GAME RESULT試合結果

第31節 2008/11/08(土)
観衆 13,515人 
天候 曇、弱 気温 14.1度 湿度 61% 
主審:吉田 寿光 副審:手塚 洋/犬飼 一郎 四審:早川 一行

J1 第31節

万博

HOME

ガンバ大阪

1-3

試合終了

前半0-1

後半1-2

AWAY

FC東京

ガンバ大阪 FC東京
66' ルーカス
得点者 20' カボレ
45' 石川 直宏
62' 平山 相太
45' 播戸 竜二 → 佐々木 勇人
60' ロニー → 倉田 秋
78' 二川 孝広 → 山崎 雅人
選手交代 52' 茂庭 照幸 → 浅利 悟
61' カボレ → 赤嶺 真吾
72' 羽生 直剛 → 鈴木 達也
15 シュート 7
11 CK 1
19 FK 9
警告 49' 塩田 仁史
退場
ガンバ大阪先発
GK 22 藤ヶ谷 陽介
DF 21 加地 亮
DF 5 山口 智
DF 13 安田 理大
MF 27 橋本 英郎
MF 17 明神 智和
MF 7 遠藤 保仁
MF 10 二川 孝広
FW 9 ルーカス
FW 18 ロニー
FW 11 播戸 竜二
ガンバ大阪控え
GK 1 松代 直樹
DF 3 ミネイロ
DF 6 福元 洋平
DF 19 下平 匠
MF 16 佐々木 勇人
MF 20 倉田 秋
FW 30 山崎 雅人
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 3 佐原 秀樹
DF 2 茂庭 照幸
DF 5 長友 佑都
MF 6 今野 泰幸
MF 10 梶山 陽平
MF 22 羽生 直剛
MF 18 石川 直宏
FW 9 カボレ
FW 13 平山 相太
FC東京控え
GK 31 荻 晃太
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 15 エメルソン
MF 40 鈴木 達也
MF 30 大竹 洋平
FW 24 赤嶺 真吾

【選手・監督コメント】

生き残りをかけた負けられない戦い!


 リーグ第31節は、アウェイでガンバ大阪と対戦。11/3天皇杯では、J2仙台の勢いに苦しみながらも5回戦に駒を進めた。リーグ前節鹿島戦での勝利で、何とか優勝戦線に踏みとどまったが、ラスト4試合すべて負けられない状況は変わらない。生き残りをかけた今節は、特に重要な一戦。アウェイゲームだが、なんとしてでも勝ち点をもぎとり、次につなげていきたいところだ。

 対するG大阪は、現在ACLの真っ最中でハードな連戦が続いているが、11/5(水)に行われた決勝第1戦では、G大阪らしいサッカーを見せつけて3対0で勝利。いま最も波に乗っているといえるだろう。リーグ戦では東京との勝ち点差は1で7位につけるが、当然上位浮上のため、勢いのあるサッカーを仕掛けてくるはずだ。ただメンバー、システムとも、ACL決勝戦から変更。FWロニー、播戸を2トップに置き、FWルーカスはトップ下に。DF中澤が怪我で欠場し、守備での不安はあるものの、攻撃的な布陣で臨んできたといえる。

 東京は、天皇杯仙台戦で欠場した茂庭が先発に復帰。7/16ホームでの試合の時と同様に、今節もサイドの攻防がポイントとなるだろう。石川は「相手とのかけひきは楽しみの一つ。ガンバのサイドが攻撃に出てくれば、スペースを突くことができる。ただし、単に裏への突破を狙うだけでなく、より早く数的優位をつくって、連動した動きでDFを崩していきたい。チーム全体で戦う意識は高い」と気合も十分。コンパクトな布陣で、相手の中盤をできるだけ自由にさせず、切り替えを早くして、サイドを起点にした東京のサッカーで対抗する。

 リーグ終盤を迎え、緊張感のある試合が続くが、佐原は「勝てば勝つほど、次の試合に重みが出てくる。こういう状況で戦えることを幸せだと感じるし、絶対に途切れさせてはいけない」と強い気持ちをもって戦う。アジアチャンピオンを狙うG大阪と互角以上の戦いをして、勝利を!試合は肌寒く、雨模様の万博記念競技場にて、14時1分にG大阪のキックオフで開始された。

