GAME RESULT試合結果

第9節 2008/4/29(火)
観衆 20,283人 
天候 晴、弱 気温 20.6度 湿度 43% 
主審:西村 雄一 副審:相樂 亨/二俣 敏明 四審:木村 博之

J1 第9節

味スタ

HOME

FC東京

1-0

試合終了

前半1-0

後半0-0

AWAY

大分トリニータ

FC東京 大分トリニータ
14' 赤嶺 真吾
得点者
59' 栗澤 僚一 → 大竹 洋平
72' 金沢 浄 → 浅利 悟
89' カボレ → 川口 信男
選手交代 57' 根本 裕一 → 前田 俊介
70' エジミウソン → 小林 亮
83' 上本 大海 → 市原 大嗣
14 シュート 10
4 CK 3
21 FK 21
警告 31' 森重 真人
56' 上本 大海
70' ホベルト
77' 前田 俊介
86' 森重 真人
89' 前田 俊介
退場 86' 森重 真人
89' 前田 俊介
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 佐原 秀樹
DF 5 長友 佑都
MF 10 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
MF 17 金沢 浄
MF 27 栗澤 僚一
FW 24 赤嶺 真吾
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 4 ブルーノ クアドロス
MF 30 大竹 洋平
FW 20 川口 信男
FW 13 平山 相太
大分トリニータ先発
GK 1 西川 周作
DF 4 深谷 友基
DF 6 森重 真人
DF 22 上本 大海
MF 3 ホベルト
MF 5 エジミウソン
MF 11 鈴木 慎吾
MF 17 根本 裕一
MF 33 藤田 義明
FW 8 金崎 夢生
FW 21 松橋 優
大分トリニータ控え
GK 16 下川 誠吾
DF 24 山崎 哲也
MF 2 小林 亮
MF 25 小林 宏之
MF 27 小手川 宏基
FW 18 市原 大嗣
FW 19 前田 俊介

【選手・監督コメント】

大分の勢いを封じ、堅守を崩して味スタで勝利を!


 リーグ第9節は大分トリニータと対戦、ホームに迎え撃つ。前節清水戦はセットプレーからの1失点で敗戦。そのため今節は連敗をせず、味スタで勝利を掴みたい大事な一戦となる。メンバーは、茂庭がリーグ戦5試合ぶりに先発に。中盤には栗澤、ボランチには金沢が入り、梶山が中央のボランチ、右に今野の布陣で臨むことに。城福監督は「連戦でコンディションも理由の一つだが、大分に勝つためのメンバーを起用した」と説明していた。

 対する大分は現在3勝2分け3敗。9位だが東京との勝ち点差は3で、今節の結果によっては、逆転されることもあり得る。FW高松、ウェズレイ、MF高橋らをケガで欠くものの、前節は横浜FMを無得点に抑えて勝利し、城福監督は「FW高松やウェズレイら、主力の不在という危機感と、強いメンタリティが良い結果につながっている」と警戒。特に3バックは高さも強さもあり、攻守の切り替えも早い。清水同様にブロックをつくって守る大分DFを崩して、ゴールを取りたい。

 同時に、大分にサイドで起点をつくられると、MF鈴木のクロスからMF根本、FW金崎らの鋭い飛び出しもある。これに対して東京がサイドで主導権を握りたいところ。清水戦の前半は、押し込まれてサイドバックが攻め上がることがなかなかできなかったが、連動したプレスで奪い、切り替えの早い攻撃を仕掛けたい。また、大分ボランチのホベルト、エジミウソンらが細かいパスをつなぎ、一気に仕掛けてくる速攻にも注意が必要。FW松橋ら、前線の選手には運動量もスピードもあるため、運動量で負けることなく、彼らの勢いを上回る積極的な戦いで勝利をめざす。

 試合は穏やかに晴れた味スタ。少し動けば暑さも感じる気候の中で16時4分に、東京のキックオフでスタートした。

栗澤のCKを佐原が落とし、赤嶺の豪快なゴールで先制!


