GAME RESULT試合結果
第6節 2008/6/08(日)
観衆 12,257人
天候 曇、弱 気温 24.6度 湿度 56%
主審:吉田 寿光 副審:武田 進/西尾 英朗 四審:飯田 淳平
YNC 予選Bグループ 第6節
国立
2-4
試合終了
前半2-2
後半0-2
東京ヴェルディ | FC東京 | |
---|---|---|
11' 廣山 望 19' フッキ |
得点者 |
16' カボレ 43' 平山 相太 45' 平山 相太 76' 平山 相太 |
59' 飯尾 一慶 → 河野 広貴 67' 廣山 望 → 吉武 剛 86' 大野 敏隆 → 菅原 智 |
選手交代 |
69' 羽生 直剛 → 石川 直宏 82' カボレ → 近藤 祐介 83' エメルソン → 大竹 洋平 |
14 | シュート | 15 |
7 | CK | 7 |
26 | FK | 14 |
05' レアンドロ 52' 福西 崇史 65' フッキ |
警告 |
55' 椋原 健太 88' 大竹 洋平 |
退場 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 2 | 福田 健介 |
DF | 14 | 富澤 清太郎 |
DF | 5 | 那須 大亮 |
DF | 22 | 服部 年宏 |
MF | 23 | 福西 崇史 |
MF | 11 | 大野 敏隆 |
MF | 20 | 廣山 望 |
MF | 16 | 飯尾 一慶 |
FW | 7 | レアンドロ |
FW | 9 | フッキ |
GK | 21 | 高木 義成 |
DF | 27 | 飯田 真輝 |
MF | 6 | 菅原 智 |
MF | 8 | 柴崎 晃誠 |
MF | 24 | 吉武 剛 |
MF | 33 | 河野 広貴 |
FW | 13 | 井上 平 |
GK | 31 | 荻 晃太 |
DF | 33 | 椋原 健太 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
MF | 4 | ブルーノ クアドロス |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
MF | 22 | 羽生 直剛 |
MF | 15 | エメルソン |
FW | 13 | 平山 相太 |
FW | 9 | カボレ |
GK | 19 | 権田 修一 |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 30 | 大竹 洋平 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
FW | 32 | 近藤 祐介 |
【選手・監督コメント】
めざすは勝利のみ、プレッシャーを跳ね返して予選突破を!
ナビスコ予選最終節、国立競技場で東京ヴェルディとの対戦を迎えた。前節清水戦では、終了間際に追いつかれて勝ち点を失った。結果的に、決勝トーナメント進出のためには今節“勝利するしかない”状況に。それも、他グループの勝ち点や得失点差・総得点も関係してくるという厳しい状況のため、できれば点差をつけての勝利が求められる一戦となった。
残念ながら塩田が発熱し、今節は荻が初先発。また佐原が出場停止となり、右サイドバックには椋原が5月25日予選第4節に続き、ヴェルディ戦で起用されることに。左に徳永、センターバックは藤山とリーグ第12節以来の先発となる茂庭。一方で梶山が五輪代表の活動から元気に復帰し、好調のブルーノ クアドロスとボランチを組む布陣で臨むこととなった。
対するヴェルディは、すでにグループ予選敗退が決定。また、今季2度の“東京決戦”では、ともに良さを出し切れずに敗れている。置かれた状況は対照的だが、城福監督は「ヴェルディは予選突破の可能性が消えた分、のびのびと臨んでくるだろう。対する我々は絶対に勝たなければいけないため、かかるプレッシャーは大きい。難しい試合になると思うが、2勝していることは忘れて勝ちにいく」と気を引き締めて話した。MFディエゴはチームを離れたが、城福監督は「MFディエゴの不在を、日本人選手の特長を活かすことで補っている」と警戒。FWフッキ、レアンドロを抑えることはもちろんだが、中盤の選手に対しても十分なケアが必要だ。
攻撃に関してはこれまでと同様に、ヴェルディがDFのブロックを作る前に崩していけるかどうかがポイント。エメルソンや羽生を起点に、カボレのスピードやブルーノ クアドロスの攻め上がりを活かし、早い攻撃を仕掛けたい。先制点を奪って、焦らず、自分たちのリズムで進めることができれば、おのずと結果は見えてくる。熱く、かつ冷静に、厳しいプレッシャーを跳ね返して勝利を!
