GAME RESULT試合結果
第30節 2007/10/28(日)
観衆 30,494人
天候 晴、弱 気温 22.1度 湿度 50%
主審:柏原 丈二 副審:高橋 佳久/岡野 尚士 四審:鈴木 亮哉
J1 第30節
味スタ
0-7
試合終了
前半0-4
後半0-3
FC東京 | 川崎フロンターレ | |
---|---|---|
得点者 |
25' 鄭 大世 29' 鄭 大世 40' 箕輪 義信 42' 鄭 大世 74' マギヌン 79' 寺田 周平 85' ジュニーニョ |
|
34' リチェーリ → 石川 直宏 45' 伊野波 雅彦 → 平山 相太 74' 金沢 浄 → 栗澤 僚一 |
選手交代 |
62' 鄭 大世 → 寺田 周平 81' 中村 憲剛 → 大橋 正博 89' 森 勇介 → 井川 祐輔 |
11 | シュート | 20 |
4 | CK | 10 |
14 | FK | 13 |
78' 今野 泰幸 |
警告 |
47' 中村 憲剛 56' マギヌン 61' 佐原 秀樹 82' マギヌン |
退場 |
82' マギヌン |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 19 | 伊野波 雅彦 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 35 | リチェーリ |
MF | 15 | 鈴木 規郎 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
FW | 9 | ルーカス |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 4 | 八田 康介 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 20 | 川口 信男 |
FW | 13 | 平山 相太 |
GK | 1 | 川島 永嗣 |
DF | 5 | 箕輪 義信 |
DF | 3 | 佐原 秀樹 |
DF | 2 | 伊藤 宏樹 |
MF | 19 | 森 勇介 |
MF | 6 | 河村 崇大 |
MF | 29 | 谷口 博之 |
MF | 14 | 中村 憲剛 |
MF | 11 | マギヌン |
FW | 16 | 鄭 大世 |
FW | 10 | ジュニーニョ |
GK | 21 | 相澤 貴志 |
DF | 13 | 寺田 周平 |
DF | 4 | 井川 祐輔 |
MF | 17 | 落合 正幸 |
MF | 24 | 大橋 正博 |
MF | 23 | 久木野 聡 |
FW | 7 | 黒津 勝 |
【選手・監督コメント】
多摩川クラシコ、アウェイ戦のリベンジを
リーグ第30節は、第12回多摩川クラシコとして川崎フロンターレと対戦。ホームに迎え撃つ。前節名古屋戦は、決して内容がよくない中でも手堅く勝ち点3をもぎとった。掴んだ手応えをもとに、厳しく勝利を追い求める姿勢で3連勝をめざす。
しかし福西が左膝を負傷。馬場、梶山に続き、MFの相次ぐ離脱で、チームは苦境にある。原監督も「福西に代わる選手はいない。梶山とともに、中盤で相手の逆を取るような、そういうタイプがいなくなった」と嘆くが、それでも「それならばよりシンプルに、みんなが走って、手数をかけずに相手DFの裏を突くサッカーをしたい。それはもともと東京のもつ強みでもある」と気持ちを切り替え、力強いサッカーで勝利をもくろむ。
対する川崎は現在、勝ち点43で8位につける。ACLの激戦の疲労も取れたようで、ここリーグ3戦は負けなし。ナビスコカップも決勝に進出し、好調だ。終了間際の得点も多く、最後の最後まで気を抜けない戦いになることが予想される。特に抜群のスピードをもつFWジュニーニョを起点とした攻撃は驚異的。東京はマークとカバーの徹底が求められる。またカウンターの精度が高いため、中途半端なプレーでボールを奪われ、逆襲をくらうことが一番怖い。シュートで終わる意識を高め、攻めきることも大切だ。
