GAME RESULT試合結果

第16節 2008/7/13(日)
観衆 16,561人 
天候 霧、無 気温 23.3度 湿度 81% 
主審:西村 雄一 副審:相樂 亨/村上 孝治 四審:牧野 明久

J1 第16節

カシマ

HOME

鹿島アントラーズ

4-1

試合終了

前半0-0

後半4-1

AWAY

FC東京

鹿島アントラーズ FC東京
62' マルキーニョス
77' 本山 雅志
86' 興梠 慎三
89' ダニーロ
得点者 58' カボレ
61' 野沢 拓也 → ダニーロ
61' 田代 有三 → 興梠 慎三
78' 本山 雅志 → 中田 浩二
選手交代 45' 椋原 健太 → 長友 佑都
74' 羽生 直剛 → 大竹 洋平
78' 平山 相太 → 赤嶺 真吾
26 シュート 17
6 CK 4
18 FK 13
警告 44' 佐原 秀樹
50' エメルソン
退場
鹿島アントラーズ先発
GK 21 曽ヶ端 準
DF 2 内田 篤人
DF 3 岩政 大樹
DF 4 大岩 剛
DF 7 新井場 徹
MF 15 青木 剛
MF 40 小笠原 満男
MF 10 本山 雅志
MF 8 野沢 拓也
FW 18 マルキーニョス
FW 9 田代 有三
鹿島アントラーズ控え
GK 1 小澤 英明
DF 6 中田 浩二
MF 11 ダニーロ
MF 14 増田 誓志
MF 16 中後 雅喜
FW 13 興梠 慎三
FW 17 佐々木 竜太
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 33 椋原 健太
DF 3 佐原 秀樹
DF 8 藤山 竜仁
DF 25 徳永 悠平
MF 10 梶山 陽平
MF 6 今野 泰幸
MF 22 羽生 直剛
MF 15 エメルソン
FW 13 平山 相太
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 5 長友 佑都
DF 29 吉本 一謙
MF 7 浅利 悟
MF 18 石川 直宏
MF 30 大竹 洋平
FW 24 赤嶺 真吾

【選手・監督コメント】

チャンスを確実に決めてアウェイで勝ち点をもぎとる!


 リーグ第16節は、アウェイで鹿島アントラーズと対戦。前節浦和に敗れ、リーグ再開後の3試合ではまだ白星がない。結果につなげられず、苦しい状況となっているが、続くG大阪戦、京都戦と今後も連戦が続くだけに、今節は悪い流れを断ち切りたいためにも重要な一戦といえる。選手たちも「引きずらないことが大事」と気持ちを切り替えて試合に臨む。

 対する鹿島は、浦和に勝ち点差1で首位を譲るものの、ここまでの総得点は27・総失点13と、いずれもトップの数字を残している。また昨季6/30対東京戦で敗れた以降、ホームでは約1年間にわたって23戦(リーグ・ナビスコ・天皇杯・ACL含む)負けなしと絶大な強さを誇る。特に攻撃では、FWマルキーニョスと田代の2トップ、それぞれにシュート力と高さがあり、決定力も高い。また中盤のMF小笠原、野沢、本山らは高いキープ力からスペースを突く飛び出し、決定機を演出するなど、どこからでも点が取れる。

 東京は、梶山が五輪代表のため一時チームを離れていたものの、元気に合流。先発メンバーは、前節からDFラインを変更。右SBに椋原、左SBには徳永を起用。城福監督は「いま求められるものは内容よりも結果。そのためには、技術、戦術の部分と、ある種の泥臭さや厳しさ=ピッチに立つ中での強い心持ちの両方が必要」と話す。また長友がケガから復帰。自身も「これまでチームに貢献できなかった分、鹿島戦に出場することができれば、勝利につながる活躍をしたい」と誓う。

 徳永も「浦和戦では、攻撃にもうひと工夫が必要だった。シュート数も少なかったので、そのあたりは練習でも意識して修正したところ。攻守に迫力のあるプレーで積極的にチャレンジしていきたい」と意欲的だ。粘り強い守備から支配率を高め、サイドのスペースを使って揺さぶり、鹿島の中央のDFをつり出すことができれば、決定的な場面もつくれるはず。そして試合巧者の鹿島に対して臆せず戦い、チャンスを確実に決めて勝利を掴みたいところ。試合は霧のかかった県立カシマサッカースタジアムにて、19時4分に東京のキックオフで開始された。

