GAME RESULT試合結果

第26節 2008/9/23(火)
観衆 23,036人 
天候 晴、無 気温 26.9度 湿度 55% 
主審:岡田 正義 副審:村上 孝治/岡野 尚士 四審:高山 啓義

J1 第26節

味スタ

HOME

FC東京

5-1

試合終了

前半2-1

後半3-0

AWAY

ジュビロ磐田

FC東京 ジュビロ磐田
14' カボレ
33' 佐原 秀樹
61' オウンゴール
69' 石川 直宏
80' 鈴木 達也
得点者 34' 前田 遼一
55' エメルソン → 大竹 洋平
70' 石川 直宏 → 鈴木 達也
72' カボレ → 金沢 浄
選手交代 64' カレン ロバート → 中山 雅史
74' 田中 誠 → 松浦 拓弥
10 シュート 8
4 CK 4
21 FK 16
26' 徳永 悠平
89' 平山 相太
警告 32' 茶野 隆行
54' 加賀 健一
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 5 長友 佑都
DF 3 佐原 秀樹
DF 2 茂庭 照幸
DF 25 徳永 悠平
MF 7 浅利 悟
MF 10 梶山 陽平
MF 15 エメルソン
MF 18 石川 直宏
FW 9 カボレ
FW 13 平山 相太
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 8 藤山 竜仁
DF 26 小山 泰志
MF 17 金沢 浄
MF 30 大竹 洋平
MF 40 鈴木 達也
FW 20 川口 信男
ジュビロ磐田先発
GK 1 川口 能活
DF 15 加賀 健一
DF 5 田中 誠
DF 3 茶野 隆行
MF 25 駒野 友一
MF 38 ロドリゴ
MF 17 犬塚 友輔
MF 14 村井 慎二
FW 22 カレン ロバート
FW 18 前田 遼一
FW 8 ジウシーニョ
ジュビロ磐田控え
GK 21 松井 謙弥
MF 6 河村 崇大
MF 37 山本 脩斗
MF 23 山本 康裕
MF 24 松浦 拓弥
FW 32 萬代 宏樹
FW 9 中山 雅史

【選手・監督コメント】

焦らず、自分たちのサッカーを続けて4連勝を勝ち取る


 リーグ第26節はジュビロ磐田と対戦、ホームで迎え撃つ。前節川崎戦は、厳しくタフな試合を全員の粘りと奮闘でモノにした。今節は味スタでの連勝を果たし、今季初の4連勝をめざす一戦。さらなる上位への足がかりとする意味でも重要な試合となる。

 前節から中2日で迎えるため、体力の消耗が懸念されるが、城福監督は「前節10人であの時間を戦い、確かに疲労はある。しかし選手たちにはトップグループで戦うぞという意気込み、モチベーションの高さがあり、身体的な疲労をカバーできている」と話していた。ただし今節は今野が出場停止。また羽生、赤嶺も負傷のため欠場。そのため浅利と梶山をダブルボランチに、左サイドにエメルソン、右に石川、また平山も第21節浦和戦以来のスタメンに。カボレと2トップを組む布陣で臨むこととなった。

 対する磐田は現在、勝ち点26で16位。オフト新監督を迎えたものの、勝利は第17節7月17日を最後になく、苦しんでいるようだ。しかし、キープ力のあるFW前田やFWジウシーニョを起点にサイドに展開し、MF駒野、村井らが仕掛ける戦術は徹底されており、はまった時の怖さがある。城福監督は「いかに前線で起点をつくらせないようにするか、同時にサイドをどうケアしていくか」がポイントと狙いを話した。また、3戦連続ゴールを挙げ“ジュビロキラー”とも呼ばれる赤嶺が不在となるが、チームとしての狙いは変わらず、前線の素早い動き出しとパスワークからチャンスをつくりたい。たとえうまくいかない時間帯があったとしても、じれずにバランスを崩さないことが大事。磐田を上回る気迫をもって粘り強く戦い、勝利を!

