GAME RESULT試合結果

第1節 2008/7/02(水)
観衆 11,378人 
天候 晴、弱 気温 22.9度 湿度 73% 
主審:扇谷 健司 副審:八木 あかね/平野 伸一 四審:鍋島 將起

YNC 決勝トーナメント 第1節

味スタ

HOME

FC東京

1-2

試合終了

前半1-1

後半0-1

AWAY

大分トリニータ

FC東京 大分トリニータ
44' 石川 直宏
得点者 28' 前田 俊介
83' エジミウソン
45' 茂庭 照幸 → 藤山 竜仁
53' 石川 直宏 → エメルソン
63' 平山 相太 → カボレ
選手交代 63' 前田 俊介 → 高松 大樹
79' ウェズレイ → 小林 亮
86' 金崎 夢生 → 高橋 大輔
11 シュート 7
5 CK 3
23 FK 21
69' カボレ
89' 藤山 竜仁
警告 44' ホベルト
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 33 椋原 健太
DF 2 茂庭 照幸
DF 29 吉本 一謙
DF 25 徳永 悠平
MF 10 梶山 陽平
MF 7 浅利 悟
MF 18 石川 直宏
MF 27 栗澤 僚一
FW 13 平山 相太
FW 24 赤嶺 真吾
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 8 藤山 竜仁
MF 17 金沢 浄
MF 15 エメルソン
MF 22 羽生 直剛
FW 20 川口 信男
FW 9 カボレ
大分トリニータ先発
GK 1 西川 周作
DF 4 深谷 友基
DF 6 森重 真人
DF 22 上本 大海
MF 3 ホベルト
MF 5 エジミウソン
MF 8 金崎 夢生
MF 11 鈴木 慎吾
MF 33 藤田 義明
FW 10 ウェズレイ
FW 19 前田 俊介
大分トリニータ控え
GK 16 下川 誠吾
DF 25 小林 宏之
MF 7 西山 哲平
MF 2 小林 亮
MF 20 高橋 大輔
FW 13 高松 大樹
FW 21 松橋 優

【選手・監督コメント】

ナビスコ準々決勝、総合力を発揮して優位に立ちたい第1戦


 ナビスコ準々決勝第1戦が開催、ホームで大分トリニータを迎え撃つ。準決勝進出のためには、第1・2戦合計の勝利数、次に得失点差によるため、今節はただ勝利をめざすだけでなく、得失点差も広げておきたいところ。ただし得失点差も同じ場合は、アウェイゴール数も関係するため、「2ー1より、1ー0のほうがよい条件」と城福監督。そのため、今日はまず「失点をしないこと」が第一のテーマになる試合だ。

 しかしリーグ前節千葉戦の退場で、今野が出場停止に。また連戦も考慮し、今節はフレッシュなメンバーで臨むこととなった。DFラインは、サイドバックの左に徳永を配し、右に椋原。センターバックは、3月30日京都戦以来に茂庭と吉本が組む。ボランチは浅利と梶山。石川と栗澤がサイドを務め、FWは、今季初となる平山と赤嶺の2トップに。城福監督は「大分に勝つためのメンバーを選んだ」と話し、万全の準備を整えて臨む。

 対する大分は、リーグ第11節を変則的に6月25日に戦い、今節が連戦の3戦目となる。それでもリーグ戦の総失点は12と最少。前節神戸戦でも、セットプレーから挙げた1点を守りきって勝利している。そしてチーム初となるナビスコ決勝トーナメントへの進出で、強い意気込みをもって臨んでくるだろう。特に、リーグ前半戦での対戦では不在であったFWウェズレイが好調を維持。前線でしっかりとボールを収め、トップ下のMF金崎や、サイドのMF鈴木らが果敢に前に出てくる。特長のある攻撃陣が揃うだけに、中盤からの飛び出しにも警戒が必要だ。同時に大分の堅守を崩すために、いかにスペースを突いていけるかがカギとなる。

 晴れわたり、さわやかな風も吹く味スタ。準決勝進出に向けて負けられない一戦は、19時ちょうどに大分のキックオフでスタートした。

先制を許すが、前半終了間際に石川の今季初ゴールで同点に!


