GAME RESULT試合結果

第3節 2012/3/24(土)
観衆 11,839人 
天候 晴、中 気温 12.4度 湿度 51% 
主審:山本 雄大 副審:中井 恒/作本 貴典 四審:村井 良輔

J1 第3節

ホームズ

HOME

ヴィッセル神戸

0-2

試合終了

前半0-1

後半0-1

AWAY

FC東京

ヴィッセル神戸 FC東京
得点者 32' 石川 直宏
90'+6 渡邉 千真
47' 北本 久仁衛 → 三原 雅俊
61' 吉田 孝行 → 都倉 賢
83' 橋本 英郎 → 小川 慶治朗
選手交代 46' 梶山 陽平 → 谷澤 達也
71' 羽生 直剛 → 渡邉 千真
77' 石川 直宏 → 椋原 健太
8 シュート 8
8 CK 2
22 FK 27
69' 都倉 賢
警告 56' 長谷川 アーリアジャスール
86' 長谷川 アーリアジャスール
退場 86' 長谷川 アーリアジャスール
ヴィッセル神戸先発
GK 30 徳重 健太
DF 2 近藤 岳登
DF 4 北本 久仁衛
DF 22 高木 和道
DF 3 相馬 崇人
MF 19 伊野波 雅彦
MF 18 田中 英雄
MF 8 野沢 拓也
MF 27 橋本 英郎
FW 17 吉田 孝行
FW 10 大久保 嘉人
ヴィッセル神戸控え
GK 1 植草 裕樹
DF 25 奥井 諒
MF 7 朴 康造
MF 24 三原 雅俊
FW 9 都倉 賢
FW 13 小川 慶治朗
FW 21 茂木 弘人
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 5 加賀 健一
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 18 石川 直宏
MF 10 梶山 陽平
MF 22 羽生 直剛
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 33 椋原 健太
MF 7 米本 拓司
MF 27 田邉 草民
MF 39 谷澤 達也
FW 11 渡邉 千真
FW 13 平山 相太

【選手・監督コメント】

総力を尽くし、自分たちのサッカーでリーグ3連勝をめざす一戦


 リーグ第3節は、アウェイでヴィッセル神戸と対戦。20日(火祝)ACL・蔚山現代戦では常に先行する形で2得点、試合を優位に進めながらも終了間際に追いつかれて悔しいドローに。そこから中3日で行われる今節は、連戦の3試合目となり、疲労もピークを迎えるが、チームの雰囲気は悪くない。蔚山戦で出た課題もチームとして修正を図り、「短い時間の中でも一歩でも前進し、成長することが大事(ポポヴィッチ監督)」と意識を高く持ち、自分たちのサッカーでリーグ開幕3連勝をめざす。

 対する神戸は、開幕から好調を維持し、現在リーグ2連勝中。今季はMF橋本、野沢、FW田代、DF高木、そしてDF伊野波らが移籍加入。外国籍選手は韓国籍選手のみとなったが、和田昌裕監督のもと、これまでに積み上げてきたスピーディで迫力のあるサッカーに、さらなる鋭さと緻密さを増している。ポポヴィッチ監督も「神戸は戦力も補強し、チームとしての変化を見せている。魅力的なサッカーをするとともに、『戦える』チーム。タフに戦える選手がそろっている」と警戒を強める。

 東京は、蔚山戦から先発メンバーを変更、ボランチには長谷川と高橋がコンビを組み、左右MFには羽生と石川、ルーカスがトップに入る布陣で臨むことに。長谷川は「相手対策よりも、自分たちのサッカーをしっかりと表現できることが重要。しかも前半の立ち上がりからやっていかなければいけない」と話し、連戦の疲労が残る中でも、90分間集中力を発揮して、ボールへのチャレンジとカバーを続けなければいけない。

