GAME RESULT試合結果

第12節 2009/5/16(土)
観衆 20,349人 
天候 曇、弱 気温 17.5度 湿度 64% 
主審:村上 伸次 副審:岡野 尚士/相葉 忠臣 四審:高山 啓義

J1 第12節

日産ス

HOME

横浜F・マリノス

0-1

試合終了

前半0-0

後半0-1

AWAY

FC東京

横浜F・マリノス FC東京
得点者 62' 中村 北斗
70' 坂田 大輔 → 齋藤 学
70' 狩野 健太 → 水沼 宏太
77' 渡邉 千真 → 金 根煥
選手交代 55' 梶山 陽平 → 中村 北斗
73' 赤嶺 真吾 → 大竹 洋平
85' 鈴木 達也 → 浅利 悟
13 シュート 12
3 CK 10
8 FK 17
08' 田中 裕介
52' 小宮山 尊信
警告
退場
横浜F・マリノス先発
GK 21 飯倉 大樹
DF 5 田中 裕介
DF 7 栗原 勇蔵
DF 22 中澤 佑二
DF 13 小宮山 尊信
MF 10 山瀬 功治
MF 3 松田 直樹
MF 17 兵藤 慎剛
FW 14 狩野 健太
FW 9 渡邉 千真
FW 11 坂田 大輔
横浜F・マリノス控え
GK 1 榎本 哲也
DF 34 丁 東浩
DF 23 田代 真一
DF 15 金 根煥
MF 30 小椋 祥平
MF 20 水沼 宏太
FW 19 齋藤 学
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 25 徳永 悠平
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 6 今野 泰幸
DF 5 長友 佑都
MF 10 梶山 陽平
MF 28 米本 拓司
MF 40 鈴木 達也
MF 22 羽生 直剛
FW 24 赤嶺 真吾
FW 13 平山 相太
FC東京控え
GK 21 阿部 伸行
DF 2 茂庭 照幸
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 14 中村 北斗
MF 19 大竹 洋平
FW 32 近藤 祐介

【選手・監督コメント】

冷静に自分たちのサッカーを仕掛けて、ゴールと勝利をめざす


 リーグ戦は3分の1を終え、第12節が開催。アウェイ・日産スタジアムに乗り込み、横浜F・マリノスと対戦する。前節京都戦では、多くのチャンスを作りながらも得点に結びつけることができなかった。一方で、自分たちの時間を長くすることで失点もゼロに抑えた。今節は、いかに自分たちのサッカーで失点を抑えつつ、チャンスに決めきるかに焦点が当てられる。

 城福監督は「序盤の10試合でリーグ最多失点を喫してしまった。次の10試合では、最少失点チームをめざす」と話しながらも、「それはイコール=守備的に戦うことではない。ボールを持つ時間を長くすること、失い方に気をつけることなどの意識を高めることで失点を最少限に抑える。その上でチャンスをどう活かすかという課題に取り組んでいる」と続けた。

 今節は足を傷めた石川が欠場。右MFは、第2節浦和戦以来となる鈴木が先発に。またケガから完全復帰した中村が、移籍後初のベンチ入り。中村について、城福監督は「1対1の強さ、キックの精度、落ち着いたボールの持ち方など、能力と技術が高く、攻めたい時でも守りたい時でも起用できる。経験もあり、さまざまな状況において、チームに足りないものをもたらしてくれるはず」と期待する。

 対する横浜FMは現在、勝ち点15で8位につける。今リーグでの連勝は、東京と同様にまだ1度しかなく、決して波に乗り切れているとは言えないだろう。しかしスピーディなボール運びに加え、選手個々の能力が高く、大いに警戒が必要だ。特に前線には、FW坂田、渡邉、山瀬ら、一人でも局面を打開できる選手が揃い、セットプレーも脅威だ。また今節からDF栗原が復帰し、慣れ親しんだ3バックから4バックに布陣を変更。最前線にFW渡邉を置き、前線にFW坂田とMF狩野。中盤にMF山瀬と兵藤、ボランチの底をMF松田が務める4-3-3で臨んできた。

 これに対して、城福監督は「我々のめざすサッカーをやり続けることが一番の対策」と話し、厳しいプレスをかけてボールを奪い、支配率を高めることで対抗。冷静に自分たちのサッカーを仕掛けて、ゴールと勝利をめざす。曇り空で肌寒さも感じる日産スタジアム。試合は19時4分に横浜FMのキックオフでスタートした。