雨こそ降らないものの、どんよりとした天候の国立。アウェイゲームだが、スタンドには多くの“青赤”が駆けつけ、勝利を後押しする雰囲気をつくる中、試合は15時ちょうどに東京のキックオフでスタートした。
点を取り合う展開の中、前半終了間際に平山が貴重な同点弾
最初にチャンスをつくったのはヴェルディ。2分にFWレアンドロが東京陣内で長い距離を走り、ゴール前のFWフッキとワンツーをかわして左エリアに進入。シュートを打たれたが守り切ると、東京もヴェルディDFの裏を突く攻撃で、果敢に攻めに出た。3分、クロスが流れたところを羽生がフォローし、ブルーノ クアドロスがヒールでエリア内にスルーパス。そこにエメルソンが走りこむ。10分には、平山→エメルソンが右エリア深くまで切り込み、ゴール前にマイナスのパス。カボレがダイレクトで合わせ、ゴール至近距離から狙う。いずれも絶好のチャンスだったが、相手GKの好セーブに阻まれた。
チャンスを逃すと、11分にヴェルディFWフッキに東京DFの裏を突かれ、右からゴール前にドリブルを許す。一度は荻が素早い飛び出しでセーブしたものの、こぼれをMF廣山に詰められて失点。先制を許した。しかし慌てることなく気持ちを切り替え、16分には、今度は梶山がヴェルディDFの裏へ長いパスを送る。ここに走り込んだカボレが、飛び出した相手GKの頭上を越すループを決めてゴール!
だが、同点に追いついたのもつかの間。 直後の19分に東京陣内でFKを与えると、ヴェルディFWフッキが、35mほどの距離から直接狙う。するとゴール前で落ちたボールがネットを揺らして、再び勝ち越しを許した。激しく点を取り合う展開となったが、1点を追いかける東京は、22分に梶山→椋原のクロスからCKを奪う。右CKのクリアを、梶山がボレーで狙ったが、バーの上に。30分には、カボレが相手にマークされながらも、スピードを活かして右サイドから中央にドリブル。右エリアに入ったところでシュートするが、勢いがなく、GKキャッチ。
対するヴェルディも前線のスピードを活かして応酬し、36分にはFWフッキが東京DFをぶっちぎり、左エリアの深い位置まで進入。しかし、マイナスのラストパスは合わず、事なきを得た。攻守の入れ替わりの激しい展開の中、椋原も果敢にオーバーラップし、42分にはクロスからCKを奪う。そして43分のことだった。羽生の右CKに合わせた平山がヘッドを振り抜いてゴール! 前半終了間際に平山が待望のゴールを挙げ、試合を振り出しに戻して後半へと折り返した。
平山がハットトリック! 4点をもぎ取り決勝トーナメント進出!