 試合は秋晴れの味スタ、16時4分に東京のキックオフでスタートした。

カボレのゴールで先制! ミスから失点を喫するも…


 立ち上がりから攻守の入れ替わりの激しい展開が続いた。気迫にあふれたプレーでボールを奪い合う中、ともにチャンスの形はつくれなかったが、4分には磐田がリズムをつかもうと、MF犬塚が左サイドからミドルを放つ。12分は、東京が右サイドからのFKを得て、梶山がゴール前に送るが、相手GKが飛び出して直接キャッチ。続いて磐田が、右MF駒野のクロスから左CKを奪い、MF村井のキックにDF茶野が頭から飛び込んだが、バーの上に。

 14分には東京が素早い攻撃を仕掛け、自陣左サイドから茂庭→エメルソンが左前線のカボレにスルーパスを送ると、カボレはスピードに乗ってドリブル。相手DFと競り合いながらも左エリア内に入ったところで果敢にゴールを狙う。左足で放ったシュートは逆サイドのネットにイン! カボレのスピードを活かし、巧みなシュートで先制点を奪った!

 その後も互いに早い攻撃を仕掛け、カウンターの応酬という展開に。その中でも東京はカボレ、石川が両サイドを突いてチャンスをつくった。23分、石川→右を上がったエメルソンに展開。クロスは一度はブロックされたが、こぼれを拾ってキープし、再び速くて低い右クロス。ここに平山が頭から飛び込む。26分には、左スローインから平山と相手DFが左前線で競り合って中へ折り返し、相手DFの浮き球のこぼれにカボレがすぐさま反応。ボレーシュートを放つが、いずれも枠外に。29分は、磐田も早い攻撃を仕掛け、攻め上がった右MF駒野がクロスを上げるが、茂庭がクリア。直後には東京ゴール前に放り込まれ、混戦からのこぼれが、ゴール至近距離の磐田FW前田のもとに渡りそうになるが、東京DFがカバーし合って粘り強く守り切った。

 迎えた33分、中盤でFKを得て、その流れから梶山→浅利→梶山が右に展開。石川が右サイドに抜け出し、グラウンダーの速いクロスを送る。中央のカボレ、平山には合わなかったが、FKの場面で上がっていた佐原がファーに詰め、確実にゴールに流し込み2点目を奪った。しかし直後の34分には、石川のバックパスを磐田FWジウシーニョにエリア内で取られてしまう。塩田が飛び出し、長友も抑えにいったが、すぐさま後ろにつながれ、フォローに上がったFW前田に蹴り込まれて、失点…。ミスから1点を返され、2対1で後半へと折り返した。

サイドを突いてゴールラッシュ! 今季初の5得点で4連勝!


 後半の序盤は磐田にボールを支配され、押し込まれる時間が続いた。50分、磐田に大きな展開を仕掛けられ、最後はボランチのMF犬塚にシュートを打たれる。52分には、磐田・左MF村井の突破を長友がCKに逃れる。村井の左CKは塩田がパンチング。こぼれから再びMF犬塚がシュートを放つが、大きく枠外に。54分は、磐田の攻撃をクリアし切れず、東京陣内でつながれ、最後はMF駒野の右クロスからFWジウシーニョにヘディングを打たれるが、塩田が正面でキャッチ。焦らずに粘り強く守り切ると、55分にはエメルソンに代えて大竹を投入。リズムを掴み直し、前半と同様にサイドを起点にチャンスをつくった。

 59分、石川が猛然とサイドを駆け上がり、送ったクロスはカボレに渡る寸前にクリアされたが、61分には、途中出場の大竹の縦パスにカボレが飛び出しクロス。ボールは、中央に走り込んだ石川のヒールにあたって角度が変わり、磐田のオウンゴールを誘ってネットにイン。3点目を奪った。続く69分には、左サイドで平山→カボレがドリブルでエリアに進入。ゴールの至近距離まで進み、ファーから中央に詰めた石川にていねいなパス。今度は石川がきっちり蹴り込み、ゴール!スピーディな展開で、石川、カボレが磐田の両サイドを突いて得点機を演出。そして石川自身のリーグ戦初ゴールで、3点のリードを奪った。

 70分には石川に代えて鈴木達、続いて72分にはカボレに代えて金沢を投入。平山と鈴木の2トップ、左MFに金沢、右に大竹の布陣で磐田の反撃を抑えつつ、さらに攻めの姿勢を打ち出して戦った。そして80分には、浅利が自陣から前線へ長いフィードを送ると、相手DFが後ろに戻りながらクリア。磐田ゴールに向かって飛んだボールを、鈴木達が猛然とチェイシングし、飛び出したGKを振り切って右エリアで追いつく。そして、すぐさま戻った相手GKを落ち着いてフェイントで切り返し、シュートを突き刺す! 鈴木達の移籍後初ゴールでダメ押しの5点目をゲットした。

 それぞれが確実にチャンスを活かし、10本のシュートを放って5得点を挙げるとともに、磐田の反撃は抑えきってタイムアップ。ゴールラッシュで今季初の4連勝を果たした!

