GAME RESULT試合結果

第4節 2008/5/25(日)
観衆 19,141人 
天候 曇、無 気温 23.5度 湿度 67% 
主審:西村 雄一 副審:相樂 亨/岡野 尚士 四審:高山 啓義

YNC 予選Bグループ 第4節

味スタ

HOME

FC東京

3-0

試合終了

前半1-0

後半2-0

AWAY

東京ヴェルディ

FC東京 東京ヴェルディ
02' ブルーノ クアドロス
80' 佐原 秀樹
88' 近藤 祐介
得点者
65' 平山 相太 → 近藤 祐介
76' ブルーノ クアドロス → 金沢 浄
84' 羽生 直剛 → 石川 直宏
選手交代 80' 大野 敏隆 → 河野 広貴
80' 菅原 智 → 富澤 清太郎
11 シュート 17
2 CK 7
12 FK 21
18' 浅利 悟
57' 羽生 直剛
78' 佐原 秀樹
警告 76' 菅原 智
82' 土屋 征夫
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 33 椋原 健太
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 25 徳永 悠平
DF 4 ブルーノ クアドロス
MF 7 浅利 悟
MF 15 エメルソン
MF 22 羽生 直剛
FW 13 平山 相太
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 19 権田 修一
DF 2 茂庭 照幸
MF 17 金沢 浄
MF 18 石川 直宏
MF 30 大竹 洋平
FW 20 川口 信男
FW 32 近藤 祐介
東京ヴェルディ先発
GK 1 土肥 洋一
DF 4 和田 拓三
DF 17 土屋 征夫
DF 5 那須 大亮
DF 22 服部 年宏
MF 23 福西 崇史
MF 6 菅原 智
MF 11 大野 敏隆
MF 10 ディエゴ
FW 7 レアンドロ
FW 9 フッキ
東京ヴェルディ控え
GK 21 高木 義成
DF 2 福田 健介
MF 8 柴崎 晃誠
MF 16 飯尾 一慶
MF 33 河野 広貴
MF 14 富澤 清太郎
FW 20 廣山 望

【選手・監督コメント】

ナビスコ杯再開、ヴェルディの勢いを止めて勝利を!


 ナビスコ杯が再開。予選リーグ第4節は、ホームで東京ヴェルディを迎え撃つ。現在勝ち点4でBグループ2位につける東京。勝ち点1で4位のヴェルディにも決勝トーナメント進出の目があるだけに、負けられない試合が続く。

 この期間は、代表の活動のため、長友、今野、梶山が不在。また赤嶺が膝の大事をとって欠場することに。そのため今節は、ボランチにはブルーノ クアドロス、右サイドバックには今季初先発となる椋原を起用し、徳永が左サイドバックに回る布陣に。また、週半ばの練習試合で好調ぶりをアピールした平山、リーグ前節磐田戦で途中出場のエメルソンもそれぞれ先発。外国籍3選手が初めて揃って臨むこととなった。また権田が今季初のメンバー入りを果たした。

 対するヴェルディは、リーグ、ナビスコともに序盤戦こそ敗戦が続いたものの、リーグ戦ではここ6試合で4勝1分1敗と結果を残し、順位を上げてきた。城福監督も「FWフッキとレアンドロ、MFディエゴが攻め、残りの7選手がバランスを取る。攻撃陣が強力なだけではなく、それぞれの役割がはっきりし、守備が崩れにくくなっている」と警戒を強める。

 今節は、そのヴェルディのFWフッキを中心とした攻撃陣を止めることがまず第1のポイント。1人が仕掛け、1人がカバーするという連係を徹底して守ることが必要になる。攻撃では、ヴェルディの速攻には迫力があるため、カウンターの応酬になると苦しくなるはず。冷静にパスをつなぎながらサイドを起点にし、ヴェルディのブロックをつくって守るディフェンスを崩していきたい。

 雨は試合前に上がったものの、湿度の高い味スタ。ナビスコ杯でも負けられない“東京決戦”は、15時4分にヴェルディのキックオフでスタートした。

ブルーノ クアドロスの豪快なミドルで立ち上がりに先制!