 開始1分、左サイドで赤嶺が起点となり、中央の平山にパス。平山はコースが空いていると見るやゴールを狙うが、大分GKの正面を突く。立ち上がりに積極的にシュートを放ったが、その後は互いに慎重に、一進一退の展開となった。5分には椋原が攻め上がり、石川とワンツーをかわして抜け出し、クロスを上げるが、DFにカットされてスローインに。10分は、右サイドに上がった梶山がエリア内にパス。走り込んだ栗澤がマイナスのパスを送り、中央に上がった椋原がゴールを狙うが、DFに寄せられてボールはこぼれる。東京はラインを揃えて守りつつ、奪えば石川や椋原の右サイドを起点にチャンスを作ろうとしたが、攻め切ることができなかった。

 20分には、大分・左サイドに流れたMF金崎がエリア内にスルーパス。それに合わせて、左MF鈴木に走りこまれるが、茂庭が一歩先にスライディングでカットする。しかし迎えた28分、大分はFWウェズレイから、右サイドを上がったDF深谷がゴール前にグラウンダーのパスを送る。これを茂庭がカットするが、ボールは頭上に浮く。さらにヘディングで処理しようとしたが、こぼれを大分FW前田にさらわれ、体勢を崩しながらも素早くシュートを打たれる。ボールはゴール左上に吸い込まれ、隙を突かれる形でどうしても与えたくなかった先制点を許してしまった…。

 しかし、それでも落ち着いて反撃に臨み、39分には椋原のアーリークロスから、ファーの平山が打点の高いヘッドを放つが、角度がなく相手GKがキャッチ。40分過ぎには立て続けにセットプレーから大分ゴールに迫ったが、梶山、平山が直接狙ったシュートは、守り切られる。しかし前半のロスタイムのこと。栗澤のキープから、浅利が中央の梶山に縦パスを送ると、ワントラップした梶山→左寄りの平山がダイレクトで前線にスルーパスを送る。ここにジャストのタイミングで抜け出した石川がきっちり決めてゴール! 石川の今季初ゴールで、前半終了間際に同点に追いついた。

リズムを掴みきれず、2点目を失い、厳しい敗戦…


 勝ち越しを狙った後半には茂庭に代えて藤山を投入。開始早々には椋原が高い位置まで上がり、相手DFを引き付けてエリア手前からクロス。中央の平山にどんぴしゃのボールが送られるが、振り抜いたヘッドはGKの正面に。46分は、藤山の攻め上がりから、平山がシュート。47分には、中央を平山が上がり、左エリアでフリーの赤嶺にパス。相手DFの股間を抜くパスに、2列目から飛び出した栗澤が詰め、巧みな連係でネットを揺らしたが、これは惜しくもオフサイドに…。ビッグチャンスをつくるが、決めることはできなかった。

 53分には石川に代えてエメルソンを投入。58分、栗澤が中央から左にいくと見せかけ、左エリアにスルーパス。赤嶺が巧みなコントロールで相手DFをかわし、ゴールライン際から中央にボールを送るが、GKにキャッチされる。スピーディなパスワークからチャンスをつくろうとしたが、この時間帯に押し込まれた大分も、身体を張った守備から東京DFの裏を突く攻撃で反撃を試みる。63分に大分はFW前田に代えて高松を投入。直後に東京は平山に代わりカボレがイン。果敢に2点目を狙ったが、ここでリズムに乗り切ることはできなかった。

 67分には中央の梶山が、左エリア内に長いスルーパス。飛び出したエメルソンが猛然と追いつき、相手DFを見事に切り返したが、ラストパスはDFにカットされる。69分は、左からドリブルで上がったエメルソンがエリア内にスルーパスを送り、右からカボレが走り込むが、ボールは長過ぎ。パスをつなごうとする途中で大分に奪われ、ロングボールに苦しめられる場面も。70分過ぎには、大分・右からのパスにFWウェズレイが走り込み、東京のゴール寸前でルーズにこぼれるが、塩田が奪い切る。71分には、徳永の左クロスのクリアから大分のカウンターをくらう。左から上がったFWウェズレイに吉本がかわされ、エリアからシュートを打たれるが、塩田がセーブ。CKに逃れる。

 直後には攻めている途中で奪われ、大分MFエジミウソンの右クロスから、ゴール前のFW高松がシュート。決定的であったがバーの上に外れる。立て続けにピンチを迎えてバタバタした展開となる。そして迎えた83分、中盤のルーズボールをエメルソンが拾おうとするが、大分DFが奪い、ロングフィード。一度は藤山がクリアするが、再び大分MFエジミウソンにわたり、MF鈴木が縦パス。右サイドのMF金崎が中にドリブルし、インターセプトに飛び出した藤山の裏にパスを出される。左から攻め上がったMFエジミウソンには、徳永も、カバーに回った栗澤も追いつけず、2点目を失った。

