GAME RESULT試合結果
第14節 2007/6/10(日)
観衆 15,322人
天候 晴、無 気温 24.5度 湿度 55%
主審:片山 義継 副審:名木 利幸/金田 大吉 四審:唐紙 学志
J1 第14節
日本平
1-3
試合終了
前半1-1
後半0-2
清水エスパルス | FC東京 | |
---|---|---|
43' 兵働 昭弘 |
得点者 |
26' 鈴木 規郎 46' 鈴木 規郎 72' 馬場 憂太 |
62' 藤本 淳吾 → 岡崎 慎司 62' 矢島 卓郎 → 西澤 明訓 75' 児玉 新 → 高木 純平 |
選手交代 |
68' 川口 信男 → 馬場 憂太 81' 福西 崇史 → 浅利 悟 89' 梶山 陽平 → 茂庭 照幸 |
13 | シュート | 13 |
5 | CK | 7 |
15 | FK | 12 |
57' 青山 直晃 |
警告 |
77' 馬場 憂太 |
退場 |
GK | 21 | 西部 洋平 |
DF | 25 | 市川 大祐 |
DF | 26 | 青山 直晃 |
DF | 4 | 高木 和道 |
DF | 2 | 児玉 新 |
MF | 13 | 兵働 昭弘 |
MF | 7 | 伊東 輝悦 |
MF | 10 | 藤本 淳吾 |
MF | 16 | 枝村 匠馬 |
FW | 17 | フェルナンジーニョ |
FW | 9 | 矢島 卓郎 |
GK | 29 | 山本 海人 |
DF | 24 | 平岡 康裕 |
DF | 3 | 山西 尊裕 |
MF | 6 | 杉山 浩太 |
MF | 14 | 高木 純平 |
FW | 20 | 西澤 明訓 |
FW | 23 | 岡崎 慎司 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 6 | 今野 泰幸 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
MF | 19 | 伊野波 雅彦 |
MF | 37 | 福西 崇史 |
FW | 15 | 鈴木 規郎 |
FW | 20 | 川口 信男 |
FW | 9 | ルーカス |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 16 | 池上 礼一 |
MF | 30 | 森村 昂太 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
FW | 13 | 平山 相太 |
【選手・監督コメント】
巻き返しを図るための重要な一戦
リーグ第14節は、アウェイで清水エスパルスと対戦。2週間の中断期間があったため、日本代表で今野は不在であったが、これまでの課題を省み、全員が集中して練習を重ねていた。特に前線の動き出しやサイドチェンジの意識、攻守に連動したフォローアップなどに多くの時間を割き、同時に心身ともにリフレッシュし、気持ちを新たにここからの巻き返しを図りたいところである。
対する清水は現在、勝ち点21で5位につける。FWチョ ジェジンがケガのため離脱したが、原監督は「他にもここぞというところで“ひと仕事”ができる選手は多い」と警戒を強める。特にトップ下に入るFWフェルナンジーニョはキーマンといえる。「フェルナンジーニョにボールが収まれば、相手を2~3人引き付けて、その間に他の選手が飛び出してくる」と原監督。またMF藤本やボランチの伊東も、フリーにやらせるとどんどん飛び出してくるため、東京は中盤とDFが連係を取り、前線で自由にプレーさせないことが重要となる。
東京はここにきて負傷者が続出、石川、赤嶺、リチェーリが怪我のため、また栗澤は体調不良のためメンバー外に。攻撃陣はルーカスを1トップに福西がトップ下に入り、左右MFに鈴木規と川口、そして伊野波と梶山がダブルボランチを組む布陣。特に清水はリーグ戦総失点は13と堅守を誇っており、どう崩していくかが最大のポイントになる。まずは相手の攻撃的に前へ出てくる両サイドバックの裏のスペースを突いて、サイドから崩していきたい。ただ単調なクロスでは高さのある相手センターバックにはね返されるため、DFラインの裏を突くことと同時に、福西や梶山の飛び出しからも崩していきたいところだ。
福西は「前線でキープできれば、中盤の選手が攻め上がる時間をつくれる。そこを意識して、なおかつ自分もゴールに絡む仕事をしたい。トップ下でのプレーは、ここまでの練習では手応えがあるので、それをいかにこの試合の勝利に結び付けられるか。大事な試合になる」と決意を話す。負傷者も多く、決してチームとして万全とはいえないものの、めざすサッカーに向けて一丸となって臨みたい重要な一戦。日差しが強く、快晴に恵まれた日本平スタジアム。試合は16時4分に東京のキックオフで開始された。
