GAME RESULT試合結果

第6節 2007/5/23(水)
観衆 5,133人 
天候 晴、弱 気温 19.8度 湿度 71% 
主審:前田 拓哉 副審:武田 進/抱山 公彦 四審:大塚 晴弘

YNC 予選Cグループ 第6節

三ツ沢

HOME

横浜FC

1-2

試合終了

前半1-1

後半0-1

AWAY

FC東京

横浜FC FC東京
28' アドリアーノ
得点者 30' 赤嶺 真吾
75' 赤嶺 真吾
58' 藪田 光教 → 内田 智也
71' アドリアーノ → 難波 宏明
80' 山口 素弘 → 三浦 知良
選手交代 52' リチェーリ → ルーカス
64' 石川 直宏 → 梶山 陽平
86' 赤嶺 真吾 → 浅利 悟
6 シュート 13
7 CK 1
18 FK 24
15' アドリアーノ
34' 根占 真伍
81' 内田 智也
警告 28' 土肥 洋一
退場
横浜FC先発
GK 21 菅野 孝憲
DF 4 和田 拓三
DF 2 早川 知伸
DF 26 太田 宏介
DF 27 中島 崇典
MF 16 藪田 光教
MF 6 山口 素弘
MF 24 根占 真伍
MF 12 滝澤 邦彦
MF 8 アドリアーノ
FW 25 平本 一樹
横浜FC控え
GK 31 岩丸 史也
DF 30 小村 徳男
DF 18 小野 智吉
MF 10 内田 智也
MF 13 鄭 容臺
FW 11 三浦 知良
FW 19 難波 宏明
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 6 今野 泰幸
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 19 伊野波 雅彦
MF 37 福西 崇史
MF 27 栗澤 僚一
FW 18 石川 直宏
FW 35 リチェーリ
FW 24 赤嶺 真吾
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 15 鈴木 規郎
MF 7 浅利 悟
MF 23 梶山 陽平
MF 14 馬場 憂太
FW 20 川口 信男
FW 9 ルーカス

【選手・監督コメント】

ナビスコ予選リーグ最終戦、ゴールと勝利をめざすのみ!


 2週間ぶりにナビスコカップが開催。予選リーグ最終戦を迎え、アウェイで横浜FCと対戦する。現在、勝ち点7で予選Cグループの3位につける東京。引き分けでは、グリープの2位以内に入れないため、なんとしてでも勝ち点3を奪うしかない。また勝利しても、磐田対大分戦の結果次第で2位となる可能性もあり、決勝トーナメント進出は、他グループの2位との争いに。その場合を考えて、多くの得点も挙げておきたいところだ。

 しかしリーグ前節から中2日のため、ワンチョペ、ルーカスは別メニューでトレーニング。藤山も今節は出場停止。また、平山も左耳に違和感があり、検査を受けるために練習を離脱した。ただ原監督は「勝つしかないので、目標ははっきりしている。フレッシュなメンバーで多くのゴールをめざす」と意気込み、赤嶺が最前線に入り、栗澤がトップ下を務め、金沢が左サイドバック、今野と茂庭がセンターバックを組む布陣で臨むことに。赤嶺は今季初先発。茂庭は2試合目のスタメンとなる。

 対する横浜FCは現在、勝ち点9で1位につける。引き分けでも勝ち点10に届くため、守備に重点を置くことが予想される。原監督が「ここのところ発揮できている勢いのあるサッカーを続けて、横浜FC守備を崩していきたい」ともくろむように、どれだけ引いた守備を崩していけるかがポイント。前線からプレスをかけ、しっかり攻撃に転じるという、めざすサッカーは変わらないが、フレッシュなメンバーで勢いを出し、決勝トーナメント進出だけでなく、今後のリーグ戦につながる勝利をめざす。

 昼間は真夏の暑さを感じさせたが、夕刻になり涼しい風も吹き出した三ツ沢球技場。試合は19時4分に東京のキックオフでスタートした。

PKで失点するも、すぐさま赤嶺が同点弾!


