GAME RESULT試合結果

第20節 2008/8/09(土)
観衆 12,269人 
天候 晴、中 気温 29.3度 湿度 62% 
主審:岡田 正義 副審:村上 孝治/岡野 尚士 四審:数原 武志

J1 第20節

瑞穂陸

HOME

名古屋グランパス

0-1

試合終了

前半0-1

後半0-0

AWAY

FC東京

名古屋グランパス FC東京
得点者 35' 平山 相太
56' 山口 慶 → 杉本 恵太
73' 玉田 圭司 → 巻 佑樹
77' マギヌン → 津田 知宏
選手交代 45' 茂庭 照幸 → 椋原 健太
73' カボレ → 赤嶺 真吾
79' エメルソン → 金沢 浄
11 シュート 14
8 CK 9
11 FK 14
06' 中村 直志
30' マギヌン
43' 増川 隆洋
89' 津田 知宏
警告 05' 佐原 秀樹
71' 塩田 仁史
退場
名古屋グランパス先発
GK 1 楢﨑 正剛
DF 30 竹内 彬
DF 3 バヤリッツァ
DF 16 増川 隆洋
DF 6 阿部 翔平
MF 7 中村 直志
MF 13 山口 慶
MF 5 米山 篤志
MF 8 マギヌン
FW 11 玉田 圭司
FW 9 ヨンセン
名古屋グランパス控え
GK 21 西村 弘司
DF 2 三木 隆司
MF 10 藤田 俊哉
MF 39 福島 新太
FW 17 巻 佑樹
FW 19 杉本 恵太
FW 26 津田 知宏
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 2 茂庭 照幸
DF 6 今野 泰幸
DF 3 佐原 秀樹
DF 25 徳永 悠平
MF 7 浅利 悟
MF 22 羽生 直剛
MF 15 エメルソン
MF 18 石川 直宏
FW 13 平山 相太
FW 9 カボレ
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 8 藤山 竜仁
DF 33 椋原 健太
MF 17 金沢 浄
MF 27 栗澤 僚一
FW 20 川口 信男
FW 24 赤嶺 真吾

【選手・監督コメント】

チャレンジャーとして挑み、勝ち点3をもぎとる!


 リーグ第20節は、アウェイで名古屋グランパスと対戦。ナビスコ大分戦では2点目が取れず、準決勝進出を逃してしまった。公式戦4試合連続で1対1の引き分けに終わったが、守備では手応えを感じつつあるだけに、今節はゴールを白星につなげることでチームの勢いを出したい一戦でもある。アウェイの連戦となるが、このリーグ再開初戦で何とか勝ち点3をもぎとり、チームに再び勢いをつけたいところだ。

 対する名古屋は、現在勝ち点33で3位。6日(水)に行われたナビスコカップでも手堅く勝利を収め、準決勝進出を決めている。城福監督も「3位という順位はフロックではない。攻守に甘さがなく、ここを抑えれば…というところが見当たらない」と話す。今節ははMF小川が出場停止となるが、FWヨンセンを軸にFW玉田、MFマギヌンと決定力のある選手が揃い、ボランチのMF中村は運動量も多く、攻守に機能している。またDF竹内と阿部はサイド攻撃の起点にもなれる選手で、まさに《穴》はない。

 東京は、大分戦から大幅に先発メンバーを変更。センターバックには茂庭と佐原、右サイドバックには今野が入り、中盤に石川を起用し、FWも赤嶺の代わりに平山という布陣。特に攻撃では2点目を取れるかどうかがポイント。パスをつなぎながら、いかにスピードアップし、スイッチを入れていけるかどうか。また名古屋もサイドアタックを得意としているだけに、サイドの攻防はみどころの一つ。石川を活かして縦への突破を仕掛けることも選択肢の一つになるはずだ。果敢に攻める姿勢を前面に出して名古屋ゴールを脅かしたい。

 羽生は「上位との対戦に、僕たちはチャレンジャーとして臨む。強い気持ちで、名古屋の固い守備をこじ開けたい」と意気込みを話せば、城福監督も「大分戦は勝たなくてはいけない内容だった。その悔しさをリーグにぶつける。気持ちは切り替わっている」ときっぱり。苦境を乗り越えるためにも、いい守備からいい攻撃につなげてゴールをもぎとり、勝利を! 試合は瑞穂陸上競技場にて、19時3分に東京のキックオフで開始された。