 昨季の天皇杯では延長戦を制して東京が勝利。過去のリーグ戦では15戦負けなしと、「相性がよい」ともいえる相手だが、新しく生まれ変わった神戸に対してデータは関係がなくなるだろう。さまざまな局面と時間帯で、自分たちのサッカーを仕掛け、どれだけ上回ることができるか、ポポ・トーキョーの試金石ともなる一戦。総力を尽くして、リーグ3連勝をめざす。試合はホームズスタジアム神戸にて14時04分に神戸のキックオフで開始した。

カウンターから石川が難しいシュートを決めて先制! リードして折り返す


 東京が序盤から攻勢に出る。3分、相手陣内で羽生がインターセプト。後ろのルーカス→長谷川がCBの間を抜け出してエリアに入ったところでフリーでシュートしたが……勢いが弱く、GKにセーブされて絶好のチャンスを逃した…。5分にはくさびを受けたルーカスのポストから、エリア中央の羽生が強引にゴールに向き直りシュートしたが、枠外に。立ち上がりこそビッグチャンスを作るも、その後はともにコンパクトな布陣で奪い合う展開に。

 17分にはパスミスを奪われて東京陣内でつながれ、左サイドの神戸FW大久保が中に持ち出し、シュートを打たれたが、権田がセーブ。25分 徳永が右サイドを上がり、中へパス。受けたルーカスがダイレクトでシュートしたがGKセーブ。東京はDFラインではボールを回せるものの、なかなか前に運べず。反対に神戸にセカンドを拾われ続け、クロスから分厚い攻めを仕掛けられたが…最後のところでシュートは打たせなかった。

 すると32分、カウンターから右サイドを石川がドリブルで持ち上がり中央の梶山に。ここから左サイドにひらいていたルーカスに展開し、これをダイレクトで送ったクロスに、ファーの石川が飛び込み、角度のないところから突き刺してGOAL!! 狙いとする形からは、なかなかチャンスを作れなかったが、ショートカウンターから先制して前半のうちに1点をリードして折り返す。

退場者も出し我慢の時間が続いたが、渡邉の移籍後初ゴールも飛び出し3連勝を飾った


 後半から足の状態を考慮して梶山に代わり谷澤を右MFで投入。開始から神戸が攻め立てる。5分、神戸・左サイドからのFKは高橋がヘッドでクリアし、CKに。MF野沢の鋭い左CKのこぼれから、エリア内のMF田中に決定的なシュートを打たれたが枠外に。12分は神戸のロングフィードに合わせ、FW大久保に抜け出されるが、加賀が寄せ、森重がカバーして粘り強く抑えきった。17分には東京の裏を突いて左エリアに送られたパスにFW大久保が飛び出し、ここからのゴール前へのラストパスは、カバーに走った高橋がカットしてCKに逃れる。

 神戸のFW大久保を起点とした形とセットプレーを中心に、じわじわと攻め込まれる展開に。25分には羽生に代えて渡邉を投入。ルーカスがトップ下に入ることに。しかし神戸の勢いは止まらず、28分にはパスカットされ、神戸陣内からスピーディに仕掛けられる。ロングフィードをエリア中央のFW都倉がヘッドで落とし、右エリアのFW大久保に決定機を作られたが、加賀が粘り強く対応。コースを切ってシュートは枠外に。

 32分に疲れの見えてきた石川に代わって椋原を、そのままサイドハーフに投入。フレッシュな選手を投入するも流れは依然として神戸。東京はボールをつなぎ切れず、それでも集中して粘り強さを発揮してゴールを割らせない。86分には長谷川が2度目の警告を受け、退場に。残り時間を10人で戦うという絶体絶命の状況になるも、権田を中心にDF陣が我慢して相手の攻撃を跳ね返す。するとロスタイム6分には権田が前線へ蹴ったボールに、渡邉が相手と競り合いながらもヘッドで前に落として抜け出し、GKとの1対1を確実に決めて勝負あり。渡邉の移籍後初ゴールも飛び出しリーグ3連勝を飾った。 

