GAME RESULT試合結果

第13節 2008/5/17(土)
観衆 10,958人 
天候 晴、弱 気温 21.0度 湿度 62% 
主審:扇谷 健司 副審:廣嶋 禎数/原田 昌彦 四審:間島 宗一

J1 第13節

ヤマハ

HOME

ジュビロ磐田

1-2

試合終了

前半1-0

後半0-2

AWAY

FC東京

ジュビロ磐田 FC東京
22' 大井 健太郎
得点者 48' 赤嶺 真吾
62' 赤嶺 真吾
64' 上田 康太 → 船谷 圭祐
77' 前田 遼一 → 中山 雅史
84' 萬代 宏樹 → ジウシーニョ
選手交代 60' 羽生 直剛 → エメルソン
69' 金沢 浄 → 浅利 悟
82' カボレ → 石川 直宏
14 シュート 12
6 CK 2
11 FK 15
82' 森下 俊
警告 73' 浅利 悟
退場
ジュビロ磐田先発
GK 1 川口 能活
DF 4 大井 健太郎
DF 5 田中 誠
DF 13 森下 俊
MF 25 駒野 友一
MF 6 河村 崇大
MF 27 上田 康太
MF 14 村井 慎二
MF 11 西 紀寛
FW 18 前田 遼一
FW 32 萬代 宏樹
ジュビロ磐田控え
GK 21 松井 謙弥
DF 2 鈴木 秀人
MF 17 犬塚 友輔
MF 28 船谷 圭祐
FW 8 ジウシーニョ
FW 29 山崎 亮平
FW 9 中山 雅史
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 5 長友 佑都
MF 10 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
MF 17 金沢 浄
MF 22 羽生 直剛
FW 24 赤嶺 真吾
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 2 茂庭 照幸
MF 7 浅利 悟
MF 15 エメルソン
MF 18 石川 直宏
MF 30 大竹 洋平
FW 32 近藤 祐介

【選手・監督コメント】

上位グループに踏みとどまるためにも、負けられない一戦


 リーグ第13節は、アウェイでジュビロ磐田と対戦。直近の2試合(対名古屋、対柏)では無得点に終わり、今季初の連敗を喫した。城福監督も「180分間で得点ゼロという結果を見ると、チームが進歩しているとは言い難い。シュートミスやアンラッキーな面があったとしても、それ以上に得点機会そのものが少ない」と振り返りつつも、「今節は結果を出すために集中して全力を出す。シーズンの中でいろいろな状況があるが、絶対に3連敗はできない」と結果にこだわることを誓った。

 対する磐田は現在、4勝2分6敗で12位。ここ2試合は東京と同様に連敗しており、今節は磐田にとっても“どうしても負けられない”戦いとなる。特に注意すべきは磐田のサイド攻撃。MF駒野、村井の両サイドにはテクニックがあり、相手の隙を突く攻撃も巧み。東京は守勢に立たされることなく、長友、徳永の攻め上がる回数を多くできるかどうかがカギを握りそうだ。また磐田は前節、FW前田が復帰。本調子ではないようだが、磐田の攻撃の起点とにもなり、何といっても決定力が高いだけに、ゴール前では相当な注意が必要である。

 東京は、右腕負傷から長友が先発に復帰。CBを藤山と佐原に、またボランチに金沢を入れる布陣。このところ守備は安定してきているといえるだけに、攻める姿勢を前面に出し、いかに“スイッチを入れて”決定機をつくれるかがポイント。またケガから復帰したエメルソンも今節から控えに入り、大竹、近藤らも含めて攻撃のオプションも増えている。磐田のパス回しに対抗して、ボールを動かし、DFを崩す動きからゴールを奪って勝利を目指したい。

 城福監督は「磐田はマイナーチェンジをしつつも、ベースを崩さずに進化している。今季3回目の対戦だが“磐田のやることはわかっている”…という入り方はしないように」と気を引き締める。リーグ戦は今節を最後に6月末まで中断するが、続くナビスコ杯に向けて勢いを掴むためにも、どうしても勝ち点3が欲しいところ。試合は快晴のヤマハスタジアムにて、14時に磐田のキックオフで開始された。