これでリズムに乗った東京は、後半開始直後の45分、カボレが右サイドを抜け出し、相手にマークされながらも、粘り強くグラウンダーのクロスを送る。これを平山が体勢を崩しながらも、スライディングで押し込み、ゴール! 後半早々に勝ち越しに成功した。続く51分には、パスをつなごうとするヴェルディに対して、中盤で厳しいプレスをかけ、ブルーノ クアドロスが奪うと、エメルソンがドリブルで上がり、前線にスルーパスを送る。ここにカボレが抜け出したが、一歩早くヴェルディGKが飛び出してクリアされる。
その後、ともに厳しく当たり合い、激しい展開が続いたが、東京は運動量も落ちず、攻める姿勢を失わなかった。67分には、梶山が左前線に送った長いパスに、羽生が猛ダッシュで追いつき、中にクロス。カボレがタイミングよく合わせたが、シュートは打ち切れず。先に2枚の交代カードを切ったヴェルディに対し、東京は69分に羽生に代えて石川を投入。70分には椋原が前線に浮き球の縦パスを送ると、石川が右エリアでトラップし、すぐさま左足でシュート。枠は外れたが、“もう1点を取る”という姿勢は失わなかった。
そして迎えた76分、カボレのサイド突破からCKを奪うと、右CKのキッカーは石川。石川のキックは、ニアの平山のもとにどんぴしゃで送られ、これをヘディングで決めて、4点目をゲット! 平山のプロ初となるハットトリックでヴェルディを突き放した。
81分には、平山が左前線を猛スピードで駆け上がり、ゴール前にマイナスのクロス。ボールは飛び込んだ石川のうしろをすり抜けるが、ここにブルーノ クアドロスが詰めてシュート。しかしDFのブロックに阻まれる。終盤にはヴェルディのセットプレーから攻め込まれるシーンもあったが、全員の守備の意識も高く、粘り強く守り切ってタイムアップ。平山のハットトリックを含めて4点をもぎ取り、逆転勝利を果たした。この結果、Bグループ2位で予選リーグを突破。準々決勝は7月2日にホーム、8月6日はアウェイで開催され、大分トリニータと対戦する。
【選手コメント】《平山》「決勝トーナメントに進むために、絶対に勝ちたかった。点差をつけたいとも思っていたが、チームで4点を取ることができてよかった。プロでは初めてのハットトリックだが、3点ともにチームメイトがいいアシストをしてくれた。予選突破につながるゴールを決めることができて、それはうれしかった。東京のサポーターがすごく応援してくれるので、いまはチームで結果を残すことだけを考えている」《荻》「前半は固かったと思う。後半のようなパフォーマンスを、前半から90分とおしてしなければいけなかった。後半のプレーが自分の持ち味。失敗を恐れず、前に!というプレーができたと思う。ただ、ミスをしてから落ち着いたり、開き直るのでは遅い。試合ではやり直しがきかないから。追い込まれてから力を発揮するのではなく、どういう状況でも、すべてを出せるようにしなければ。ただ東京というチームは、全員で戦っている。誰にでもチャンスがあるし、指定席もない。常に競争意識があるので、日々の練習から差を埋められるように取り組んでいきたい」
【城福監督の会見要旨】「まずアウェイにも関わらず、ホームのような雰囲気をつくってくれたファンのみなさんに感謝したい。完全にホームの雰囲気で戦えたことは本当に心強かった。我々には決勝トーナメントに進みたいという強い意識があったが、ヴェルディも前半はDFの裏を狙った攻撃があり、これまでの戦いと比べると、裏も足下もあるという手強い状況だった。そこでハーフタイムに裏のケアと足下の対応、ボランチのエリアの守備を少し整理して後半に入った。前半のヴェルディは、FWフッキ選手が1トップに、FWレアンドロが1.5列目に引いており、そこを掴み切れていなかった。2人にボールが入った時に、挟み込んでディフェンスをするところで時間がかかり、彼らに時間を与える状況だった。そのため、梶山にそこの役割を意識させた。前半はブルーノ クアドロスと梶山が並行だったが、少し引かせてDFラインに近いワンボランチのような形にした。後半は自分たちのリズムで戦えたと思う。平山については、ここ2試合先発し、得点こそなかったが、ゴール前でのプレーはよくできていた。小平の練習場でもよいパフォーマンスをしていたことからも、いつか得点を取ってくれるという期待はあった。ただし、得点はみんなで取ったもの。守備も後半に立て直すことができ、非常に価値のある勝利となった」
【東京V・柱谷監督の会見要旨】「立ち上がりにいい形で先制でき、前半は良い形で進むかなと思っていた時に、集中力の無さを突かれてゴールを奪われ、そのまま失点を重ねた。この部分は、この1週間のテーマであり、ずっと言い続けてきたが、それができなかったことはショック。頑張りどころで頑張れない、走れない、走り勝てない。そういったフィジカルの低下も感じた。(平山にハットトリックを決められたことについて)今日の彼の出来は素晴らしく、ここ数試合でも一番良かったと思う。我々のDFのマークの緩さもあったが、それでも3得点を決めたというのは、平山選手自身の力だと思う。FC東京とは3試合戦い、ともに勝てなかった。はっきり言って力の差を感じる。そこをトレーニングで縮めていきたい」