東京はボランチに伊野波が先発。サブには今季初となる八田も控えた。ホームの力を見せつけ、アウェイでの敗戦の悔しさをはらしたい。試合は前日関東地方を襲った台風も過ぎ、快晴の味スタ。『ブラジルフェスタ』が開催される中、14時5分に東京のキックオフでスタートした。
奪われてはカウンターをくらう悪循環で、前半に4点を失う
序盤は激しいボールの奪い合いが続いた。川崎は4分に素早いリスタートから、ゴール前のFW鄭が振り向きざまにシュート。7分にはFW鄭が左前線に上がり、マイナスのパスに合わせたMFマギヌンがエリア右角からシュートを放ち、リズムをつかもうとする。東京は攻め込んでも、なかなか前線でボールが収まらず、奪われては逆襲をくらい、早いテンポで試合は進んだ。それでも17分には、ルーカス→左サイドを突破した鈴木規のクロスに、再びルーカスが飛び込むが、うまく合わせられず。
厳しい当たり合いが続く中、23分には金沢の長いスルーパスにリチェーリが飛び出すが、GKが一歩早くキャッチ。直後には赤嶺が前線へのフィードに追いつき、左エリアで果敢に勝負を仕掛けた。ここまでの展開は一進一退だった。だが迎えた25分、川崎は右サイドを起点に東京ゴール前でパス交換。FW鄭→中に上がったMF中村へのパスはルーカスがカットするが、こぼれにFW鄭が反応し、右エリア手前からシュート。鋭いグラウンダーのボールは左エリア下隅に転がり込み、あっけなく先制を許した。
しかし26分には、赤嶺のリターンを受けた鈴木規も思い切りのよいミドルを放ち、反撃。川崎も28分にはFW鄭が右エリアからシュートと打ち合いになる中、29分には東京のクリアを川崎がつなぎ、MF河村が右に流れたFWジュニーニョにパス。FWジュニーニョがゴールライン際から送ったクロスに対し、ニアに飛び込んだFW鄭がシュート。一度は東京DFがブロックするが、こぼれをFW鄭に粘り強く押し込まれ、2点目を許す。
これで東京は浮き足立ち、川崎に主導権を握られることに。34分にはリチェーリに代えて石川を投入。立て直しを図ったが、決定的なチャンスをつくることはできず。ビルドアップのミスを奪われ、前線とDFが間延びしたまま川崎にカウンターをくらうという繰り返しに。39分、川崎MF谷口の右クロスは金沢がCKに逃れるが、40分、ショートコーナーからMFマギヌンのクロスをクリアできず、またもやニアに詰めたDF箕輪に押し込まれ、3点差に。
42分には、東京の短いクリアを川崎MFマギヌンが奪い、前線に抜け出したFW鄭にパス。これには茂庭も対面していたが、右エリア内からFW鄭は迷わず右足を振り抜き、ボールは左ポストに当たってイン。FW鄭のハットトリックを許した。中盤では飛び出してくる川崎攻撃陣をつかまえきれず、点を取られた後にすぐに失点を重ねるもろさも見せ、前半のうちに4点を失った。
攻守に精彩を欠き、屈辱的な大敗…
それでも昨季、味スタでの川崎との対戦では、1対4のビハインドから見事な逆転劇を果たした。誰もが「1点を取れば流れが変わるはず」と思ったのではないだろうか。後半からは伊野波に代えて平山を投入。前線を厚くし、今野のワンボランチで反撃に臨んだ。しかし後半立ち上がりの47分、金沢のロングパスに合わせ、ゴールエリア手前まで抜け出した赤嶺が、追いすがるDFを振り切るようにシュート。しかしボールは左ポストを直撃、得点のビッグチャンスを逃した。
序盤はセカンドボールを奪って攻勢に出たが、53分の今野のミドルは大きく上に。58分には今野→石川のクロスからCKを奪うが、ここからフィニッシュには持ち込めなかった。川崎は62分、FW鄭に代えてDF寺田を投入し、DFに人数を割いて守りを固める。63分には、石川のインターセプトから速攻を仕掛け、鈴木規のクロスにルーカスが合わせようとするが、川崎に守り切られる。65分は今野→徳永のアーリークロスから、鈴木規がエリアに抜け出し、フリーでダイレクトシュートを放つが、枠を捉えることができなかった…。67分、徳永のフィードに相手GKが飛び出し、石川と交錯。ボールはゴール前に転がるが、川崎DFがクリアする。
チャンスに決めきれない中、川崎も固い守備から抜け目のないカウンターを仕掛けてきた。69分には、東京がDFラインを高く上げた裏を突かれ、川崎MF中村のクロスからCKを奪われる。このCKは守り切ったが、74分には川崎の5点目を許すことに。川崎MF谷口が自陣から左前線へロングパス。受けたFWジュニーニョはゆるやかにキープした後、スピードアップしてクロス。東京DFは、ゴール前に飛び込んだMFマギヌンをつかまえきれず、ヘディングで決められてしまった。