 【選手コメント】《石川》「(ゴールについて)まずヨウヘイにパスを出したのは、あの時点で自分が突破を仕掛けるより、逆サイドで起点を作りたいと思ったから。ずっとルーカスが1トップで起点になっていて、その分サイドにスペースもあり、自分はストライカー的な役割もしなくてはいけないと考えていた。(点を取る意識は高い?)それも周りが活かしてくれているおかげ。その上で僕が決めなくちゃいけないという気持ち。

 一つのチャンス、少ないチャンスを活かすことになったが、その場面では人数もかけていた。数は多くはないが、ああいう形で相手の隙を逃さないことが、今後も必要になってくると思う。蔚山戦では終盤にやられたが、今日は長いロスタイムを含め、終わらせ方もこれまでの反省が活きていたのではないか。全体的には予想以上に相手がアグレッシブにきて、そこを受けに回った感じ。今後はそうではなく、すべての面で上回れるようにしていきたい」

 《森重》「試合が終わったときに、心から喜んでいる選手はいなかったと思う。結果的に勝ち点3を取れたことはよかったが、内容に関しては今季一番ダメな試合だった。中盤まで運んだときにもっとつないで…ということができず、相手に合わせたサッカーをしてしまった。自分たちのミスから、神戸のカウンターを受けるような展開にならなかったことはまだよかったのかもしれない。

 (序盤からかなり神戸に裏を狙われたが?)蔚山戦の反省があったので、そこは修正する意識があった。コミュニケーションを取りながら、よい距離感、よいバランスで守れたと思う。特に僕たちがリードしてから、相手が前から取りにきていたが、それに対して後ろの人数はしっかり合わせて、ヒデか誰かが落ちるという形にしていた。もう少しつなぐことができれば安定した戦いができると思う」

 【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「まず勝ったという結果に関しては満足しています。選手たちの諦めない姿勢・勝利に対する気持ちの部分にも満足しています。ただこれまでの試合と比べると内容では満足できない部分もあるし、本来の力から考えると100%満足はできない。それはもちろんタイトな日程も理由の一つに挙げられると思います。神戸は精度の高いカウンター攻撃を持っていたし、このような相手でも我慢して無失点に抑えられたことに満足していますし、決定的なチャンスは1回しか作らせなかったと思います。

 私たちはフェアプレイをやろうとしているのですが、それに対するリスペクトはないと感じました。みなさんも映像を見ていただくと分かると思いますが、相手の9番は毎回球際でファールをしていたのに、1枚しかカードを出されなかった。そして長谷川には2枚貰いました。みなさんにもこの試合をもう一度観ていただき、判断をして欲しいと思います。全体を見れば今日のレフリーのジャッジは良かったと思いますが、そのような部分を見直していくことが日本サッカー界の発展に繋がると思っています。フェアプレイについてもう一度みなさんで考えていく、何がフェアプレイで何がフェアプレイではないかを真摯に考えていきたい」

 【神戸・和田監督の会見要旨】「お疲れ様でした。まずは非常に見応えのあるゲームができたと思っています。本当にファン・サポーターの方々にいい雰囲気を作っていただき、後押しをしていただいた。選手も最後まで走り抜いたと思っています。そういう意味では非常に悔しい敗戦でした。ただチームが良くなってきているのが随所に見られたので、前向きに考えていきたいと思っています。このようなゲームは得点を取れるべきときに取っていないのが勝てなかった理由になっていくのかなと思います。

 前半は非常に良い時間帯があり、クリアされてもこちらが拾う2次攻撃・3次攻撃が見られましたし、後半は相手もリードしているということでカウンターを狙っていた。ウチが押し込んでいたが、リードしてからの戦い方はうまかったと感じています。ただ諦めずにまず1点を返そうと。そういう気持ちで選手たちも戦ってくれたことに選手を称えたいし感謝したいと思います。この敗戦は引きずらいないで次の試合にいい準備をしていきたいと思っています」