互角の戦いで前半はスコアレスドロー


 前半開始から鹿島にボールを支配される。6分にはFWマルキーニョス、8分にはMF小笠原がそれぞれシュートを放つも、枠の外に。東京も徐々に試合展開に慣れ、セカンドボールを拾いチャンスを作り始める。14分、中央の梶山→エメルソンが前線に浮き球のパス。ゴール前の平山がトラップして反転し、シュートするが、相手GKのセーブで得点ならず。19分には、左の徳永→梶山→エメルソンでサイドチェンジ。右サイドの椋原に渡りクロス。平山が競ったこぼれを徳永が奪ってシュートするもDFにカットされ、こぼれたところを、今度は梶山がミドル。よく抑えて枠を狙ったが、バーの上に。

 鹿島もMF小笠原が起点となり攻撃を組み立ててくる。23分、MF小笠原→MF本山が中央でDFを引きつけて、左エリア内のFWマルキーニョスにパスを出されるも、椋原が身体を張ってブロックして難を逃れる。26分には、エメルソンが右サイドを駆け上がり、ゴール前にクロス。梶山も詰めていたが、鹿島DFのこぼれからカボレがシュート体勢に。しかし素早く寄せた鹿島DFカットされ、逆襲をくらう。カウンターからDF内田に右クロスを上げられるが、塩田がキャッチ。

 30分を過ぎるとさらに一進一退の攻防が続く。34分、東京はカウンターから、DFの裏に抜け出したカボレが、左エリア角から中に向き直り、ミドルを放つ。枠に飛んだが、相手GKキャッチ。36分には、鹿島・DF岩政が左前線へ大きくフィードから、右エリアへとサイドを変えられ、FWマルキーニョスがオーバーヘッドを打とうとしたがファールに。39分は、徳永が左サイドを突進し、エリア内まで持ち込み、浮き球のクロス。これを羽生が胸で落とし、振り向きざまボレーを放ったが、上に外れた。

 その後も東京は椋原、徳永の両サイドで起点に、また鹿島はFWマルキーニョスが起点となり、互いにチャンスを作るも決めることができず。スコアレスドローで後半へと折り返した。

カボレのゴールで先制するも、4失点で逆転負け


 東京は後半から長友を左SBに投入し、右には徳永を。序盤は鹿島の素早いスタートやカウンターに苦しめられる場面もあったが、塩田の好セーブもあり、集中して守り切る。迎えた58分、徳永のスローインを羽生が戻し、徳永がクロス。カボレのヘディングは、右エリアの平山の前にこぼれ、平山が至近距離からシュート。一度はGKにセーブされるも、再びパスをつなぎ、カボレが蹴り込んで先制する。

 しかし直後の61分、鹿島はFW興梠、MFダニーロを投入。フレッシュな彼らの動きを東京はつかまえることができず、徐々に押し込まれる展開に。すると62分、MFダニーロのパスを起点に、FW興梠→FWマルキーニョスに決められ、追いつかれてしまう。同点を機に勢いに乗る鹿島。東京も2点目を取りに、DF長友のサイドアタックからチャンスを掴むも、シュートまで持ち込めず。互いにカウンターの応酬が続く中で、東京はボールを失うことが多く、ラインも間延びし始める。

 74分に羽生に代えて大竹を投入。流れを東京に引き戻そうとするも、鹿島のリズムを食い止めることができず。77分、カウンターから、FWマルキーニョスに左サイドを崩され、グラウンダーのクロスをMF本山に合され逆転を許す。直後の78分に平山に代えて赤嶺を投入し、反撃に出たい東京であったが、鹿島はしっかりとMFとDFでブロックを作って守り、カウンター狙いとなる。すると86分にはFW興梠に、そして89分にはセットプレーからMFダニーロに決められ4失点。東京は最後まで攻めの姿勢を見せ、攻撃を仕掛けるも、このままタイムアップ。前節浦和戦に続き、リーグ戦連敗となった。