平山の今季リーグ戦初ゴールで先制、リードして前半を折り返す


 サイドから仕掛けようとする名古屋に対して、セカンドボールをよく拾い、連動した動きで攻めに出た。9分、相手陣内でのミスパスを奪い、カボレ→平山がドリブルで前進。エリア手前から思い切ってゴールを狙ったが、DFにブロックされる。17分には、石川が後方からのロングボールを競り合い、右CKを奪い、石川のキックのこぼれをエメルソンがミドルシュート。相手GKの好セーブで再びCKに。このCKには今野がヘディングで合わせるも、ボールは枠の外に。

 その後も石川や、今節ボランチで起用された羽生を起点にアグレッシブに仕掛け、19分にはエメルソンのスルーパスをゴール前で受けた石川が、ワンタッチで反転して左足シュート。24分には羽生が中央突破を仕掛けてDFを引き付け、裏に抜け出したカボレにラストパスを送る。いずれも決定的なチャンスを作ったが、シュートは名古屋GK楢崎の好セーブに阻まれる。逆に28分、クリアミスをFW玉田に拾われて、ゴールに向かって突進され、佐原が必死に追いかけるも、シュートまで持ち込まれる。決定的な場面であったが、バーの上に外れてピンチを免れた。

 一進一退の攻防が続く中、迎えた35分。左サイドの徳永がゴール前にスルスルと上がった羽生へクロスを送る。これを胸で落とし、左エリア角付近で待ち構える平山のもとに。平山はワントラップして思いっきりよく右足を振りぬき、低い弾道がニアに見事に決まり、ゴール! 平山の今季リーグ戦初ゴールでリードを奪った。

 東京は追加点を目指し、攻撃の手を緩めない。38分には、石川の右CKに、カボレがドンピシャのヘディングシュートを放つが、相手GKの身体を張ったセーブに阻まれる。42分は、塩田のキックがDFの裏に抜け、平山が抜け出しシュートを放つも、枠外に。守備では、中盤で相手を自由にさせず、最終ラインでは茂庭、佐原らを中心に名古屋の攻撃をよく抑え、リードして前半を終了した。

名古屋のパワープレーにも落ち着いて対応し、無失点勝利


 前半途中に茂庭が肩を痛めるアクシデントがあり、大事を取って後半は椋原に交代。今野がセンターバックに回る布陣で臨んだ。だが徐々に名古屋にリズムを掴まれ、押し込まれることに。それでも集中した守備でボールを奪い、カウンターから追加点を狙った。52分には、相手FKのクリアからカウンターを仕掛け、名古屋陣内左サイドをカボレが疾走。エリア内まで持ち込み、DFをかわしてシュートを放つが、飛び出したGKに阻まれる。

 名古屋も徐々にサイドを起点に攻撃を仕掛けてくる。61分は、名古屋・左SB阿部がゴール前に送ったクロスに、FW玉田が飛び込み、続いてフォローに上がったMF米山にチャンスを作られるが、必死のクリア。69分には、左クロスを途中出場のFW杉本がドンピシャのヘディングシュート。決定的であったがボールは塩田の正面。その後、名古屋はFW巻、FW津田と次々と攻撃陣を投入するも、東京の守備陣も粘り強く守り、一進一退の展開に。

 東京も疲れの見えたカボレ、エメルソンに代えて赤嶺、金沢を投入。守備でのバランスを崩さず、相手の反撃に対して落ち着いて対応。互いにカウンターからチャンスがある中で、89分には逆襲を仕掛け、今野がドリブルでゴール前に突進し、GKと1対1に。最後は並走する赤嶺にパスを出したが…うまく届かず…。2点目こそ奪えなかったが、守備では身体を張って名古屋の猛攻を無失点に抑え、リーグ戦では5月17日磐田戦以来の勝利を挙げる!

