GAME RESULT試合結果

第13節 2009/5/24(日)
観衆 27,851人 
天候 雨、無 気温 20.4度 湿度 70% 
主審:扇谷 健司 副審:原田 昌彦/田尻 智計 四審:五十川 和也

J1 第13節

味スタ

HOME

FC東京

2-3

試合終了

前半1-0

後半1-3

AWAY

川崎フロンターレ

FC東京 川崎フロンターレ
28' 今野 泰幸
54' 石川 直宏
得点者 58' ジュニーニョ
65' 谷口 博之
68' レナチーニョ
45' 羽生 直剛 → 鈴木 達也
59' 石川 直宏 → 茂庭 照幸
75' 平山 相太 → 中村 北斗
選手交代 54' 田坂 祐介 → ヴィトール ジュニオール
79' レナチーニョ → 横山 知伸
89' 鄭 大世 → 黒津 勝
13 シュート 9
7 CK 5
16 FK 16
警告 15' 田坂 祐介
65' 鄭 大世
89' 黒津 勝
57' ブルーノ クアドロス
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 25 徳永 悠平
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 6 今野 泰幸
DF 5 長友 佑都
MF 10 梶山 陽平
MF 28 米本 拓司
MF 18 石川 直宏
MF 22 羽生 直剛
FW 9 カボレ
FW 13 平山 相太
FC東京控え
GK 21 阿部 伸行
DF 2 茂庭 照幸
MF 14 中村 北斗
MF 17 金沢 浄
MF 40 鈴木 達也
FW 24 赤嶺 真吾
FW 32 近藤 祐介
川崎フロンターレ先発
GK 1 川島 永嗣
DF 19 森 勇介
DF 4 井川 祐輔
DF 17 菊地 光将
DF 2 伊藤 宏樹
MF 6 田坂 祐介
MF 14 中村 憲剛
MF 29 谷口 博之
FW 34 レナチーニョ
FW 9 鄭 大世
FW 10 ジュニーニョ
川崎フロンターレ控え
GK 21 相澤 貴志
DF 26 村上 和弘
DF 18 横山 知伸
MF 8 山岸 智
MF 11 ヴィトール ジュニオール
FW 7 黒津 勝
FW 15 矢島 卓郎

【選手・監督コメント】

多摩川クラシコ、真価が問われる一戦


 リーグ第13節が開催。第15回多摩川クラシコとして、ホーム味スタで川崎フロンターレを迎え撃つ。前節ナビスコ千葉戦ではフレッシュなメンバーが加わり、今後へのはずみとなる勝利をもぎ取った。同時に3試合連続の無失点にしのぎ切り、守備の安定感も発揮。今節は、多摩川クラシコのライバル=川崎に、攻守両面においてここまで積み上げてきたものが通じるか、真価が問われる一戦となる。千葉戦から中3日の連戦となるが、この間にカボレ、梶山、石川、そして徳永もケガから完全復帰し、先発に名を連ねることになった。

対する川崎は、第12節終了時点での勝ち点は18。総得点は20で(広島に次いで2位)攻撃力はリーグトップクラスを誇る。しかし川崎が19日(火)に臨んだACL浦項戦では、攻め込みながらも、浦項の身体を張った守備の前に0対2で敗戦。東京もここのところDFラインでの競り合いとカバーが徹底され守備が機能、中盤では相手を自由にさせない戦いができている。臆することなく、それを続けていきたい。

 攻撃では、ボランチからの展開とサイド攻撃がキーポイントになりそうだ。川崎MF中村、谷口の攻撃を抑えつつ、どれだけ自分たちの時間をつくり、DFを崩していけるかが重要になる。城福監督は「5月中に星を五分に戻せるかどうかの大一番。とはいえ『クラシコだから』と力むのではなく、普段どおりの力を出すことが大事」と、平常心で臨むことの大切さを話した。リーグ戦は今節の後、約1か月間のインターバルに入るが、中断期間前に勝利し、勢いを再びナビスコにつなげたい一戦。試合直前には雨足が強まり始めた味スタ。14時5分に川崎のキックオフでスタートした。

今野の今季初ゴールで先制! 試合の主導権を握る


 立ち上がりこそ川崎にボールを支配され、14分には東京陣内で川崎にFKを与える。川崎MF中村が前線に浮き球のキックを送り、飛び出したMF谷口にヘディングを決められたが、オフサイドに助けられる。その後は、徐々にパスをつないで試合の主導権を握ることに。カボレ、平山、石川らを起点に仕掛け、17分には石川が右エリアまで持ち込み、ニアのカボレにパス。カボレはワンタッチですぐ後ろの平山に戻すが、DFに寄せられてシュートは打てず。こぼれから、攻め上がった徳永がシュート性のクロスをゴール前に送ったが、これも合わせることはできずに川崎ボールに。