試合の主導権を握り先制するも、一瞬の隙から同点にされ前半終了
試合開始から清水を運動量で勝り、ボールを支配して主導権を握る。5分、中央の福西から左に展開。鈴木規がエリア内に進入して果敢にシュートするが、相手DFに阻まれて左CKに。9分には、伊野波→左サイド金沢に展開し、ルーカスの横パスを受けた梶山がミドルを放つも、バーの上に。11分は、今野が相手のボールをパスカットして福西に。右サイドの川口→梶山がエリア外から意表を突くシュート。しかし相手GKにセーブされる。
17分、清水もカウンターから左サイドのDF児玉がサイドをえぐって、ゴール前に折り返す。エリア内でFWフェルナンジーニョ→走りこんだMF伊東がシュートするも、ボールは左に切れる。少しでもマークが甘くなると、フィニッシュまで持ち込んでくる。しかし、東京の優位は変わらない。19分には、徳永がドリブルでかけ上がりクロス。ファーへこぼれたところを、鈴木規が合わせようとするが、ヒットできず。そのこぼれを右エリアのルーカスが反転してシュート。ミートできずGK正面に。23分、左サイドのスローインから、ルーカスを経由して右の川口→徳永がクロス。鈴木規が詰め、ヘッドがネットを揺らすが、オフサイドに…。
すると26分、ハーフライン付近で清水のボールを奪い、伊野波が左でフリーの鈴木規にパス。鈴木規は落ち着いて、狙いすまして左足を振りぬくと、強烈な弾道はGKの手をすり抜け、ネットに突き刺さり先制する。その後も東京の勢いは止まらない。28分、右CKから一度はクリアされるも、そのこぼれから梶山がドリブルで右エリア内に進入して、DFをかわしてシュート。決定的な場面であったが、ゴール左に切れて追加点は奪えず。
終盤になると、清水はFW矢島めがけて長いボールを入れ始め、こぼれを拾ってボールを支配。34分、清水FWフェルナンジーニョが左エリア手前からシュート。土肥がセーブするが、それを拾われて、鋭いクロスを入れられるも、今野がクリア。36分には、エリア内のFW矢島にパスが渡り、シュート体勢に入られるが、藤山が詰めて思うように打たせず。集中した守備で、なんとか持ちこたえるも43分、一瞬フリーになったMF兵働が左エリア外からシュート。ボールは土肥の伸ばした手を超えて右上に突き刺さり、ゴールイン。
ほぼ狙い通りのいい流れで前半を終了するかと思われていたが、一瞬の隙をつかれ、同点で前半を終了した。
鈴木規のゴールで勝ち越し、馬場も加点して3-1で勝利
後半開始すぐに清水FWフェルナンジーニョを倒し、中央でFKを与える。これをMF藤本が直接狙うが、左に外れる。すると46分、そのゴールキックから、一度は相手にボールをキープされるも、福西が奪い取り左の鈴木規に。ドリブルでかけ上がり、左エリア内の角度のないところから迷わずシュートを放つと、ボールは右サイドネットに吸い込まれイン。前半の嫌な流れを消し去るには十分な、チームに再び勢いを取り戻す勝ち越し弾となった。
すぐに清水もセットプレーを中心に攻撃を仕掛ける。48分、左FKのFWフェルナンジーニョが放ったシュートは、土肥が左手でセーブ。50分には、右CKのMF藤本のキックから、ゴール前でDF青山をフリーにしてしまい、ヘディングシュートを打たれる。決定的であったが枠を外れてピンチは免れた。52分は、MF藤本がゴール前に浮き球のラストパス。これが東京DFに当たり、右エリアにこぼれ、そこに清水FW矢島が走りこまれるが、金沢が渾身のスライディングでカットする。
清水の攻撃の時間帯が続くも、全員が集中した守備で対応。逆にボールを奪ってからはカウンターでチャンスを作る。57分、伊野波が右サイドを攻め上がりクロス。中の福西には届かず。59分には、右の徳永→外側を上がった今野がクロス。GKにキャッチされる。62分は、左サイドに流れてパスを受けた川口が、エリア内深くに進入。ゴール前にマイナスのパスを送り、そこにルーカスが走り込むが、清水DFに阻まれる。
清水は2選手を同時に交代。前線にFW西澤(←矢島)とフェルナンジーニョ、トップ下にFW岡崎(←藤本)、左にMF枝村の布陣にして反撃を試みるも、依然として流れは東京に。68分には疲れのみえた川口に代えて馬場を投入し、そのまま右MFに。すると72分、梶山が相手のボールを追い回して奪い、この攻め上がりから最後は馬場が中央でフリーとなり、エリア外からミドルを放つと、バーをかすめ、跳ね返りがGKに当たってゴールイン。2点差とする。