セットプレーから先制を許し、前半をリードされて折り返す


 序盤から、磐田はFW前田を起点として攻めに出る。3分には、東京陣内でFW前田のキープから左から上がったボランチ上田にパス。そのままミドルを放つが、塩田の正面に。しかし東京の守備陣も、それをよく抑え、カボレのスピードを活かして反撃に臨んだ。6分、相手陣内でパスをつなぎ、今野→羽生がミドルを狙ったが、相手Gkがキャッチ。10分には、右前線に流れた赤嶺が落とし、徳永がダイレクトでクロス。ゴール前に走り込んだ梶山がヘディングシュートを放ったが、バーの上に外れた。

 磐田にはチャンスらしいチャンスを与えなかったが、21分に東京の両サイドから立て続けに攻め込まれ、CKを与える。そして22分、磐田の右CKから、DF大井に打点の高いヘッドを決められ、前節に続きセットプレーから先制を許した。それでも下を向くことなく、攻めに出た。25分、羽生→カボレが左エリア内まで進入。そこから送ったマイナスのパスは、誰もいない中央のスペースに。羽生が追いかけ、シュートを放ったが、GKキャッチ。33分には、赤嶺→カボレがゴール前に抜け出そうとしたが、磐田のDFが一歩早くクリア。そのこぼれを奪った梶山がシュート体勢に入るが、DFのブロックに阻まれた。

 その後、梶山、金沢が攻守によく絡み、完全に主導権を握る。44分、梶山のサイドチェンジから、長友が左エリアにドリブルで突進。中に切れ込んで強烈なシュートを放つが、GKが正面でセーブ。続いて、そのこぼれをつないで、今度は左サイドでパスを回し、最後は中央の梶山→右エリア内の羽生が狙いすましてシュートするが、左に切れる。ロスタイムにも、カボレが振り向きざまにシュートを放つも枠の外に。終盤の決定機を決めることができず、1点のビハインドを負って前半を終了した。

赤嶺が2ゴール!リーグ戦ではヤマハスタジアムで初勝利


 後半も立ち上がりから、梶山を中心に気迫あふれるプレーでゴールに向かった。すると48分、左クロスから今野がCKを奪う。この右CKを徳永が蹴ると、中央に走り込んだ佐原がヘディング合せる。一度はGKに阻まれたが、こぼれを赤嶺が蹴り込み、ゴール! 東京もセットプレーから同点に追いつく。そのまま本来の勢いを取り戻すと、54分、中盤で切り替え早く仕掛けて逆襲。梶山のスルーパスから、カボレが右エリアでGKと1対1になるが、シュートは磐田GKの身体ごとのセーブに阻まれる。

 追加点のビッグチャンスを逃すと、今度は磐田に攻め込まれる時間が続いたが、DFラインでは身体を張って次々と磐田のシュートをブロックした。60分には、3月23日ナビスコ磐田戦以来の出場となるエメルソンを投入。すると62分、交代直後のエメルソンが、右サイドからエリア内のカボレにスルーパス。カボレはゴールライン際まで持ち込み、ゴール前にシュート性の速いクロスを入れ、これを赤嶺が身体ごと飛び込むように押し込み、逆転に成功する。

 しかし磐田も68分、MF船谷の左クロスからFW前田がフリーでヘディングシュートを放たれるも、ミスに助けられ枠の外に。それでも磐田はあきらめずに反撃に出て、激しい攻防が続く。東京は浅利に続き、82分にはカボレに代えて石川を前線に投入。今野をDFに下げ、藤山をボランチに配する布陣で磐田のパワープレーに対抗。最後まで集中を切らさず、身体を張って守り切り、タイムアップ。逆転勝利で連敗をストップするとともに、ヤマハスタジアムでリーグ戦の初勝利を挙げた。