 それでもあきらめず、終盤にはクロスを放り込んだが、大分の固い守備に跳ね返され、タイムアップ。つかみかけたリズムに乗り切れず、準々決勝第1戦は痛い敗戦となった。

 【選手コメント】《石川》「リズムをつかみづらかった。全体的にボワーとした雰囲気があり、そこを修正できなかった。その間に点を取られたので、個人的にもチームとしても課題が残る試合で残念。自分の持ち味や特長を出しつつ、チームのコンセプトを大事に、試合の組み立てにも加わろうとしたが、そのバランスが難しかった。気持ちは十分入っていたが、大分のやり方に対して、練習で取り組んでいたことができなかったと思う。もっとボールを動かすことが必要だった。(ケガの状態は)右のふくらはぎと腿を打撲した。詳細は分からないが少し痛みはある。ただ、自分たちのやるべきことがブレてはいけない。原点に立ち返って一からやる。リーグ戦もすぐ始まるし、小平での競争も続く。少ないチャンスをモノにできるようにしていきたい」《吉本》「ホームだったので、失点しないで勝ちたかったが、こういう結果になってすごく悔しい。結果にこだわって試合に臨んだのだが、監督の期待に応えられなかった。前半は相手の2トップに対して強くいけず、そこで起点を作られていた。後半は2トップに対して強くいった。あとは自分の課題である繋ぐところがまだまだ。最近練習や練習試合でできていたのだが、公式戦でできなかったら意味がないし、それが実力だと思う。公式戦で結果を出せるようにしたい」

 【城福監督の会見要旨】「平日にも関わらず多くのファンの方が来てくださった。勝って第2戦に臨みたかったが、それができず非常に残念。前半は新しいメンバーの意気込みが少し空回りして、ボールが足に付かないこともあった。守備も寄せが甘くて失点したが、途中から持ち直した。前半の終了間際で同点にできたことはよかったし、後半の入りも悪くなかったと思う。自分たちの時間を長くやれたし、もちろんミスもあったが、ある程度自分たちのめざすサッカーをやろうとしていた。選手のコンディションや、中2日でJリーグもあるので、そのあたりを踏まえ、今日のメンバーには起爆剤という意味でチャレンジさせた。だが途中からの選手がうまく機能しなかった。調子を取り戻してほしかったが、うまく波に乗れなかったのは、そういう起用をした自分にも責任がある。2点目を失う直前の5分間ほどは、ポジションを取り直して前線に顔を出す選手が少なくなった。パスの出し手も含めてイージーなミスがあった。そういうことが続くと、自分たちがやろうとしているサッカーが、むしろリスクになるということの典型。あそこで直接シュートを打たれた時に、前に入られた反省もあるが、そこに至るまでの5分間くらいでイージーなミスがいくつかあったというのは、それぞれ反省しなければならない。精度を高めないとリスクになる。イージーなミスが自分たちの首を絞めるということを思い知らされた場面だった」

 【大分・シャムスカ監督の会見要旨】「今日の試合は間違いなく五分五分で、苦しい戦いが続いた。内容としては、我々の仕事ぶりが結果に表れた。常に我々が主導権を握るよう心掛けたことが、こういう結果になったのではないかと思う。前半はあまりスペースがなかったが、後半に入ってから我々がゲームの主導権を握ることができ、ゲームの展開に対してもうまくスペースを使うことができた。内容が互角だった理由として、たとえば後半に我々がダイナミックに動いてチャンスを作り、それを効果として表すことができた。逆に東京は、前半に素晴らしい動きをしてダイナミックさを見せていた。前半は東京が上で、後半は我々が上だった。結果的に前半後半を合わせて、互角の戦いをし続けたゲームだったと思う。後半、主導権を握れたのは2つ理由がある。一つは、東京が我々の攻撃を後ろで引いて守り、ビルドアップの時もあまりプレスを掛けてこなかった。その点で我々が前に行きやすくなった。そしてもう1つは、このスタジアムに乗り込んできたとき、何としても結果を出さなければという意気込みがあったこと。ナビスコカップで上を目指そうという気持ちが、今日の勝利につながったと思う」