 【選手コメント】《長友》「点を取りにいこうという気持ちがあったが、前掛かりになりすぎてカウンターをくらった。途中出場で流れを変えたかったが、その役割ができず、悔しい。出場に際してはしっかり守備をして、攻撃ではどんどん前に出て行こうとしたが…。足に違和感はなかった。今日もたくさんのサポーターが来てくれたが、次はホームなので必ず勝ちたい。そのためには守備の修正がまず必要。目の前の1対1の勝負に負けていては、チームとしても勝てない。反省する」《椋原》「前半は自分たちのサッカーができていたと思うが…。先制したあとに僕たちが勢いに乗りたかったが。そこで攻めに出て、中盤が開いて、鹿島FWマルキーニョスを中心に前を向かれてしまったと思う。4失点して連敗してしまったが、ここで落ち込むわけにはいかない。自分が出場する、しないに関わらず、練習から盛り上げていきたい」

 【城福監督の会見要旨】「チームの勝ち星が取れていない状況で、しかもアウェイにもかかわらずこんなに多くのファンが来てくれているのに、いい思いをさせてあげられずに、本当に申し訳ない気持ちです。試合の方は、前半はなんとか相手の良さを消して、後半勝負に挑むという意味では、もともと描いているものから遠くはなかったと思います。1点を取るまでは、それほど悪いものではなかったと認識していますが、そこから4失点したというのが、うちと鹿島との差であり、それをしっかり受け止めなくてはいけません。これから自分たちの評価というものをしっかりして、次につなげていかなければいけないと思います。(上位チームに対して2連敗だが、力の差は何か?)今日の試合に関しては、前線で起点となるところが、鹿島の方が前であったということ、そのことに差を感じています。具体的には、相手は2トップの選手が引いてきたところのゾーンで前を向き、そこからスピードアップします。それに対してうちは、前を向くのがもうひとつ後ろのゾーンでしたので、相手のブロックを崩して走り抜けていくことが、なかなかできませんでした。自分たちが前を向けているのはボランチのゾーンであって、トップが引いてきたゾーンではありません。もちろん、点を取りにいく過程で多少陣形は変わりますが、あそこでボールを引き出す質の高さと前を向く技術の高さ、その精度は、今日の鹿島ように、2列目が信じて走り出すという現象を生んでいると思います。迫力の差というのは、そこのボールの収まり所の差と認識しています。

 【鹿島・オズワルド オリヴェイラ監督の会見要旨】「(選手のプレーの評価は?)非常にいいパフォーマンスだったと思います。確かに前半に得点できなかった部分は、みなさんの中でモヤモヤがあったかも知れません。しかし、僕自身は、選手たちが戦術的な役割、機能面でしっかりやってくれていたと思っています。もちろん相手の力や戦術は称えないといけませんし、われわれの長所を一生懸命消そうとしていたことは感じていました。ハーフタイムに選手たちには、慌てないで狙いをしっかりと徹底してやっていく、そうすれば自ずと得点が生まれると言うことを伝えて送り出しました。それが実際にピッチで起きたと思います。(61分に2人を同時に交代させた時の指示は?)失点直後でしたし、相手は守備的な戦術をとっていましたので、おそらく崩すのは難しくなるだろうと思っていました。また、あの時までピッチにいた選手たちは、アイデアの部分や運動量でもギリギリのところまで頑張ってくれていたので、今度は違う選手の特長でなんとか崩す方法を編み出していこうというのが、2人を送り出す決断をしたポイントです。それがうまく結果となってくれて良かったと思います。(首位になった感想は?)早く首位を取り返したい気持ちは強かったです。第5節まで1位だった訳ですが、日程面などで他チームと同じ条件であれば、ずっと首位だったことも考えられます。ちょうど中断があり、ケガ人の回復や選手自身のコンディションの回復もできました。すべて同じ条件でできれば、これだけ高いパフォーマンスを見せられると言うことを、ここ数試合を見てもらえれば証明できたと思います。しかし、ここからが一番難しいことです。首位に立つだけならどこでもできることだと思います。それをキープすることが難しいことですが、それをやっていきたいと思っています。1位になれる力をもっているチームは多くありますので、それらに打ち勝っていかなくてはいけません。みんなでチームスピリットを大事にし、全員で攻撃し、全員で守り、全員で勝ち点をとっていく作業をやっていきたいし、選手たちもそういう意識でがんばってくれると思います」