 21分には相手陣内・引き気味の平山から、右に展開。石川はサイドから中にドリブルで上がり、エリア手前からシュート。抑えたボールだったが、GKにキャッチされた。23分には米本が粘って、右サイドの石川につなぐ。石川は今度はクロスを選択。ファーへのボールに、どんぴしゃで飛び込んだカボレがヘディング。しかし枠を捉えられなかった…。

 27分には中盤から攻め上がった梶山が左前線のカボレにパス。カボレはシュートこそ打てなかったが、DFにクリアされて左CKに。このショートコーナーから、石川が中央に送ったクロスはカットされ、今度は右CKを得る。28分、この石川のCKから、今野が放ったヘディングシュートは一度はバーを直撃したが、跳ね返りに再び今野が反応。左足でネットに突き刺してゴール! セットプレーから、今野の今季初ゴールで先制点をゲットした。

 30分を過ぎる頃には晴れ間が見え、蒸し暑い天候となった。しかし、その後は川崎にチャンスらしいチャンスをつくらせず。36分には左前線に流れた平山にボールが渡り、中央にはカボレ、石川が詰める。平山がサイドで起点となったが、ラストパスはとおらず、川崎DFにカットされた。37分には石川の右CKに、今度はブルーノがヘッドで合わせたが、ラインを割る。39分には、米本→カボレがドリブルシュートを放ったが、GKの正面に。それでも後半に追加点の期待をかけ、前半を終了した。

リードを2点に広げるも、10人になり、悔しい逆転負け……


 後半開始から、東京は羽生に代えて鈴木を投入。川崎はSB伊藤のポジションをセンターバックに、CB井川をサイドバックに変えて臨んできた。序盤は川崎にパスをつながれたが、すぐさま東京がカウンターからリズムをつかんだ。51分、川崎のボールを東京が奪って速攻を仕掛ける。中盤の平山→前線のカボレが身体を反転させながらヒールで落とし、左から右にクロスするように飛び出した鈴木にわたり、そのままスピードに乗って右エリア手前からシュートを放ったが、GKの正面に…。54分に川崎はMF田坂に代えてMFヴィトール ジュニオールを投入。

 その直後、川崎のゴールキックを徳永が前線へ送り、カボレが相手DFと入れ替わるように前線に抜け出してクロスを上げる。このボールに中央平山は触れなかったが、ファーから走り込んだ石川が抑えたシュートを豪快に蹴り込み、ゴール! スピーディな攻撃で追加点を奪い、2点をリードした。

 しかし迎えた57分、川崎FWジュニーニョが絶妙のスルーパスを送り、FW鄭に前を向かれる。これをエリアすぐ直前でブルーノ クアドロスが後ろから引っ張り、FW鄭はエリア内に倒れた。これが得点機会阻止との判定で、ブルーノ クアドロスは退場に。残り時間を10人で戦うことを余儀なくされると同時に、川崎にPKを与えた。58分、このPKをFWジュニーニョに決められ、1点差に追い上げを許すと、川崎の勢いを食い止めることができなくなった。

 59分には石川に代えて茂庭をCBに投入。4バックは崩さず、平山がサイドの布陣で臨んだが、65分には東京の右スローインを受けた梶山が、エリアすぐ外でファールを犯したとの判定からFKを与えると、川崎・MFヴィトール ジュニオールが素早くリスタート。FW鄭がつなぎ、ファーでフリーになったMF谷口に決められ、リスタートの隙を突かれて失点した。68分には、川崎・左サイドでDF森がFW鄭に縦パス→MFヴィトールジュニオール→FWジュニーニョのクロスに、ファーのFWレナチーニョが長友と競り合いながらも、ジャンプしてボレーで合わせてゴール。サイドからのクロスを決められ、10分間で逆転を許すことに……。