 立ち上がりに試合は動いた。2分、中盤のブルーノ クアドロス→浅利が相手陣内にボールを運ぶ。ブルーノ クアドロスは攻め上がり、左の羽生からパスを受けると、ペナルティアーク手前までドリブルで持ち込み、果敢に右足を振り抜いた。豪快なシュートはネット右上を突き刺し、ゴール! ブルーノ クアドロスの今季初ゴールで早くも先制する。

 その後も、ブルーノ クアドロスのアグレッシブな姿勢に引っ張られるように、チームは躍動感あふれるプレーでヴェルディゴールに迫る。4分、前線のカボレに素早くパスを送り、カボレがドリブルで中央突破。エリア手前で相手DF2人に囲まれながらも、簡単には奪われず、こぼれに詰めた羽生が右エリア内からシュート。6分には、今度はカボレが前線へ浮き球のパス。これに合わせてブルーノ クアドロスがエリア内に走りこみ、奪おうとした相手DFのこぼれをさらってシュートした。だが、いずれもわずかに枠外に。

 対するヴェルディは、セットプレーを中心にチャンスをつくろうとする。10分、FWレアンドロのドリブルをファールで止め、中盤右サイドからのFKを与える。このFKをFWフッキが直接狙ったが、東京DFの壁が阻む。13分には、ヴェルディ・左サイドからのFK。MF大野が前線に送ったボールのこぼれからDF服部にミドルを打たれるが、大きく枠外に。23分は、ヴェルディMF大野の左CKのクリアをDF土屋にシュートされ、ボールはゴール手前のDF那須の足下に。DF那須はすぐさまゴールに向き直ってシュートしたが、塩田がキャッチ。28分にもヴェルディのFKを塩田がはじき、CKに逃れると、DF服部の右CKから、ニアのMF福西にヘディングシュートを打たれたが、バーの上に。

 ヴェルディのセットプレーをしのぐと、29分には藤山のフィードを平山がつなぎ、羽生→カボレが左サイドから中に切り込み、相手DFとGKの間にラストパス。ここにブルーノ クアドロスが飛び込むが、ヴェルディGK土肥の片手での好セーブに阻まれる…。直後には、エメルソン→椋原の右クロスから、平山が決定的なヘディングを放つが、バーを直撃…。切り替えの早い攻撃でカボレ、エメルソンを起点に追加点のチャンスをつくり、決定的な場面を迎えるも、決めることはできず。

 39分には、ヴェルディに東京DFの裏を狙われ、MF菅原が佐原の裏にスルーパスを出される。ゴール前にフリーで抜け出したFWレアンドロに決定的なシュートを放たれるが、わずかに右に外れてピンチを免れ、1点のリードで前半を終了した。

ヴェルディの反撃をしのぎ、佐原、近藤も初ゴールして快勝


 後半も東京がペースをつかみ、攻め込んだ。53分、ゴールライン際まで上がった椋原が右クロス。左エリア内の羽生が落とし、中央のエメルソンへ…と決定的な形をつくるが、エメルソンのシュートはバーの上に。61分には、藤山のインターセプトからカボレがつなぎ、前線に長いパス。平山が受けてエリア内までドリブルで持ち込むが、DFの厳しいチェックに倒され、フィニッシュには持ち込めなかった。ヴェルディも、遠めの位置からでも果敢にシュートを放ってリズムをつかもうとし、緊迫感あふれる攻防が続く中、65分には平山に代えて近藤を投入する。

 直後の66分には、カウンターを仕掛け、エメルソンがドリブルで右から中に切り込み、左サイドをフリーで上がった徳永に。徳永は左エリアまで持ち込み、ゴール前に浮き球のパスを送ると、走り込んだ近藤がヘディング! 決定的な形をつくったが、ボールは上にはずれ、ビッグチャンスを逃した…。73分には、ヴェルディ左サイドバック服部がオーバーラップし、クロスを上げようとしたが、これは椋原がカット。しかしその後のパスが、再びDF服部のもとに。チャンスをつくられそうになるが、エメルソンがダッシュで戻り、椋原と挟み込んで奪い返す。

 守備の意識も高く、連係を図って守っていた東京だが、時間の経過とともに運動量が落ち始め、ヴェルディの支配を許すことに。それでも76分にはブルーノ クアドロスに代えて金沢をそのままボランチに投入。DFラインを中心に健闘し、厳しい守備で、ヴェルディには決定的なシーンをほとんどつくらせなかった。79分にはヴェルディMF福西をファールで倒し、右エリアすぐ手前でFKを与える。リーグ戦ではFWフッキに決められた場所。今日もFWフッキが狙ったが、シュートは塩田ががっちりセーブした。

 80分、今度はカボレが左前線で倒され、東京がFKを得る。このFKを徳永が蹴ると、ファーの佐原がどんぴしゃのヘッド! 佐原の自身のJ1初ゴールでようやく追加点を奪った。84分には羽生に代えて石川を投入。勢いを取り戻すと、88分に自陣左サイドでのFKを得ると、徳永→相手陣内・左サイドライン際のカボレから、中寄りのエメルソンが前線へスルーパス。これに合わせて近藤がゴール前に飛び出し、追いすがる相手DFを尻目にGKと1対1に。そして相手GK土肥の股下を抜くシュートを左足で決めて、3点目をゲット。