カボレのゴールで先制!1点リードして後半へ


 試合開始からG大阪のボール支配を許し、リズムをつかまれる。FW播戸のDFの裏を狙う鋭い動きからチャンスを作られ、2分、8分に決定的なピンチを迎えるが、塩田の好セーブでピンチを逃れる。その後もG大阪の攻撃は続き、なんとか耐えながらも東京はカウンターから反撃を試みる。すると20分、左サイドでカボレがボールをキープ。後ろから駆け上がった長友が、ゴールライン際からクロスを上げる。一度は逆サイドに流れてしまったが、フォローした石川が相手DFをかわして右クロス。ここにカボレが頭から飛び込み、相手DFに競り勝って先制点を奪った。

 しかし、その後もG大阪ペースは変わらない。中盤が流動的に動き、ボールを奪うことができない。また奪っても、G大阪の素早いチェックに攻撃を仕掛けられず、逆に2次3次攻撃を受けることに。32分、G大阪DF加地が長友をかわして至近距離からシュート。34分には、FWルーカスのスルーパスにまたもやFW播戸がDFの裏に抜け出し決定機を作られたが、ここでも塩田が立ちはだかり、ピンチをしのぐ。

 前半終了間際には、東京もカボレを起点にカウンターからチャンスを作る。41分、左サイドのカボレが、右前線のスペースにグラウンダーの長いスルーパスを送る。ここに石川が相手DFに競り勝って走りこみ、決定的なチャンスを作るも、シュートは浮いてしまう。42分には、カボレのクロスから中央の石川が落として、これを平山がシュート。相手GKの正面に。結局前半は1点リードして終了。

石川、平山が追加点を奪い、アウェイで勝利!


 後半、立ち上がりからよく集中し、ゴールに向かう強い気持ちで追加点を生み出した。45分、左サイドからの長友のロングスローが、中央でつぶれ役となった平山のそばを抜けてファーにこぼれる。ここに詰めた石川がきっちり決めて2点目をゲット!試合の流れや相手の出鼻を挫く意味でも、貴重な追加点となった。だが52分には、茂庭が膝を傷めるアクシデントが起こり、浅利を交代投入。今野をセンターバックに下げる布陣で臨むことに。

 G大阪も後半開始からFW播戸に代えMF佐々木を、60分にはFWロニーに代えてMF倉田を投入して、中盤の人数を増やしFWルーカスを1トップにして反撃に出る。東京も61分に疲れの見えたカボレに代えて赤嶺を投入。すると迎えた62分、カウンターから徳永が右サイドを駆け上がり、アーリークロスがエリア中央の平山のもとにピタリと送られる。平山は相手DFを背負いながらもゴールに向き直り、流し込むようにシュートを放つ。これがGKの脇をすり抜けてゴールインし、3点のリードを奪った。

 しかし66分には、G大阪の見事なパスワークからMF二川→FWルーカスのヘッドを許し、1点を返される。その後はあきらめず攻めに出るG大阪、それに対して東京はカウンターという展開になったが、守備では連係を図り、危ない場面でも体を張って最少失点に抑えきってタイムアップ。シュート数では7対15とG大阪の約半分ではあったが、少ないチャンスを確実にモノにして3得点を奪い、万博記念競技場では2004年以来となる勝ち点3をもぎ取った。

