GAME RESULT試合結果

第16節 2009/7/04(土)
観衆 14,915人 
天候 晴、無 気温 24.8度 湿度 76% 
主審:奥谷 彰男 副審:石川 恭司/小椋 剛 四審:相葉 忠臣

J1 第16節

ホムスタ

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ヴィッセル神戸

0-2

試合終了

前半0-0

後半0-2

AWAY

FC東京

ヴィッセル神戸 FC東京
得点者 50' 石川 直宏
55' カボレ
56' 馬場 賢治 → 朴 康造
64' 我那覇 和樹 → 楠瀬 章仁
85' ボッティ → アラン バイーア
選手交代 73' 羽生 直剛 → 鈴木 達也
78' カボレ → 赤嶺 真吾
84' 米本 拓司 → 金沢 浄
4 シュート 19
3 CK 7
15 FK 19
42' 内山 俊彦
89' 北本 久仁衛
警告 69' 米本 拓司
退場
ヴィッセル神戸先発
GK 1 榎本 達也
DF 25 石櫃 洋祐
DF 4 北本 久仁衛
DF 14 宮本 恒靖
DF 15 内山 俊彦
MF 22 馬場 賢治
MF 10 ボッティ
MF 18 田中 英雄
MF 50 大久保 嘉人
FW 13 我那覇 和樹
FW 21 茂木 弘人
ヴィッセル神戸控え
GK 30 徳重 健太
DF 2 小林 久晃
DF 5 河本 裕之
MF 7 朴 康造
MF 8 アラン バイーア
MF 31 楠瀬 章仁
FW 17 吉田 孝行
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 25 徳永 悠平
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 6 今野 泰幸
DF 5 長友 佑都
MF 28 米本 拓司
MF 10 梶山 陽平
MF 18 石川 直宏
MF 22 羽生 直剛
FW 9 カボレ
FW 13 平山 相太
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 3 佐原 秀樹
DF 33 椋原 健太
MF 17 金沢 浄
MF 27 田邉 草民
MF 40 鈴木 達也
FW 24 赤嶺 真吾

【選手・監督コメント】

上位追撃に向け、負けられない一戦


 リーグ第16節は、アウェイでヴィッセル神戸と対戦。前節対清水戦でリーグ戦2連勝を飾り、今季最高の7位に浮上。勝敗を7勝1分7敗の五分に戻し、城福監督は「絶対、ここから後退したくない。辛いシーズン序盤だったし、そこを生みの苦しみだったと思えるには、ここから白星が先行していかないと意味がない」と、新たな戦いを見据えた。

 対する神戸は、ドイツ・ボルフスブルクから日本代表のMF大久保が復帰しながら2連敗と、波に乗れない状況が続く中、カイオ ジュニオール監督が辞任し、今節から和田昌裕チーム統括本部長が兼任監督として就任した。ただ、城福監督は「アクシデントはあればあるほどチームの力になるのが常。勝つためのハードルが上がったと思う」と警戒感を強める。MF大久保、攻守の要MFボッティ、リーグ戦6得点のFW茂木ら、チームの核となる選手を中心にやり方は「大きく変わるとは考えづらい」(城福監督)。それだけに、権田は「相手の様子を見て受けに回ると、より難しい試合になる。試合開始から自分たちのサッカーをやることが大事」と、スタイルの貫徹を白星の必要条件とした。

 東京は、前節と同じメンバーで臨むことに。特にカボレ、平山、石川ら攻撃陣が好調で、さらなる判断や技術の精度、連係を高めることでボールを保持する時間を長くし、アタッキングサードで攻撃陣の武器を発揮する回数を多くしていきたい。羽生は「効率的にボールを回して、最後の危険なエリアに入っていきたい。危険なところに人が多い方が相手は嫌がるはず」と話し、長友は「自分たちのサッカーに自信がついてきた。しっかりやれば負ける気はしない」と意気込みを語った。

 6月は公式戦全勝。勢いに乗り勝ち続けることだけが、上位グループに加わる唯一の方法。“反撃の夏”を体現するため、城福監督は「我々の苦しみをここから成果に変えていきたい。強い気持ちを持って臨みたい」と強い意欲を示した。勝ち星先行、そして上位追撃へ、敵地といえども勝ち点3をもぎり取りたい一戦。試合はホームズスタジアム神戸にて、19時4分に東京のキックオフでスタートした。

決定機を作れず0対0で折り返す


 序盤は東京らしさを発揮できずに試合が進む。4分に中央エリア外のFKを石川がゴールを狙う。これがチームファーストシュートとなった。長めの芝の影響もあるのか、あと少しのところでボールが足につかず、パスミスから相手に奪われて守備に追われる場面も。アタッキングサードまでボールを運べても、あと一歩のところでチャンスを作れず。