 【選手コメント】《赤嶺》「今日はフィニッシュで終わることを意識した。サイドに流れた時は中に折り返すか、シュートで終わることを常に考えていた。1点目は、ヒデさんからのシュートが自分のところにこぼれてきた。2点目はカボレやエメルソンが崩してくれて、自分は触るだけだった。(磐田戦は昨季から数えて4戦連続だが?)それはたまたまだと思います。前半は、磐田MF駒野選手が上がっていた分、サイドで押し込まれたが、後半はそのスペースを自分が使い、深い位置でキープすることを指示された。それで周りが上がれるようになったこともあると思う。またカボレが近くにいれば、お互いの特長は出せるようになってきた。(カボレからの)シュートでもクロスでも対応できるようになっている。今後もエメルソンたちとの連係を高めていけば、チームとしてもっとよくなると思う」《エメルソン》「監督が自分のことを信頼して、一番最初の交代カードを使ってくれたと思っている。その期待に応えたかった。出場にあたっては、磐田の14番の選手(村井選手)のマークに気をつけながら、サイドで起点になることを意識した。(カボレに出したスルーパスは?)ああいう場面では、周りを見ることが大事だと考えている。カボレに出したのはひらめきです(笑)。3月にここヤマハスタジアムで負傷し、その後、一度復帰したが、すぐに同じところを傷めて、気分的にも辛かった。それでも我慢して、今日チームに貢献して勝つことができてうれしい。ナビスコは、リーグ戦とはまた違う雰囲気なるが、同じように結果を求めて、この勢いをつなげていきたい」

 【城福監督の会見要旨】「2連敗していましたので、今日はどうしても結果がほしいという状況での試合でした。リスタートで点をとられたあの時間帯までの10分、15分くらいまでは本当に悪い流れでしたが、それ以外のところは、前半はだいたい自分たちのシミュレーションした通りの展開になるんじゃないかという感じでした。アタッキングサードまではボールを運べたし、シュートの直前くらいまではいけたということです。あの失点までは、ちょっと不安定だったなと思っています。後半は、とにかく自分たちのつなくベースを維持しながら、バランスを崩さない中で得点機を狙っていくということ、まずは自分たちのバランスを崩さない、やり方を変えないということを大事にしました。幸いにして、あの得点の時間帯は、ゴールへ向かう意識が強く、迫力があったシーンが何回かありました。最後、フリーでヘディングを許したシーンについては、やられてもしょうがなかったシーンでしたが、それ以外のシュートに関しては、すべて身体を寄せられていましたし、結果に対して、すごく貪欲な選手たちの姿勢が表れたゲームだったと思います。(エメルソン選手の投入の意図と評価は?)彼は枯渇感というか、試合に出たいという気持ちが強かったし、前回ここヤマハスタジアムで出場した以来なので、やる気という意味では相当あったと思います。ただ、体力的なものがまだ追いつかないと踏んでいたので、後半15分過ぎからというのは、もともとのプランでした。スペースがだいぶ空いてきている状況でもあったので、彼本来のプレーができたと思いますし、最後得点につながったのは、彼のところからという意味では仕事をしてくれたと思っています。守備もしっかり意識を持ってやってくれたと思います。(リーグ戦のここまでの総括は?)まだ13節、半分も終わっていません。僕らはずっと右肩上がり、自分たちがレベルアップすることを目指しているという意味では、まだまだ未熟なところはありますが、少しずつ、辛抱したりというのができていると思います。ただ、クオリティに関しては、まだまだ追求していかなければならないと思っています」

 【磐田・内山監督の会見要旨】「前半40分までは、それなりにうちの思い通りでした。得点の取り方も、左右何度かサイドバックが出て行き、そこからCKをものにしたもの。ただ、恐れていた部分、前半残り5分や後半はじまってからは、中盤の強さ、展開でミスというのが連続して起こり、そのまま圧力をかけられ失点してしまった。そのあたりがずっと課題だが、いずれにしても、後ろや中盤のタフさも含め、ちょっと動けばボールを動かせるのに、立ち止まったりまっすぐ蹴ってボールを奪われてしまう状況をつくり、相手に押し込まれてしまう。そこは言い続けているところですが、なかなか解決できない。特に、後半疲れてくると止まってしまうし、判断も遅れてきてしまう。その辺が大きな問題です。(前半は良い流れでしたが、新潟戦と比べて改善したところは?)コンパクトにしないと前線の高い位置からボールを奪えない、そういうことを意識しないと守備でのリズムができないということで、この4日間の中で改善しようとしました。相手は多少変形的な陣形で来ており、できるだけ村井を引かせないということです。ボランチのところで1試合での負担となると、いろいろな問題が起きてしまう。前半残り5分くらいから、ルーズボールを拾われ、スライドが遅れてというのが起きて、1番心配なところが後半でも出てしまった」