その後もしっかりした守備から、カウンターで相手ゴールを脅かす。81分には福西に代えて浅利を投入し、梶山をトップ下に。84分、インターセプトから浅利がつなぎ、伊野波が左サイドを上がってクロス。ゴール前に浅利がフリーで頭から飛び込んだが、そこには合わず。ファーの馬場がつないで、ラストパスからCKを奪う。87分には、徳永がインターセプトし、そのまま自らドリブルで前線へ。右エリア内に進入してシュートを放つが、枠外に。
終盤には清水はDF青山を前線にあげて、中央にロングフィードを蹴り込んでくると、すかさず梶山に代えて茂庭を投入。マンマークにして自由にプレーをさせない。終了間際に右CKをFW西澤がフリーで頭に合わせるが、枠を外し万事休す。一貫して自分たちのサッカーに終始して、清水を圧倒。リーグ再開の重要な一戦を勝利で飾った。
【選手コメント】《鈴木規》「自分としては楽しんでできた試合。点を取れたこともうれしいが、これでチームが波に乗れる試合になれば、もっといいと思う。今日はたまたま決まったが、常にシュートは意識していた。右足でも積極的に打っていってリズムをつかめたと思う。1点目は得意の角度だった。2点目はいい形でパスが出てきた。前半に同じような形になって、その時はクロスを選んた。ルーカスとフクさんが詰めたけれども、GKとDFの間を流れていった。そしたらベンチから怒鳴り声が聞こえたきた(笑)。ハーフタイムにも『あそこで打て』と言われて、気持ちを切り替えた。だから角度はあまりなかったが、思い切り打つだけだった。でも一番うれしかったのは、オフサイドになったヘディングシュートが入った時(笑)。公式戦はもちろん練習試合でも、小さい頃からずっと決めたことがなかったので。今季はサイドバックでの出場が多かったが、2週間でいい準備ができた。暑さもあったが、前半から飛ばして、名古屋戦でできなかったサッカー=前からボールを取りにいくことができた。日本平は、一昨年も連敗を脱したスタジアム。ここから連勝につなげていきたい」《馬場》「久しぶりの出場だったので、思い切ってプレーしようとした。シュートは、ブレていたので直接入ったかなと思ったが…。無回転というのは意識していなくて、ただ思い切り蹴っただけです」
【原監督の会見要旨】「中断期間があったが、五輪代表のマレーシア戦に梶山や伊野波らが呼ばれなかったことが、ある意味ラッキーだったと思う。今シーズンは最初から、フル代表の今野を含め、五輪代表たちも代表とチームを行ったり来たりが多かったが、この2週間はいっしょにトレーニングができたことで、いろいろと修正ができた。全員で動き全員で走り、いろいろと確認した。むしろ、清水の方が枝村、岡崎や杉山がマレーシア戦に呼ばれ、先日の試合を戦い、フル代表でも藤本や青山などが呼ばれ、一緒にトレーニングすることやコンディションの調整が難しかっただろうと思う。その差が今日の試合で出たのかなと思う。前半、ほぼ狙い通りの戦いができ、その中で鈴木規が先制点を挙げてくれた。ところが、ほとんどやられていなかったのに、兵働のすばらしいゴールで同点にされてしまった。あれだけ良い形でいきながら追いつかれたということで、少しイヤな感じがした。データで見ると、清水は前半に得点が多く失点の少ないチームで、逆にうちは、前半に得点がこれまで2点しかないチームなので、前半から取りにいこうとした。また、後半はうちの方が得点が多いので、もう一度最初からということで取りにいったが、立ち上がりの鈴木規の得点が大きかった。途中から入った馬場が決めてくれたこともあり、チームとして勢いが出てきたなという感じ。しかし、これを続けなければ意味がないので、また1週間トレーニングをして次に臨みたい」
【清水・長谷川監督の会見要旨】「中断明けでホームに多くのサポーターに来てもらっているのに、きっちり勝利することができず残念な結果に終わってしまい非常に悔しい。全体的に今日のゲームは勝つチャンスが少なかった。先制された後、前半のうちに同点に追いつくことができ、さあこれからというときの後半の立ち上がりに得点を取られた。FC東京はあの時間帯に多くのゴールをあげているのはわかっていたので、後半集中して入らせたが一瞬の隙をつかれた。出鼻をくじかれてしまった感じ。それでなかなかリズムが取り戻せないままミドルシュートで3点目を決められてしまった。ここ何試合かミドルレンジから決められていることは反省しないといけない点だと思う。今日は中盤で良い形ができなかったし、FC東京が長いボールを入れてくることはわかっていたがそれをかわしきれなかった。うまく前線と中盤で振り分ながら相手のプレッシャーをかいくぐることができなかったことが今日のゲームの敗因。またホームは続くので、ここで落ち込んでもしょうがない。気持ちを切り替えて前向きに次のゲームにそなえて準備をしていきたい」