 20分を過ぎ、東京は徐々にリズムをつかみ始める。22分、相手からボールを奪った石川が中央をドリブル突破。右に流れた平山に渡りシュートを放つも相手GKの好セーブでCKに。32分には、右サイドのカボレからエリア内にオーバーラップした米本へパス。リターンを受けたカボレがシュートを放つが、神戸DFが体を投げ出してCKに逃れる。その右CKからボールが逆サイドの梶山に渡りクロスを送るも、これもクリアされCKに。

 41分には、カウンターから徳永→平山→石川に。これを難しい体勢から振り向きざまに左足でボレーシュート。しかしこれも相手GKの好セーブに阻まれゴールならず。相手の攻撃に対しては、落ち着いた対応でゴールを堅守。MFボッティから繰り出されるFKや鋭い前線へのパスも、今野を中心にDF陣がクリア。FW茂木やMF大久保の勢いある攻めも危なげなく防ぎ、結局前半を0対0で折り返す。

石川、カボレのゴールで突き放しアウェイで貴重な勝点3を得た


 試合が動いたのは後半。開始早々今野からのロングパスから石川が思いっきりよく振りぬく。得点にはならなかったが、その後は東京らしいボールを繋ぎながら、サイドチェンジも交えてゴールをうかがう。すると50分、平山→カボレと繋いだボールを羽生が受け、中央に走り込んだ石川へ。これをワントラップで狭いスペースに持ち込み、浮き玉を上手くコントロールして左足シュート!ボールはゴール左上に突き刺さるスーパーゴールで先制。これで石川は4試合連続得点なった。

 これで完全に勢いを取り戻した東京は、波状攻撃を仕掛ける。51分、カウンターからカボレ→平山がシュート。DFに当たるもこぼれをつないで最後は米本がミドルを放つも枠上に。53分には、長友の左スローインを平山がヘッドでそらし、ゴール前のカボレがダイレクトで合わせるも、相手GKにはじかれてしまう。そして55分には、センターライン付近から羽生がスルーパス。これにカボレが反応し、飛び出してきたGK榎本を冷静にかわして、無人のゴールへ流し込んで追加点。

 対する神戸は、次々に交代カードを切って流れを戻そうとするが、東京は落ち着いてリズムよくパスを回し、主導権を渡さない。62分に羽生、67分には長友、そして69分には石川がそれぞれ神戸ゴールを襲うが、GK榎本の好セーブもあって追加点ならず。試合はこのまま2対0で終了。最終的なシュート数は、神戸の4本に対して東京は19本。安定した守備と後半の落ち着いた試合運びでリーグ戦3連勝、ナビスコ杯も含めると公式戦5連勝で、5位に浮上した。

 【選手コメント】《米本》「高校の時の先輩や部活の仲間、中学の同級生など、たくさんの知り合いが観に来ていてとても緊張したんですが、勝てて良かったです。最近はカジくん(梶山)とのパス交換が出来てきて、いいコンビネーションとなっている。信頼も深まってきたのでとてもやりやすい。もっともっといいコンビネーションでチームを支えていきたいと思います。今ナオさんが絶好調なので、しっかり守って繋いで、ゴール前まで持っていけば決めてくれると思う。ゴール前までしっかり運んでFWに渡し、そこからいい形で点が取れているので、このままの流れを続けたいです。監督の言うように、“反撃の夏”にしたいし、サポーターの皆さんも望んでいると思うので、頑張って上位を狙っていきたいです。(神戸との対戦は意識した?)相手が神戸ということよりも、やはり知り合いがたくさん観に来ていたので、緊張しました(笑)。神戸はみんな高いモチベーションで来ていたし、とても難しい試合だったと思う。今日勝てたことに満足せず、しっかりと勝ち星を重ねていきたいと思います」