サイドを起点に自分たちから仕掛けるサッカーを展開


 序盤からともに集中して守り、相手を自由にさせなかった。開始直後には横浜FMにスローインからのチャンスを活かされ、FW渡邉のエリアへの進入を許したが、米本がすぐさま戻り、CKに逃れる。8分、梶山が前線に浮き球のパスを送り、相手DFのクリアに赤嶺が詰め、エリアすぐ手前で倒れるが、ホイッスルは鳴らず。14分には、今野のインターセプトから、鈴木→徳永が右サイドをドリブルで前進、相手陣内に進入したが、カットされる。

 横浜FMの厳しいプレスに対してパスがつなげず慌てるシーンもあったが、東京は徐々に落ち着いてプレー。サイドを起点にした攻撃で横浜FMゴールに迫った。20分には、徳永の右クロスから、ニアに飛び込んだ赤嶺のヘディング。直後に、今度は梶山→左に流れた赤嶺がクロスを、ファーのゴール前に走り込んだ鈴木がボレーシュートと、ワイドに仕掛けて決定的な形を作ったが、GKの好セーブに阻まれた…。

 35分、横浜FM・FW坂田を起点に攻め込まれ、右に上がったSB田中がクロス。東京DFのクリアがファーにこぼれ、今度は左から攻め上がったSB小宮山にシュートを打たれたが、枠の上に。38分には、自陣左サイドで梶山が倒され、今野が素早くリスタート。長いボールを左前線に送り、走り込んだ長友がクロス。スピーディな攻撃を仕掛けたが、最後のところで連係が合わず、シュートは打てなかった。

 互いに攻め合い、続く39分には横浜FMが速攻を仕掛ける。左サイドに抜け出したFW坂田がドリブルでエリアまで猛突進。戻った東京DFが切り返されるが、最後は守備の連係でボールを奪い、ピンチを脱する。守備では集中を切らさず、横浜FMの攻撃を抑えきると、43分には鈴木のクロスを赤嶺が落とし、こぼれをつないで長友も攻め上がり、分厚い攻めを見せた。シュートシーンこそ少ないものの、リズムを掴んで後半へと折り返した。

中村が初ゴール! この1点を守り切り、貴重な勝利を挙げる


 後半立ち上がりに梶山が足首を負傷し、55分に移籍後初出場となる中村と交代した。だが中村の投入とともに試合は動き、お互いにスピーディに仕掛け合い、攻守の入れ替えが激しい攻防が続いた。56分には出場直後の中村が、左からのボールを受け、右エリア手前から果敢にシュートを狙ったが、枠を外れる。57分には米本が勢いに乗ってミドルを放ったが、ヒットせずGKのもとに。

 迎えた61分、中村→赤嶺から、羽生がエリア内に送ったラストパスを横浜DFがカットし、右CKを得る。62分、この右CKを鈴木が蹴り、DFと競り合った平山が身体に当てて落とすと、こぼれたボールはエリア手前・中央で構えた中村のもとに。これを左足のボレーで豪快に蹴り込みゴール!中村がうれしい初ゴールを決め、鮮烈なデビューを果たし先制した。

 勢いに乗る東京は次々と横浜FMゴールに迫った。67分には右サイドで中村→平山のポストから、再び北斗が中へ持ち込み、周りをよく見て逆サイドを上がった鈴木へパス。鈴木がスピードに乗ってシュートを放ったが、相手DFに当たってCKに。この左CKのこぼれから、徳永のシュートがGKを強襲したが、セーブされる…。一方で横浜FMも交代選手を使い、反撃に出る。72分には出場直後のFW齋藤が右から中にドリブルで持ち込み、中央に浮き球のクロス。ゴール前のMF兵藤にヘディングを放たれるが、わずかに枠を外れてピンチを免れた…。78分には東京陣内で横浜MF松田にボールを奪われ、そのまま反撃をくらう。シュートはわずかに左に外れたが、危ないシーンだった。

 81分には東京がボールをスピーディに動かし、横浜FMゴールに攻め込む。左から途中出場の大竹がドリブルで切り込み、DFをするするとかわして、中央にラストパス。中央の後方から羽生が走りこみ、シュート体勢に入るが、DFに寄せられ打ち切れず。それでもこぼれを粘って拾い、右の中村→オフサイドぎりぎりに飛び出した鈴木へ。鈴木は中に持ち込み、ゴール至近距離からシュートするが、GKに防がれ、追加点を奪うことはできず。

 終盤にはDF金を前線に入れた横浜FMの猛攻を受けることに。88分には前線へのパスに合わせてMF兵藤がするりと飛び出し、決定的な形を作られたが、シュートは権田の好セーブでピンチを逃れる。5分間の長いロスタイムも、横浜FMのパワープレーを全員が一丸となって渾身の力で跳ね返してタイムアップ。激しい試合となったが、中村の初ゴールを守り切ってアウェイで貴重な勝ち点3を得た。