 結局、シュート数は東京11本に対して、ヴェルディには17本打たれたが、椋原、佐原、藤山、徳永らがきっちりと守備の役割をまっとうし、流れの中では自由にさせず。ブルーノ クアドロス、佐原、近藤がともに今季初ゴールを挙げるとともに、失点は0に抑えきり、ナビスコ杯ホームでの東京決戦に快勝した。

 【選手コメント】《ブルーノ クアドロス》「出場のチャンスをもらって、個人としてもチームとしても、それを活かしたかった。いいプレーといいゲームができたと思う。ゴールは、羽生選手からのパスを受けた時に前を見たら、コースがあいていた。思い切って打ち、決めることができたのでよかった。ボランチでのプレーは、前だけでなく後ろにも注意を配らなければいけないし、どんどん前にパスも出していかなければいけない。今日は、ヴェルディの前の3選手が強力で、彼らのことはリスペクトしている。そのため守備を意識しつつも、前にスペースがある時は突いていこうとした。3人のボランチが全部上がってしまわず、1人が上がれば、ほかの2人がカバーするということができていたと思う」《佐原》「代表選手が不在の時に、“やっぱり負けた”と言われるのは嫌だった。ヴェルディの攻撃陣に対して、1人で守るのではなく、2~3人で連係を図って守ることを意識した。(J1初ゴールについて)徳永選手からいいボールが来た。それまでもセットプレーのチャンスはあったので、狙っていた」

 【城福監督の会見要旨】「各代表の選手が3人不在となり、新たな競争がチームの中に始まった。それをプラスに変えたいという思いがあり、思い切ってメンバー変更をして臨んだ。今日出場した選手は小平でいい準備をしてくれていた選手。彼らの枯渇感も痛いほど感じていて、それがエネルギーになってくれればという気持ちで起用した。期待に応えてくれて非常によかった。ただ、前半にあと1点取っていれば、もう少しラクになったかとは思う。前半終盤と後半の最初は、マイボールの時間が少なく疲労感が出た。どこでボールを納めるか、もう一度ポジション取りをして、サイドチェンジをし直してというような、ポゼッションしながら自分たちで休む時間をつくる必要もある。心拍数を下げる時間を作ることは課題。ブルーノ・クアドロスは、勝負どころが分かる選手。今がチャンスだというのを嗅ぎつける点に長けている。体力が続き、技術のブレがなければ、あそこまで仕事はできる。できればもう1点取ってほしかったが、相手GKのいいセーブもあり、決められなかった。それでもそういうチャンスのにおいは嗅げる。(汗かきタイプの選手と、クリエイティブな仕事をする選手との役割は分けて考えているか?)起用のポイントは、組み合わせを重視している。もちろんアンカー的な選手の質が高ければ、中盤の底で前を向けてもっと違うサッカーができる。そういう意味でオンザボールでの質や、ギリギリで判断を変えられるスキルも大事。それを兼ね備え、かつバランスを見て守備もできてスペースも抑えて、という選手は日本にはなかなかいないが…。そこで、スペースを抑える、コースを切る、ボールを散らせる選手の組み合わせを考えている。椋原については守備力が特長。もちろんまだ課題もあるが、彼を起用した意味をよく理解してくれた。試合前に、彼に『フッキに感謝しなさい。彼がいるから今日出られるのだ』と話した。それは自分の特長を出せという意味と、オフェンシブ面の課題を恐れるなという意味。彼はそこに果敢にチャレンジしてくれたと思う。各々特長はあるが、一方で課題もある。その課題をクリアするように各々で高められれば、チームはもっとレベルアップしていける」

 【ヴェルディ・柱谷監督の会見要旨】「先週のJリーグから切り替えることができなかった。モチベーションが上がらなかった。前半の立ち上がりで誰がブルーノ クアドロスを見るかで混乱してしまった。1度のチャンスでゴールを決められてしまい、ゲームプランを崩された。無駄攻めしてはカウンターをくらう悪いパターンが出てしまったと思う。前線の3選手とあとの7選手については、もっとバランスを取らなければ。前の選手も下がり、中盤の選手は押し上げないといけない。後半は中盤をボックスにして落ち着いて攻めることができていたが、結局は前半に入れられた1点が重くのしかかった」