 《石川》「前半の早い時間で点を取りたかったが、なかなか相手がやらせてくれなかった。難しい立ち上がりだったが、辛抱強く後半、冷静に戦えたと思います。最近の東京のいいところは、前半に点を取ったとしても、逆にやられたとしても、非常に落ち着いて後半を迎えられていると思う。それは自分たちの積み上げてきたもの。だからまったく焦りはなかった。(ゴールシーンは?)まず羽生さんが良く見てくれていたというのと、あとは前半からチャンスがあったのにトラップで少しずれてしまっていたり、自分のシュートのイメージに繋がるようなトラップができていなかったので、まずはトラップを意識した。自分の思っていたところにピタリと止まったので、そのまま振りぬきました。相手が寄せてきたのもわかっていたし、スペースはなかったがダイレクトで打つのか止めて打つのかという判断も良かったと思う。前半、ダイレクトで打ったほうが良かったシーンもあったので、そのイメージがぱっと浮かんだのは良かったと思う。(チームはリーグ戦3連勝だが?)やっと五分に戻ったので、積み上げの段階で元には戻りたくなかった。ここにきてやっと自分たちのサッカーができる時間が長くなってきたので、とにかく結果を積み上げていくことしか今は考えていません。もっともっと勝ちも、点も欲しい。今の東京の攻めは迫力があると思う。ボール一つ動いたところでみんなアクションが起こせているし、DFからの繋ぎもできている。攻撃陣の僕らは、ボールを動かしてもらっているところで上手くアクションを起こして、シュートまで持っていくという形が、チームとして上手くやれていると思う。(今日のゴールで得点ランキング暫定トップタイになったが?)あまり意識はしていないが、自分のゴールでチームが勝てるのであれば、それはいいこと。その分周りが頑張ってくれているということ。その結果での自分のゴールだと思う。個人的には、試合後に自分のシュート数を見たら7本あった。そのうち1本は絶対に決めないと。まだまだ満足できないですね。後半にもチャンスはあったし。点を取って勝利につなげられたのは良かったけれど、反省も多いので。反省点は次に活かしたいです。まだまだです」

 【城福監督の会見要旨】「前節と同じになりますが、我々は3月4月と非常に苦しいスタートでした。星を五分に戻したのは前節の第15節ということで、「星を五分に戻したときには自分たちは連勝できる力を付けていよう」と言うことを選手に伝え、その合言葉のもとに取り組んできました。ようやく星を五分に戻して、ここで歩みを止めたくない、後戻りしたくない、あの苦しい思いをもう二度と味わいたくない、そういう思いで選手たちはピッチに立ってくれたと思いますし、実際に今日結果を出すことが出来て、歩みを止めずに遠くまで来てくれたファンと一緒に喜ぶことが出来たのは、非常に良かったと思います。(攻守において主導権を握るサッカーという点で、今日の試合は?)厳密に言えば、主導権というのは攻守両面があると思うのですが、基本的には自分たちの時間というのは、我々がボールを持っている時だと思います。今の我々の技術と判断で、今日はもっとそういう時間を増やすことが出来たと思います。後半も20分間くらいはシュートまで行けるシーンはありましたが、我々の技術をもってすればもっと出来たと思います。守備においては、相手に回させるというか、相手の本意ではない状態でボールを回させたり蹴らせたりというのが、今日はそういうのを狙ったのですが、まだボランチのところでフリーにする時間が長かったりとか、もう少し厳しい守備をしなければいけないというところを、次に向けて反省しなければいけないと思います」

 【神戸・和田監督の会見要旨】「3日間しか今日の試合まで無くて、とにかく守備のところをチームとして修正していかないといけないということで、昨年の4-4-2をベースにしたゾーンディフェンスというものを、今週のトレーニングの課題としてやってきました。選手は昨年からいた選手がほとんどなので、その辺の戦術的な部分はしっかりと吸収してくれたと思います。今日の試合に関しては、特に前半はしっかりとした対応が出来ていたと思います。ただ、カボレ選手と平山選手に入るロングボールのこぼれ球を相手に拾われたときには、すこし厳しい状況で相手にチャンスを与えてしまったということだけです。前半何とか0対0で折り返すことが出来て、後半はとにかく立ち上がりからもう一度、しっかりとやっていこうということで入りました。後半5分に失点をしてしまい、そこで慌てずにもう一度しっかりと同じような戦いをしていければ、もう少し0対1で引っ張れたと思いますけれども、その失点を機に守備が連動できなくなったというか、どうしても取りに行きたいというか、カウンターをくらうような状況を生んでしまった。攻撃のところも後半はなかなかいい形が作れなかったと思います。選手たちにはボールを奪ったら前へということを今週は指導してきましたけれども、その前へ行こうという気持ちは十分に出ていたと思います。守備のところはファーストディフェンダーのところを徹底してやっていこうとしていたのですが、ボールを取りに行こうとしすぎてしまって、連動が出来なくなり、そこを機にほころびが出てしまうという状況が後半は多く出てしまった。急に戦術を変えて、選手たちはそれを吸収して今日の試合に臨んだのですが、結果が出ればよかったのですが、FC東京という勢いのあるチームに対して、前半が精一杯だったのかなと思います。その45分間が今度は90分間続くように、また来週1週間トレーニングして行きたいと思います」