 【選手コメント】《中村》「0対0の状況で中盤に入ったので、前からディフェンスをすること、そして得点に絡むこと、自分もゴールの意識を高くもってプレーしようとした。自分に何が求められているのかを考えてピッチに立った。ゴールは、いい具合にボールが来た。左足の前にボールが来たので抑えて打つことを考えた。冷静に打ててよかったと思う。(長い間ケガで苦しんだが)思ったより時間がかかったが、あまり慌てないようにはした。それでも早く動きたい気持ちはあった。ただ、練習ではうまくチームに馴染めていたので、今日の出場に不安はなかった。ゴールをしたら何かパフォーマンスをしたいと思っていたが、みんなが集まってきて何もできなくて(笑)。それでも移籍後初めてだし、サポーターにも待たせてしまったという気持ちがあったので、自然にガッツポーズが出た」《鈴木》「サイドの高い位置で起点になることを意識して、僕たちのストロングポイントであるサイドバックを活かすことを考えた。自分たちでアクションを起こそうという意志は、プレーで表現できたのではないか。自分も含めて先制や追加点のチャンスがあったし、そこで決めていれば、もうちょっとラクな勝ち方ができたと思うが、結果的にこういう勝ち方はチームが一つになる。ここから勝ち続けるためにも次が大事。今日の勝利を今後につなげていきたい」

 【城福監督の会見要旨】「勝利に結び付けられない試合が続き、今日は絶対に負けられない試合だった。選手自身もそれをよく感じてピッチに立ってくれた。我々は10節までリーグ最多失点チームだったので、次の20節までの10試合では最少失点チームになろうということを、現在の合言葉にしている。それは守備的にということではなく、自分たちがボールを保持する時間を長くし、フィニッシュまで行くというのが一番の方法だと考えている。今日は1点を取るまでは、そこによくトライした。上手くいったかどうかは別にして、今までだったら蹴ってしまうところでつなぎ直したりしていた。守備については、小さい選手も大きい選手も全員が頭からボールに行き、気持ちの入った守備をした。まだ色々な課題があり、パーフェクトではないが、今日は選手たちの気持ちが乗りうつり、無失点に抑えられた。ここ数試合は、20本近くシュートを打って、そこまで行っているのになかなか点が入らなかった。それでも少なくとも昨年よりは5~6割り増しでシュートまで持っていくことが出来ており、そこは進歩。顔を上げてよいことだと思う。シュートから先については、今日明日で上手くなるわけではないので、やり続けることが大事。そこまではボールを運べているので、スキルをあげること、またチームとしての意志統一に取り組んでいる。

 (来週からまた連戦になるが)課題は今日で言えば、1点目を取ったあと。もっと自分たちの時間を作って、相手陣内でボールをキープしながら時間を過ごすようなサッカーが出来るようにしたい。今年は1点取った後、状況が変わるような不安定なところがあるので、ナビスコカップではそういうところにも取り組み、決勝トーナメントに行けるように。良い準備をして、今日の勝ちを次につなげられるように頑張りたい。(中村選手について)彼の一振りで勝ち点3が取れたので、チームとして感謝している。ただ、彼の能力としては、2点目が入るような演出をして欲しいと期待している。今日1点取ったからといって満足して欲しくはない」

 【横浜FM・木村監督の会見要旨】「ゴールデンウィークの5連戦を終えたのち、システムを少しいじった最初のゲームだった。だが前半は相手の勢いに対して守備的になってしまった。ボールを奪っても前線の選手がきっちりキープできず、ミスが多く、なかなか攻撃の形が作れなかった。そのためハーフタイムに修正をしたが、コーナーキックからのこぼれ球を決められた。その後、気持ちを切り替え、選手は攻撃に出て、最後の10分はDF金を前線に入れたが、勝ちたいがあまり、放り込みになってしまった。システム云々というよりも、ミスが多かった。FC東京がよい時は、今日のように前から奪いに来るし、勢いに乗せたら相手のサッカーになってしまう。そういう話はしていたが、前半はそのままの形になってしまい残念。ただし今日はDF田中と小宮山を両サイドバックにしたが、3-4-3でやっている時よりも両サイドの前に大きなスペースがあり、出て行くことができた。上がるタイミングは良かったと思う。ただ、やり切ることができない、やり切らない部分もあり、そこは修正が必要。来週はナビスコカップがあり、連戦が続くので、試合をしながら修正をしていきたい」