 それでも下を向かず、75分には平山に代えて中村を投入。厳しい守備からパスをつないで反撃を仕掛ける。88分には今野のスルーパスから、エリアに進入した長友が左CKを奪う。鈴木のキックが、中央の密集地帯を抜けてファーに。中村が追いついてシュートを放ったが、枠を外れてしまった…。ロスタイムには右サイドの徳永→エリアの中村が巧みにゴール前にパスを送り、米本がフリーで走りこむ。絶好のチャンスをつくったが、滑る芝に足を取られて空振り。チャンスを迎えたが同点には持ち込めず、無念の逆転負け。この結果、多摩川クラシコの通算成績は5勝5分け5敗に。なお、リーグ戦は14位となり、約1か月の中断期間を迎えることとなった。

 【選手コメント】《石川》「自分が出ていない試合では守備のバランスができていたので、攻撃的な自分としては、攻撃でいい形を作りたかった。前半はよい守備からよい攻撃の形ができていたと思う。セットプレーからだったが、点が取れてそこはよかった。(ゴールは)カボレが左サイドから出して、平山が前でつぶれて、ボールが来るなという気がしていた。距離はあったがうまく流し込むことができた。(6得点でチーム最多だが)まだチャンスはあるし、チームの勝利に貢献するための得点が求められている。今日は自分の得点で勝利に結びつけることができなかったので、点をとりながら結果を出していきたい。手応えのある中でも結果が出なかったり、まだまだもどかしい試合がある。リーグは中断するが、カップ戦もあるので、しっかり反省して、よい状態でリーグ再開につなげたい」《今野》「勝てなかったことは悔しいし、もったいなかった。まだまだ勉強しなくてはいけない。この負けで、さらに上にいかなくてはいけないと強く思った。(先制点は)常にチャンスがあれば狙っていこうと思っていた。ただ、今日は得点よりも、たくさんチャンスを作っていたので、そういうところも見てほしい。一人少なくなってからも、しっかり繋いでいけばチャンスは作れていたし、問題ないかと思っていたが、退場で会場全体が川崎の雰囲気になった。でも、それにも負けないようなサッカーをしていかなくちゃいけない。だから勉強です」

 【城福監督の会見要旨】「多くのファンのみなさんに来ていただき、一緒に喜びたかったが、結果につながらず非常に残念。ただ、私は選手に顔を上げろと話した。試合は、胸を張る内容だったと思っている。どういうジャッジがなされても、我々はサッカーを続けなければいけない。いいサッカーをやり続けることが我々の仕事。結果論では、おそらくいろいろなことを言われるかもしれないが、内容は悲観するべきものではないし、このサッカーを続けるべきだと思っている。(2得点の評価と、退場後のプランは?)一人少なくなってからは4-4-1でブロックを作ろうとした。それが出来ていないわけではなかったが、相手がリードして攻めることをやめ、反対にこちらは追いかけなければいけなくなった。そのため途中から4-3-2にしてボールを奪いに行くようにシステムを変えた。得点については『2点取れた』とも言えるが、3点、4点取るべきだったと思うし、そういうチャンスを作り続けることが大切。(今後トライすることについて)もちろん今日も3失点したことは反省しなければいけないし、ゲームの運び方にもおそらく何らかの原因がある。そこはしっかり反省をするが、10人になっても選手たちは果敢にボールを繋いで、放り込むだけではないサッカーをした。それは誇りだし心強い。こういうサッカーを選手と一緒にやり続け、結果を出したい」

 【川崎F・関塚監督の会見要旨】「非常に難しいゲームをひっくり返した。サポーターの熱い声援と、選手がよく頑張ってくれたおかげ。感謝したい。FC東京はここのところ、しっかりとした堅固な守備から迫力ある攻撃をしていたので、難しい試合になると考えていた。先制したかったが、我々のリスタートは得点に結びつかなかった。試合が落ち着いてきたところで、逆にリスタートから失点した。特にFC東京の2センターバックのポゼッション率が高く、そこにプレッシャーをかけても中盤が空いてくる。先制点を奪われ、さらに機能させてしまった。そこが一つのポイントだったが、前半はその流れを変えられなかった。後半は我々のシステムを変え、立ち上がりにFW鄭大世がもうワンテンポ早ければ、FWジュニーニョがGKと1対1になるようなチャンスをつくった。その辺りから少し息を吹き返してきたが、その矢先、前半もDF伊藤に同じようなミスがあったが、DF菊池が後方へのボールをバウンドさせ、失点に繋がってしまった。そういう基本的なところが、守備のところで出てしまい、自分たちのリズムやサッカーを苦しくしている。その後に上手くPK、そしてレッドカードを誘った形で逆転できたが、もう少しその辺りを修正し、チームとしてしっかりと仕上げていかなければいけない」