 お互いに集中して試合に入り、慎重な立ち上がりとなった。東京の攻撃は、大分がセットプレーに逃れ、ゴール前で守り切るという形に。3分、栗澤の右CKをファーの今野が胸で落とし、左エリアからシュートを放つが、バーの上に。5分には、左サイドからのFKから続けてCKを得るが、これは大分がクリア。大分も11分には、MF鈴木が東京陣内でのパスをカットして逆襲。ドリブルで上がり、ミドルを打たれるが、枠を大きく外れる。13分は、梶山→カボレの展開から、徳永が右サイドで粘り、CKを得る。14分、この右CKを栗澤が蹴り、佐原がヘッドでゴール前に落すと、これを赤嶺はダイレクトで左足を振り抜き、豪快なゴールで先制した!

 その後、パスをつないで主導権を握ろうとしたが、大分も堅い守備から鋭い速攻を仕掛け、一進一退の攻防が続くことに。25分には、塩田からのフィードをカボレが落とし、赤嶺とパス交換をしてエリアに抜け出す。GKと交錯して倒れるが、大分に反則はなし。28分は、大分DF上本からのサイドチェンジが、左前線のMF鈴木にピタリと渡る。MF鈴木は東京DFを切り返して中に上がり、シュート。29分には、今度は東京が同じような形で、佐原のロングパスを左エリア手前の赤嶺が受けてシュートまで持ち込むが、いずれも枠外に。

 32分、左サイドでカボレが倒されてFKを得たが、栗澤が放ったキックはバーをヒット…。こぼれからカボレ、梶山がシュートを放つも、大分DFのブロックに阻まれた。大分も33分には、右サイドから仕掛けて、ゴール前のFW松橋が反転して決定的なシュートを放つが、枠を外れてピンチは免れた。前半終盤には東京がボールを支配したが、44分、長友の左クロスに飛び込んだ赤嶺のヘッドは、わずかに枠外に。追加点を奪うことはできず、1点リードのままで後半へと折り返した。

慌しい展開を冷静に戦い抜き、無失点で勝利を果たす


 後半は、大分DFの裏を突いて攻め込んだ。49分、梶山が大分DFの裏を狙い、前線にロングパスを送る。そこにカボレが走り出すが、相手GKの素早い飛び出しでクリアされる。53分には、赤嶺がくさびを受け、今野→左を上がった長友がクロス。低い弾道のボールを送ったが、相手DFがクリア。55分は、カボレの前に位置した赤嶺が、カボレがヘッドで送ったパスに反応。振り向きざまにゴールを狙ったが、ボールは浮いてしまう。56分には、相手陣内中央でカボレが倒され、FKを得る。これを梶山が直接狙ったが、左に切れる。

 動きは出てきたものの、大分の堅守の前にシュートまで持ち込めない時間が続き、59分には栗澤に代えて大竹を投入し、2点目を狙った。しかし徐々に互いにラインが間延びし、攻守の入れ替わりが激しい展開に。62分には、金沢→カボレが中央をドリブルで疾走。エリア手前で倒され、FKを得る。これを徳永が直接狙ったが、大分DFの壁に阻まれる。67分には、大分MF鈴木のアーリークロスに、途中出場のFW前田が飛び込むが、わずかに合わず。続いて切り替えの早い攻撃を仕掛けられ、FW金崎がミドル。強烈だったが、バーの上に。大分のミスにも助けられたが、互いに要所を抑えて決定機は作らせなかった。

 71分、中盤での大分のパスを大竹が奪い、前線にスルーパス。スピードを活かして抜け出したカボレがGKと1対1の場面を迎えるが、シュートは大分GKが片足でセーブ…。ともに長いボールで早い攻撃を仕掛け、慌しい展開となる中、72分には金沢に代えて浅利を中盤の底に投入、梶山が右に、今野が左にという布陣に。これで落ち着きを取り戻すと、東京は大分の反撃にきっちり対応。83分には大分もDF上本に代えてFW市原を投入、前線を厚くして同点を狙う。交代直後には左サイドでMFホベルトのパスを受けたFW市原がエリアに切り込み、シュートするが、塩田がセーブ。