 【選手コメント】《鈴木達》「前節川崎戦で、ああいう苦しいゲームで勝ち点3を取ったのに、今日の試合を落としたら、それが意味のないものになる。だから今日の一戦は大事だという思いが強かった。みんながいい流れを作ってくれたので、あとはその流れに乗り、消極的にならないように、前に前にと勝負しようと心掛けてピッチに入った。途中交代で入る選手がプレーしやすい環境をピッチ内で作り上げてくれているので、みんなに感謝したい。(得点シーンは)今年、GKと1対1の場面が何回かあったが、慌てて外してしまっていたので、GKを外した瞬間に落ち着こうと思って切り返した。パスは考えていなかった。選手としてはスタメン出場は願いだが、今はチームの調子がいい。勝ち点3を取ることに貢献できるように、与えられた仕事を一生懸命やっていきたいと思う。東京のサポーターは熱く、こんなに多くの人にスタジアムに足を運んでもらえていることに率直に驚いている。移籍して間もないが、今日のゴールで東京の選手として受け入れてもらえたとしたらうれしい」《浅利》「前半は少しサイドを意識しすぎて、真ん中が薄くなったかもしれない。後半は多少修正して中央を固めるように意識した。後半立ち上がりに押し込まれた時間があったが、中盤とディフェンスの選手たちが声を掛け合って、スペースをうまく埋めようと話し合った。そして前の選手を戻すのか、後ろがラインを上げるのか、はっきりしたプレーをしようとした。そこで踏ん張れたことが大量点につながったと思う。上位をめざす以上、下位を争うチームには絶対に勝っていかなければいけない。札幌は今日も2得点して決して悪い状態だとは思えない。アウェイだが、それでもきっちりと勝ちたいと思う」

 【城福監督の会見要旨】「3日前に非常にハードなゲームをして勝ち点3を取り、上位グループに入る権利を得たような状況になった。今日はまず集中し、前節と同じようなテンションで入れるかどうかというのが一番のキーポイントだった。我々は川崎に勝つことを目的にしているわけではなく、上位グループを、あるいはトップをいつも意識しつづけながら、一年間トレーニングとゲームを続けていくことが目標。それをもう一度確認し、今日を新たなスタートとした。精神的にも肉体的にも難しいゲームだったが、選手は集中して戦ったと思う。特に前半の入りは、守備のバランスを崩さないことを意識した。我慢する時間帯や相手にポゼッション率を上回られたとしても、まずは守備を崩されないという意識で入れば、そのうち自分たちのリズムがつかめることを確認して臨んだ。ミスからの失点はあったが、今日はチャンスにしっかり点が入ったので、ラクな展開にはなった。ゴールに対しての意欲もスピード感もあったので、その点では選手が時間を追うごとに集中していったという印象」

 【磐田・ハンス オフト監督の会見要旨】「試合を見ないで、結果だけを見れば、5対1で東京の圧勝、磐田はノーチャンスだったと思われるかもしれない。でも、私は非常にポジティブにとらえている。3対1になるまでは追いつくチャンスがあった。だから60分間はチャンスがあった。ただ、3失点目の後、我々が引きすぎて相手にスペースを与え、フィジカルコンタクトをできないような状況になった。そのため相手は、その後も得点を決めることが出来た。そこが分かれ道だったと思う。60分まではしっかり寄せて、ボールに行くこともできて、相手にプレーさせないということが出来ていた。ただ、それを90分やらないといけない。そして私も状況を変えないといけないと考え、形を少し変えたが、フィールドサイズが大きくなってしまい、あまりコンパクトにできなかった。そのためスローダウンさせることが出来なかった。2つの異なる状況があったが、3対1になる直前までの状態は、私が今回磐田の監督に就任してから最もいいサッカーが見られたと思う。私にとっては、それが今後のスタートのポイント。これを続けないといけない」