 序盤からボールは支配していたものの、攻撃のテンポが遅かった。栗澤、福西から前線にスルーパスが出るが、ミスもあり、チャンスにはつなげられず。6分、リチェーリがエリア手前の左寄りで倒され、FKを得る。栗澤がキックするが、大きく外れる。一方、横浜FCはカウンターからチャンスをつくり、一進一退の展開に。10分には、リスタートから素早くつながら、前線にスルーパスを出される。これに横浜FC・FW平本が今野のマークをかいくぐって飛び出し、エリア深くからマイナスのクロス。中央でMFアドリアーノがフリーで待ち構えたが、ボールはわずかに長く。こぼれに走り込んだ右SB和田のシュートも大きく外れ、ピンチを免れた。

 17分、東京が、自陣でのインターセプトから、リチェーリが右前線に展開。相手DFに当たったボールがこぼれ、石川の前に。石川はエリアに切り込み、絶好のマイナスのパス。栗澤が走りこみ、シュートしたが、相手DFにブロックされてしまった。20分には、東京が決定的なシーンをつくる。左のリチェーリ→エリア手前の栗澤が反転して、ゴール前の赤嶺につなぐ。DFと競り合い、右にこぼれたところに石川が走り、鋭いグラウンダーのクロス。赤嶺がスライディングで合わせたが、ボールは浮いてしまった。

 続く23分には、左の栗澤から、中央の石川がダイレクトで前線に浮き球のパス。これに赤嶺が反応し、GKと1対1に。浮いたシュートでゴールを狙ったが、GKの好セーブに阻まれ、チャンスを逃した。それでも徐々にリズムをつかみ、前掛かりになって攻めたが、27分にはその隙を突かれ、横浜FCにカウンターを仕掛けられる。MF根占が右サイドを疾走し、左からエリア内に走りこんできたFW平本にスルーパス。ここで土肥がFW平本を倒して、PKを与えてしまう。28分にこのPKをMFアドリアーノにきっちり決められ、先制点を奪われた。

 だが決して下を向くことなく反撃。失点直後の30分、栗澤からの縦パスから、攻め上がった伊野波が巧みなコントロールでグランダーのクロスをゴール前に。これを赤嶺がスライディングで合わせ、ゴール!嫌な雰囲気になりかけていたチームを、この起死回生の同点弾で再び勢いづくことに。しかし、前半のうちに追加点を奪うことはできず、37分には横浜FC・ボランチの根占が前線とワンツーをかわしてエリア内にドリブル。東京DFを引き付け、左のMF滝澤へパス。滝澤に思い切りのよいシュートを放たれるが、土肥の好セーブで左CKに逃れる。そのCKから左エリア内からMF薮田に鋭いシュートを放たれるが、これも土肥がセーブ。1ー1のまま、勝負は後半に持ち越された。

赤嶺の2ゴールで横浜FCを突き放し、予選リーグ突破!


 後半も主導権を握り、攻勢に出た。しかし横浜FCの固い守備をなかなか崩すことができなかった。52分にはリチェーリに代えてルーカスをトップ下に投入、栗澤が左MFに回る。その直後の53分には、スピードを活かしてエリア内に突進した福西が、横浜FC・ボランチ山口に倒されるが、ホイッスルは鳴らず…。62分には、福西のロングフィードにルーカスが飛び出す。相手GKが一歩早くキャッチした後、こぼしたが、ルーカスは詰めきれなかった。しかし、徐々にルーカスのところでボールが収まり、福西の飛び出しや、栗澤のパスワークから迫力ある攻撃を繰り返す。

 64分には石川に代えて梶山をそのまま右MFに投入。原監督の「ボールをつなぎながら1点を取りにいく」という指示のもと、どんどんパスを回してチャンスをうかがった。68分には、ゴール前でつなぎ、金沢から左外を走る栗澤に。栗澤は左エリア内深くまで進入し、クロスを上げる。ボールは赤嶺の頭上を越して、ファーの伊野波に渡るが、シュートは思い切りが悪かった。攻めてもゴールを割れない時間が続いたが、迎えた75分、栗澤の浮き球のパスをルーカスが粘って落とし、左エリアに抜け出した赤嶺がワントラップから左足を振り抜く。ボールは見事にネットに突き刺ささり、待望の勝ち越し点を奪った!