 87分には、今野のパスカットからカボレがスピードに乗って前進するが、エリア手前で倒される。このプレーで大分DF森重が2度目の警告を受け、大分は10人に。しかし、大竹が狙った直接FKはDFの壁に阻まれる。このこぼれを浅利がつなぎ、大竹が右に配球。徳永のクロスに合わせて今野がヘディングシュートを放ったが、ポストをヒット…。2点目を奪うことはできなかったが、ロスタイムには大分FW前田がラフプレーで2度目の警告を受ける。大分が2人目の退場者を出す中、冷静に戦い抜き、反撃はシャットアウト。1対0で勝利した。

 【選手コメント】《赤嶺》「連敗だけは絶対したくなかった。自分がゴールしたが、チームが勝てたことが一番うれしい。ホームで結果がついてきてよかった。ゴールは、佐原選手からちょうどいい折り返しが来た。コースは考えず、思いっきり蹴ろうと思った。今日も2点目が取れていれば、チームとしてもっとラクになったはず。もう少し集中して決めることが必要。出場機会に結果を残さないと、次はないと思っている。チーム内のFW争いも激しく、まずその競争に勝つために日々の練習から全力で取り組んでいく」《茂庭》「せっかくもらった出場のチャンスなので、絶対モノにしてやろうという気持ちで試合に入った。無失点に抑えられたことは、自分にとってもチームにとっても自信になる。大分の攻撃は、誰が出てきてもそれぞれに長所があるので、それを出させないように、一人だけではなく、チーム全体として守るディフェンスができたとは思う。前半、危ないシーンもあったが、佐原選手と話し合って後半に向けて修正した。佐原選手とはお互いの特徴をつかんだ上で、コンビネーションが上手くいった。昨年までの東京は、下位に負けて上位チームといい試合をすることが多かったように思う。今後は、上位ともいい試合をしつつ、下位チームとの対戦では取りこぼしをなくすという戦い方をしないと、今の位置では戦っていけないと思っている。サポーターの茂庭コールから、勇気やモチベーションをもらった。ピッチ上でしっかり結果を残して、応援してもらっている恩返しをしたい」

 【城福監督の会見要旨】「大分は、守備が粘り強く、強固なので、なかなか点は入らないだろうと思っていた。前半、相手を広げるために中盤をワイドに構えさせたが、それを意識し過ぎたのか、選手間の距離が遠すぎて、ボールがなかなか動かなかった。守備は破綻はしていないが、相手ボールの時に後ろの選手が押し出て、もう少しプレッシャーをかけられればよかったが。その部分と、中盤の選手同士に距離があることでボールが回らなかったので、後半は修正をし、お互いの距離を近くしてボールを回すようにした。それとボールがトップに入った時に、ワンタッチで落とせるようなところにサポートをして、そこからスイッチを入れることを意識させたが。スイッチが入ってシュート、もしくはシュートの直前まで行けるシーンがいくつかしかなかったのが課題だった。ただ、失点ゼロに抑えられたというのは成果。集中した守備は続けていきたい。(赤嶺について)簡単なゴールではなかったと思う。よく身体が反応し、ボールをしっかりミートした。ただ、彼だけではないが、相手ボールからマイボールに切り替わった時に、一番スペースがあるはず。そこでコントロールミスをしたり、またカボレや赤嶺へのパスミスがあったために、リズムが作れない時間が多かった。それは彼自身も、チームとしても課題」

 【大分・シャムスカ監督の会見要旨】「前節、我々はいい結果を出し、この波に乗りたいという思いがあった。連勝を目指してアウェイに乗り込んできたが、相手チームが強く、上手くいかなかった。チームの方針として、どのゲームに対しても当然勝ちを望んで戦っている。しかし効果的なゲーム内容ではなかった。前線でボールをキープできなかったし、ボール回しでも効果的な攻撃ができなかった。我々がこれまでやってきたレベルとは遠い内容のゲームになってしまった。また失点シーンは、セットプレーから。そこでの守備の段階で、残念ながら今日のゲームに限ってはうまく機能しなかった。それが勝敗を分けたと思う。また相手にリードされてからは、本来我々がやりたかったカウンターを、逆にやられてしまった。相手が一度引いて、我々のディフェンスの背後を上手く突かれた。リードされると、そういう状況になってしまう」