その後、金沢に代えて栗澤を投入。しかし77分には自陣でボールを奪われ、川崎MF谷口がシュート。塩田のセーブで一度はCKに逃れるが、2度目の左CKを与えると、79分、MF中村のキックからDF寺田のヘッドを決められる…。81分には、川崎MFマギヌンが2度目の警告を受け、退場に。数的優位に立ったものの、84分、今野のスルーパスに赤嶺が抜け出すが、GKの素早い飛び出しの前に打ち切れず。直後には、前掛かりになる中で平山が奪われ、FWジュニーニョが茂庭を反転してかわし、ゴール前に突進。集中を切らす形で7点目を奪われた。
89分にはCKからの平山がヘディングシュート、続いて今野もミドルを放つが、わずかに枠を外れ、得点を奪うことなくタイムアップ。攻守に精彩を欠いて、前半戦のクラシコのスコアを上回ることもできず。クラブ史上初の7失点を喫して屈辱的な大敗に終わった。
【選手コメント】《藤山》「今季は、1点取られるとバタバタと失点を重ねてしまうことが多かった。最近はよく抑えられていたが、今日はまたそれが出てしまった。最後の失点は仕方と思うが、前半で4失点してはいけない。それが全てだったと思う。試合の入り方は悪くなかったが、流れを掴めなかった。選手が話し合って修正できればよかったが、そうする間もなくやられたた。多摩川クラシコで、みんなに盛り上げてもらったのに、こういう結果に終わって非常に残念」《石川》「試合の頭から、川崎のほうが球際の競り合いに強く、そこで負けてしまっていた。それが最大の敗因だと思う。相手DFの裏を狙った攻撃をと考えたが、あれだけ点差が開くと相手も下がってしまい、東京が理想とする攻撃ができなかった。川崎に、こちらがやりたいサッカーをやられてしまった。ああいうよいサッカーをしなければ」
【原監督の会見要旨】「多摩川クラシコというこで、多くのファンの皆さんも集まっていただいたのに非常に残念な結果になってしまった。選手たちもいい加減にやっていた訳ではないが、川崎がFW鄭に早くボールを蹴ってきて、そのこぼれ球を拾われていた。1点目を取られてから、前回の対戦の時のように怖がってしまったと思う。間延びしてずるずると下がってしまった。1~2点なら逆転できると声をかけたが、ショートコーナーから3点目を失った直後に、バタバタと4点目を取られた。そこで耐えられなかったことが敗因だと思う。後半、平山を入れ、まず1点を返そうとした。最初の赤嶺のチャンスが決まっていれば、こちらに流れも来たと思うが、逆にカウンターから失点を重ね、結局このような結果になった。ここのところ接戦でも踏ん張れるチームになっていたが、今日は気持ちが入っていた分、2~3点取られた時に集中が切れてしまった。そこが非常に残念。伊野波を先発にしたのは、彼のポテンシャルと相手の高さを考えてのこと。ただ五輪代表では最終ラインを務めており、東京でもずっとボランチをやっているわけではなく、1点取られた後、どこにいるべきか分からなくなっていた場面があった。確かに、浅利を使えば安定はしたかもしれないが、それは結果論。伊野波にはこういう苦しい試合、よい相手でも対抗できる力はあるので、チャンスを与えた。石川は勝負どころで使いたいと考えていた。ところがリチェーリが本来の動きがほとんどできていなかった。失点の場面も、足元に貰って下げたところからピンチになったもの。ボールを受けるのを怖がっているように感じたので、早めに石川を入れないと川崎の勢いを止められないと判断した。我々に残された最後のタイトルは天皇杯。そこに向け、今日の試合を教訓にして準備をしていきたい」
【川崎・関塚監督の会見要旨】「FC東京は最近6勝1敗と好調で、集中して臨まないと痛い目にあうと選手たちに話していた。その指示通りに、立ち上がりからしっかり入ってくれた。FC東京のスピーディな勢いを止めながら、先制点を取れたことで、我々の勢いに持ち込めたと思う。多摩川クラシコで今季2勝でき、非常に満足。ただ来週は大事なナビスコカップの決戦があるので、しっかり準備していきたい」