 【選手コメント】《平山》「(出場にあたって)チャンスメイクも、自分でゴールを取ることも両方意識した。序盤はくさびをうまく受けられず、リズムを作れなかったことが反省点。立ち上がりからフル稼働できるようにしなければ…と反省している。ゴールは狙いどおり。ニアを狙った。自分でも2点目を取れるチャンスがあったので、そこで決めていれば、もっとチームをラクにできたと思う。またカボレに対しても、もう少し裏へいいボールを出せれば、チャンスになった場面もあった。ただ、今日は自分のゴールよりも、苦しい中で守備の選手が頑張って失点をゼロに抑えてくれたことが、うれしかったし、チームの収穫だと思う。2点以上を取ることを課題にして、みんなでがんばっていきたい」《石川》「大分戦も内容は悪くはなかったと思うが、そこから今日の勝利につなげられてよかった。名古屋はサイドバックが長い距離を走って上がってくる。その前にMFマギヌンもいて、自分としてはポジション取りに気をつけた。いいポジションから、奪った時に前に出ていこうとした。取ったら出て行けるスペースはあった。そこで2点目を取りたかったが…。後半はチャンスの数は少なかったかもしれないが、シンゴからきたクロスなど、ああいうところで決めきることが大事。あれは、いつもならシンゴが詰めるパターンだが、サイドに流れてくれたので、(詰めるのは)僕しかいない!と思って全力で走っていった。でもちょっと間に合わなかった。また後半は、相手が蹴ってきて、こっちも中盤があいてしまって押し込まれた。もう少し中盤で早めにプレッシャーをかけなければいけなかった。チームとしても、一つやろうとすると、最初にやれていたことができなくなる。それは繰り返しの中で修正していくしかない。ただ、今日勝つことができて、いい形で次の浦和戦に臨むことができる。個人的には、つなぎながら飛び出していく形を課題として取り組んでいきたい」

 【城福監督の会見要旨】「中断以降、我々は引き分けはありますが勝てていなくて、非常にフラストレーションが溜まる状態ということで、ファンの方には申し訳ないと思っていました。自分たちのサッカーとして、志向するものはブレることはありませんが、勝ち星がないということで、ストレスがあり、早く確信に近いものを持ちたいと思っていました。いつもそうですが、今日も勝ち点3にこだわっていました。ゲームの中では、FW玉田、ヨンセンのところで、時間をつくられることを極力させない守備を、チーム全体として心がけましたが、ある程度できたと思います。今日の試合だけではなく、ここ数試合、守備に関してはチームとしてそういうものがコンパクトにできていたと思いますし、今日はそれで相手をゼロに抑えられたことはよかったと思います。攻撃については、いま勝利に対する飢餓感がチームとしてありますので、ゴールに向かう姿勢というのは出てきたと思います。後半に、中央でワンタッチでつなぎ、最後は石川がパスを出してカットされた場面がありましたが、ああいった展開、パスワークで崩していくというのをもっと出さなければいけません。それに、相手が攻めにかかったときに、自分たちでボールを保持して、時間を費やしていくというようなことをもっともっとできないといけません。課題はあります。でもとにかく、前半の1点を守り切れたことは良かったです。あいかわらず2点目を取れないという課題はありますが、最後のシーン(今野が相手GKと1対1の場面で赤嶺にパスを出し、ミスで得点できなかった)も含めて、そこの課題の意識が強すぎて選手が緊張したのかなと思います。次はぜひ2点目が取れるように、チームとしても頑張っていきたいと思います」

 【名古屋・ストイコビッチ監督の会見要旨】「結果がでなかったことは、もちろんガッカリした部分はありますが、我々のスタイルはしっかり出せました。得点できるように選手たちは一生懸命頑張ってくれましたし、努力をしてくれました。得点ができなかったことでこういう結果となりましたが、こういうサッカーもあるのかなと思います。FC東京にはおめでとうと言いたいですし、我々の選手たちもすばらしい働きを見せてくれたことには、敬意を表したいと思います。(相手に攻められる回数が少ない割にはピンチが多かったが?)90分間我々がゲームを支配したとは思いますが、チャンスを活かすことができませんでした。決定力が足りなかったと思います。前半は十分な戦いができなかったと思いますし、特に東京のゴール前で、なかなかいいフィニッシュに持っていくことができませんでした。前半で言えば、ちょっとアグレッシブさが足りなかったと思います。MF小川、MF吉村が出場できないということで、スタメンがいつもどおりではなかったが、それは基本的には問題はありませんし、言い訳にはしたくありません。また、ナビスコのジェフ戦ではハードなゲームをこなしました。疲れた部分はあったかと思いますが、今日の試合でいえば疲れを見せることなく、ファイティングスピリッツを見せてくれました。走りましたし、得点したいという気持ちは伝わってきました。ただ、ピッチコンディションは悪かったかなと思います。なにか変えられるとすれば、ピッチコンディションを変えたいと思います。ただそれはできませんが(笑)」