールからチャンスをつくり、一進一退の展開に。21分、栗澤が左→右へ大きなサイドチェンジ。受けた石川のクロスから右CKを奪う。23分には、今度は金沢のサイドチェンジ→石川のクロスから右CKに。石川のキックにルーカス、続いて徳永が競るが、ボールは浮いてラインを割る。
28分には、徳永の右スローインから、ルーカスがつなぎ、ワンチョペ→ルーカスが中央にドリブル。内側を併走する石川にラストパスを出し、石川は果敢にゴールを狙ったが、惜しくもゴール左に…。30分には、鹿島・左MFダニーロが中央にドリブルで進み、右サイドのMF野沢にパス。野沢はプレッシャーがないと見るや、狙い澄ましたシュートを放つ。ボールはバーを直撃! こぼれが左エリアのFWマルキーニョスの元にわたるが、無理な体勢から放ったシュートは大きく外れ、ピンチを免れた。
お互いがカウンターを仕掛ける中、36分、ルーカスの自陣からのロングフィードに、ワンチョペが抜け出し、右エリアからシュート。41分には、徳永が上がり、プレッシャーを受けながらも中へパスをつなぐ。フリーで受けたルーカスがエリア右手前から渾身のシュートを放ったが、わずかに枠を外れた…。栗澤や金沢の効果的なサイドチェンジから、度々石川がクロスを上げてCKを奪ったが、セットプレーから決めることもできず。前半は0対0で終了した。
ワンチョペのヘッドで先制したが、ホームで痛い逆転負け…
前半はピッチをワイドに使った攻めや、相手陣内での素早い逆襲など、効果的なチャンスはつくれていた。ゴールへの期待がかかる後半、先制点が生まれたのは57分のことだった。ルーカスが右サイドに展開し、石川からのリターンを受けて右エリアに突進。栗澤と見事なワンツーをかわして、ファーに浮き球のラストパスを送る。このクロスをワンチョペがヘッドで叩き付け、ゴールイン! ワンチョペのリーグ戦初得点で勢いに乗るかに見えた。
ところが直後の59分、鹿島のFW田代に縦パスを通され、これを東京DFがカットして左CKを与える。MF野沢の蹴ったCKを一度は塩田がパンチングで逃れるが、徳永、福西が立て続けにクリアし切れず、ルーカスの蹴ったボールが鹿島DF青木に当たってこぼれる。ここに走り込んだ鹿島MF中後が、強烈なシュートをネットに突き刺しゴール。先制直後に同点に追いつかれてしまった。
70分には、ワンチョペ、石川に代えて馬場、鈴木規を投入し、勝ち越しを狙ったが、中盤でプレスがかからず、鹿島にパスをつながれるシーンも目立ち、鹿島にリズムをつかまれた。80分には梶山を投入し、流れを変えようとしたが、迎えた82分、鹿島の右スローインからFWマルキーニョスが右前線・ライン際の深い位置に抜け出し、キープされる。浅利と鈴木規が囲んで奪おうとするが、間をすり抜けられ、ゴール前速いクロスを上げられる。これを交代出場のMF増田に、どんぴしゃのヘッドで決められ、失点…。リスタートの隙を突かれて、2点目を失った。
終了間際には、今野、浅利も前掛かりになって、鹿島ゴール前に張り付いて攻撃を仕掛ける。89分に鈴木規のクロスから左CKを得ると、馬場のキックのクリアボールに、浅利が詰めて抑えたシュートを放つが、鹿島DFがブロック。続いて相手陣内ほぼ中央でFKを得て、鈴木規が狙うが、味方に当たってラインを割る。結局逆転後、DF大岩を投入して守りを固める鹿島の壁を崩せず。ホームで痛い逆転負けを喫した。