 スタンドも沸き立つ中、その後も攻め手を緩めず、84分、金沢のアーリークロスから福西が、相手GKをかわすようにしてシュート。89分には、ルーカスが右サイドで相手DFを切り返し、ゴール前にラストパスを送る。走り込んだ福西には合わず、3点目は奪えなかった。逆に終了間際には横浜FCのカウンターを受け、危ない場面もあったが、集中を切らさず守り抜く。ロスタイムに横浜FC・FW平本の放った鋭いシュートは土肥がセーブし、タイムアップ。

 赤嶺の2ゴールで、追いすがる横浜FCを突き放し、予選リーグでの勝ち点を10とした。またCグループ2位の大分が敗れたため、1位に浮上。3年ぶりにナビスコカップ決勝トーナメント進出を決めた。

 【選手コメント】《赤嶺》「長い間我慢していたので、試合に出たら楽しみながら思い切りやろうと思っていた。出場できない間も、コンディションを落とさないこと、ケガをしないことには注意して、今日だけでなく、いつでも出られるように準備はしてきたつもり。1点目は得意とする形。試合前、石川、リチェーリ選手には、なるべく低くて速いボール、GKとDFの間に入れるようなボールをほしいと言っていた。それまでにも決めるチャンスはあったが、これを続けていればいつか決められると思っていた。2点目は、ルーカスに入った時点で、裏でもらってシュートをしようと考えていた。うまく前に落としてくれて、トラップもうまくいった。勝たなければいけないという緊迫感がチームにはあったが、自分としてはもらったチャンスにどうにかして応えたいという気持ちだった。どこかで爆発したいと思っていて、結果的に今日は2ゴール取れたが、これからが勝負」《栗澤》「ルーカスが入って、タメをつくれたので、福西選手や自分も上がりやすかった。横浜FCに引かれて、なかなか崩せなかったが、中に一つパスが入ると相手DFも集まる。そういう崩し方をしたかったし、結果的に狙いどおりの形で取ることができた」

 【原監督の会見要旨】「今日のゲームは勝つしかない状況。引き分けではダメだというのはわかっていた。逆に横浜FCは、引き分けでも、2位で抜けられる可能性があったと思う。もっとアグレッシブにいきたかったが、メンバーを代えていることもあって、最初はスムーズにいかなかった。赤嶺のところでボールが収まらず、栗澤も久しぶりだったこともあって、持ち味が発揮されるまで時間がかかった。伊野波と福西のコンビも、あまり多くやっているわけではないし、茂庭が入ったこともあり、最初はテンポが遅くなり、スムーズな攻撃ができなかった。一番気をつけていたのはFW平本とMFアドリアーノ。特にFW平本のところにボールが入って攻撃が始まる。失点の場面も、その形からPKになった。しかし、逆にあの失点で吹っ切れた。下を向くことなく、『いくしかない』という感じになった。右サイドでバランスをとっていた伊野波が前に出て行って、赤嶺の得点が生まれた。赤嶺の得点は、彼が一番得意な形。失点直後の得点が大きかった。ハーフタイムにはもうワンテンポ早くプレーしようと指示をした。そして勝負を賭けて、ルーカスと梶山を入れた。また、途中で大分が負けているという情報が入ったので、1点を取って勝てばいいという状況になったこともあり、落ち着いてボールをつなごうと指示した。リチェーリは、スタメン3試合目ということで身体が重かった。ルーカスを入れて、本来は中央の梶山を右MFに、栗澤を左に配置することでボールが落ち着くようになった。赤嶺は、今まで短い時間の出場、もしくはメンバーに入らないことも多かったが、トレーニングもしっかりやってくれていた。彼が今日2点を取って結果を出してくれたことは非常に嬉しい。ジュビロ磐田も頑張ってくれ、最終的に予選リーグを1位で突破することができて嬉しい。メンバーを何人か代えても、最後まであきらめずに戦った。今シーズン最初からやろうとしていたことが、少しずつ出てきている。決勝トーナメント進出は素直に嬉しいが、またすぐに名古屋戦がある。気持ちを切り替えて臨みたい」

 【横浜FC・高木監督の会見】「非常に残念。90分の中で、我々も上のステップにいけるチャンスがあった。選手たちはよく頑張った。東京のよさをチームではじき返しながら、チャンスを伺い、点も取ることが出来た。またリードされても得点を狙い、頑張った。FW平本は一緒にトレーニングした時間が短かったが、練習より試合の方が良い感じだった。まだまだコンディションは上がっていくし、貴重な戦力であるのは間違いない。MFアドリアーノはケガあけで、ほとんどぶっつけ本番という感じ。最後は疲れてキレもなくなったが、最低限の仕事はしてくれた。我々のナビスコは終わり、これからはリーグ戦。週末の試合にむけて切り替えるしかない」