【選手コメント】《塩田》「G大阪はACLの連戦もあり、きっと前半で畳み掛けて勝負をつけたいと思っていたはず。だから前半を0対0でしのげば、後半は絶対僕たちにチャンスが来ると信じていた。序盤からペースを握られたが、その時間帯で失点を防げたことがよかったと思う。(G大阪の決定機を、何度もセーブしていたが?)ビデオなどで見て、FW播戸選手の飛び出しがすごくうまいのはわかっていた。雨上がりで多少グランドがスリッピーでもあり、最初のプレーで思い切って飛び出した。そこからいいイメージで、自分の間合いにもっていけたような気はする。(裏を狙われ続けたが、DFとしての課題は?)僕たちだけが特別狙われたわけではないと思う。やはりMF遠藤さんや二川さんに、前を向かせてルックアップさせてしまったら、いろんなキックでスルーパスは出てくる。今日ルーカスにやられたように、チップキックもあったり、一発で狙ってくるというのもわかっていたこと。G大阪の特長はパスサッカーというけれど、実はボールを奪ってからの切り替えが早く、そこから一発でパスが出てくる。それが怖さ。だから注意していたし、それに対してブロックを作って守れば、そう簡単には危険なエリアには進入されない。1点は取られたが、みんなで踏ん張れたことは自信にしてもいいと思う。それにリーグ終盤での上位争い、上位で戦い続けるためには理屈ではない部分もある。個々のパワーを集結させ、11人分以上のものを出すことも必要かもしれない。ここで鹿島、G大阪に連勝できたことは大きい」《石川》「(チーム2点目のゴールは)最初は自分の反応が少し遅れたが、長友のスローが思ったより伸びてきた。伸びてきてくれ~!と願っていたのだが、あんなに佑都が飛ばすとは(笑)。先制点につながったクロスも狙ったとおり。あそこで縦に勝負したら相手のプレッシャーもくると思ったので、早めに左足で上げた。カボレにうまく渡れば、シュートもあるし、折り返して相太が決めるという形もあると考えていた。今日はG大阪にかなり回されて、0対0の時間帯が一番苦しかった。やられている感じはしなかったが、シュートシーンまで一気に持ち込まれた場面が何度もあった。そこで耐えきったことが勝利につながったと思う。先制してからは、G大阪が攻めに出てきたので、カウンターを狙った。カボレにボールが出たら、逆サイドから飛び出していこうと思っていた。決められなかったが、前半終盤のチャンスなどは狙っていた形。苦しかったが、何度かそういう形も作れたと思う。決して思い通りではないが、鹿島戦ではイケイケの形で、今日はまた違うパターンで勝つことができた。いろいろな勝ち方ができるということは、チームとして力を積み上げられている証拠でもあると思う。また一歩一歩積み重ねていけるように頑張りたい」

 【城福監督の会見要旨】「我々はトップとの勝ち点で5差あり、得失点差もそう多くないので、上に食らいついていくためにも今日は負けられない試合でした。選手たちは非常に強い気持ちをもってグランドに立ってくれましたし、自分たちの特長を出して3点取れたことは、非常に良かったと思います。内容でみると、すべてが良かったわけではなく、カウンターの迫力はありましたが、遅攻の面ではまだまだ精度が足りない、守りの時間が多かったと思います。守りの中ではしっかりブロックをつくって、破綻した場面はありませんでしたが、もっと自分たちの時間を多く作りたいなと。それが今日見えた課題ですし、ガンバから学ばなくてはならないところです。兎にも角にも、ブロックをしっかり作り相手を1点におさえて勝ち点をとれたことは非常によかったと思います。(序盤から、前からプレスをかけていったが?)バイタルエリアと言われている部分、我々のセンターバックとボランチの間のスペースで時間を与えると、そこで前を向かれて危ない場面をつくられるので、とにかくそこで時間をつくらせないこと。そのためには、相手のボランチからそこにボールが供給されるので、ボランチに対してしっかりアプローチして仕事をさせないということが大事でした。その部分はできたとは思います。ただ、さっきも言ったとおり、奪った後に自分たちの時間が必要です。(鹿島の試合に勝ち、今年一番の試合と言っていたが今日は?)トップに食いついていくとか、一年間右肩上がりのチームになるというメンタリティの面では、確固たるものを見せられたと思います。ただ、プレーについてはやはりまだまだ。鹿島の時が良くて今日は良くないというわけではないが、まだ自分たちの質を上げていかないといけない。まだまだやり続けないといけないものが、今日はっきりと見えたと思います」

 【G大阪・西野監督の会見要旨】「ACLでいい試合をした後なので、こういう試合だけは避けようと思っていました。前節も、ACLでいい試合をした後、結果をだせなかった。また同じ轍を踏むのかというところです。ただ選手たちは90分間いいゲームをやったと思います。内容的には悪いものではありませんでしたし、いつも以上にアグレッシブな展開はできていました。決定機を取れずに、カウンターを与えてしまう展開でした。ベンチでも、これは厳しい展開になっていくなと思っていましたが。そういう悪い予想が当たってしまいました。こういう風に決定機を取れないと今日みたいな結果になってしまいます。次に尾を引かないように、今は切り替えが一番大事です。(DF中澤が欠場でMF明神がセンターバックに入ったが、その影響は?)明神も決して悪いパフォーマンスではなかったと思いますし、中盤の構成も特に初めてという訳ではありません。しっかりポゼッションはとれていましたし、攻撃の組み立てもできていました。相変わらず決定機を取れずに、自分たちのリズムにできなかっただけです。今は多少ポジションが変わっても内容が崩れると言うことは感じていませんし、今日もゲーム全体は支配し、ガンバのペースだったと思います。しかしそれが東京の戦術だったいうことです。こうして前半に崩しきれないということが、勝負の厳しさを感じさせました」