【選手コメント】《ルーカス》「内容的には五分五分の試合で、どちらがよいというわけではなかった。結果はどちらに転がるかわからなかったと思う。ただ、今のチームは、まず失点しないことを第一に考えているので、チャンスの数が少なくても仕方がない面もある。どのチームも、失点が少ないところは得点も少ない。(ゴールのアシストについて)栗澤選手からいいボールが返ってきて、すぐにクロスを上げた。あの形はよかった。でも結果につながらなかったので、とても残念。ワンチョペとのコンビネーションも、完璧なわけではないが、徐々によくなってきた。もっと連係を高めて、チームの勝利に貢献したい」《ワンチョペ》「自分は得点できたが、それよりチームが勝てなかったことが残念。コンディションはとてもよかったが…。チームが勝つためには、もっとアグレッシブに、またもっとプレッシャーをかけて、相手が自由にプレーできない状況をつくっていくことが必要だと思う。(リーグ戦初ゴールについては)特別なものではない。ゴールを決めたことより、チームの勝利のほうが大切」
【原監督の会見要旨】「前半途中からサイドチェンジからチャンスをつくるなど、いい流れで来ていると感じていた。少し引きすぎ、ミドルシュートを打たれるなど、危ない場面もあったが、石川が良い形で前を向いてボールを貰えるシーンがあり、ハーフタイムには『その時にルーカス、ワンチョペがゴール前にしっかり入っていこう』と話した。後半、先制していい流れになったと思ったが、その直後にCKのこぼれを押し込まれた。あそこであと何分か凌ぐことができれば、鹿島に焦りが出てきたはず。その時間帯に失点してしまい、逆にこちらがバタバタした。1点取った後は、間延びしてしまったところもある。ワンチョペの得点はうれしかったが、連戦の疲れもあり、前に居残ってしまってボールを拾われていたので、馬場を投入した。また相手の左サイドが空いていることが多かったので、鈴木規を入れて勝負をかけた。しかし交代選手がうまくゲームに入れないうちに2点目を奪われた。ただ、2点を取られてしまったが、浅利や最終ラインの選手たちは、この何試合か本当に集中して守っている。また、いいサイドチェンジは出来ているので、フィニッシュの形をつくっていかなければ。決して今日のゲームが悪かったとは思わない。負けはしたが、狙っていた形はある程度出来ていた。中2日しかないので、気持ちを早く切り替えて、次の川崎戦に向けて準備をしていく」
【鹿島・オリヴェイラ監督の会見要旨】「(前節浦和戦で「次につながる負け」と話していたが、今日つながるものは?)戦術的、技術的な部分ではないかもしれないが、精神的な部分では、あれだけ浦和に対してやれたことが自信になっている。先制されながらも逆転できると思えたのは、選手の中に余裕、自信があったからではないか。(MF野沢のポジショニングが低すぎたように思うが?)正直に言えば彼を前で使いたいが、チームとしてビルドアップの部分が足りないので、下がってやってもらっている。彼のクレバーさや視野の広さを活かして、リズムをつくるところを託している。しかし低めの位置にいるからといって、彼の力が出せていないわけではない。手術から戻ってきて、ブランクを取り戻すには時間がかかる。試合を重ねていけば、彼の本来の力が出てくるのではないか。(FW田代の先発と、FW佐々木への交代の意図は?)田代は先発であってもおかしくない人材だが、MF野沢と同様、ケガで出遅れた。そこからのリハビリという面を考えた。今日も90分は持たないだろうと考えていた。ミスが出始めたのは疲れのためと見て、計算どおりに佐々木を入れた。(MF増田を入れた意図は?)相手が中盤の選手を投入してきたこと、また、こちらは中盤の運動量が落ちていたため、増田を入れて安定させることを考えた。彼もこのチームを背負うべき人材だが、まだ経験が足りない。運動量が多く、攻撃に絡んでいけるが、もう少し落ち着いてやれれば違う展開をつくれる。少しずつ経験を積めばできるようになると思う。今日は得点を決めたので、満足できるパフォーマンスを見せてくれた」