GAME RESULT試合結果

第10節 2012/5/06(日)
観衆 21,827人 
天候 晴、無 気温 13.4度 湿度 68% 
主審:村上 伸次 副審:武田 光晴/田中 利幸 四審:井上 知大

J1 第10節

東北電ス

HOME

アルビレックス新潟

0-2

試合終了

前半0-0

後半0-2

AWAY

FC東京

アルビレックス新潟 FC東京
得点者 51' 梶山 陽平
71' 谷澤 達也
60' 田中 亜土夢 → 矢野 貴章
60' 内田 潤 → 村上 佑介
75' ミシェウ → 平井 将生
選手交代 62' 羽生 直剛 → 石川 直宏
78' ルーカス → 渡邉 千真
90'+1 梶山 陽平 → 米本 拓司
3 シュート 8
5 CK 7
14 FK 14
83' 金 珍洙
警告 47' 椋原 健太
退場
アルビレックス新潟先発
GK 21 東口 順昭
DF 17 内田 潤
DF 4 鈴木 大輔
DF 5 石川 直樹
DF 19 金 珍洙
MF 36 菊地 直哉
MF 15 本間 勲
MF 6 三門 雄大
MF 23 田中 亜土夢
FW 11 ブルーノ ロペス
FW 10 ミシェウ
アルビレックス新潟控え
GK 30 小澤 英明
DF 3 大井 健太郎
DF 25 村上 佑介
MF 8 木暮 郁哉
MF 7 藤田 征也
FW 9 矢野 貴章
FW 14 平井 将生
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 33 椋原 健太
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 22 羽生 直剛
MF 10 梶山 陽平
MF 39 谷澤 達也
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 30 チャン ヒョンス
MF 7 米本 拓司
MF 17 河野 広貴
MF 18 石川 直宏
FW 11 渡邉 千真
FW 24 重松 健太郎

【選手・監督コメント】

連敗脱出に向けて、一丸となって勝利をめざす一戦


 リーグ第10節は、アウェイでアルビレックス新潟と対戦。5/2ACLブリスベン・ロアー戦では、今季初の4得点を挙げて勝利し、ラウンド16への進出を決めた。一方でリーグ戦では現在3連敗中。ACLと違い相手に分析・対策を練られて自分たちのサッカーが思い通りに行かない部分があるものの、連敗ストップに向けてブリスベン戦でみせたスピード感のあるパス回しや、果敢に挑む姿勢を失わずに臨みたい一戦。

 対する新潟は、現在2勝2分5敗で16位。順位こそ下位に位置するものの、前節広島戦は強固な守備から相手の隙を抜け目なく突いて勝利をつかんだ。ここまでの総失点は8。一方、総得点5はリーグ最少だが、もともと堅守からのカウンターを武器とし、「相手に支配されても割り切って、じれずに隙を突く戦い方。そこに迷いがない」と権田は話す。

 東京は、ブリスベン戦からメンバーを変更。チャン ヒョンスの代わりに徳永が入り右サイドには椋原が、左サイドには太田が復帰し1トップにはルーカスを置く布陣で臨むことに。ここのところ失点が続いているディフェンス面の修正、そして何より連敗中の3試合で1ゴールと、主導権を握っている中で、いかに得点を奪うかに焦点が当てられるゲームになる。

 リーグ戦の難しさ、また平山、大竹、田邉が負傷離脱しメンバー構成に難しさもあるが、なにより混戦のJ1リーグ。一つの局面、一つの勝負が勝敗を分けることになるはず。粘り強さと集中力を保ち、一丸となって勝利をめざしアウェイながら勝ち点3を得ることで、自信もつかみたい一戦。試合は雨は上がったものの肌寒さの残る東北電力ビッグスワンスタジアムにて19時04分に新潟のキックオフで開始された。

試合をコントロールするものの決定機は作れず、スコアレスで後半に


 前半開始から積極的に攻撃を仕掛けていく。3分、森重を起点に前に運び、太田の左クロスのクリアを高橋がつなぎ、梶山がグラウンダーのミドル。しかし枠外に。11分には、ルーカスが相手DFをチェイスして右サイドでボールを奪い、ニアにフォローした梶山に。ここは相手DFに競られて打ち切れなかったが、こぼれたボールに詰めた谷澤が正面からシュート。決定的だったが、新潟GKの好セーブにCKに逃れられた。

 新潟もカウンターから徐々に反撃を開始する。23分は新潟左MF田中がドリブルで仕掛け、徳永に対してファール気味に突っかける。そのまま試合は止まらず、左エリア角付近からシュートを打たれる。これがポストをかすめて跳ね返りCKに。28分にはドリブルで持ち込まれ、中央のFWミシェウから左のFWブルーノ ロペスに展開されるが、クロスはラインを割り、相手のミスに助けられ事なきを得る。

 その後も攻め込まれる場面を作られるも、権田を中心にゴールを割らせない。35分、左サイドで太田→梶山の大きなサイドチェンジから、右エリアに谷澤が抜け出すもシュートは打てず、右CKを得るにとどまる。さらにこのCKをショートでつなぎ、ニアの羽生がシュート態勢に入るがブロックされた。ほとんどの時間を相手陣内で進めたが、決定機は作れず。守備では集中を切らさず、相手にチャンスらしいチャンスはほとんど与えないまま後半へと折り返した

梶山の先制弾に続いて谷澤も加点し、無失点での勝利


 ハーフタイムにポポヴィッチ監督から「もっとシュートの意識を」と指示があり、それが後半開始早々に実を結ぶ。51分、徳永の縦パスをルーカスがキープ。その横をオーバーラップした椋原に渡り速いクロス。中央の梶山が相手DFが体をよせる中、ダイレクトでボレーシュートを放つと、ゴール左サイドネットに決まり先制する。ただしその後は新潟の反撃を許すことに。

 それでも最後の場面ではしっかりと体を張ってブロック。すると再度流れを掴み始め攻撃に転じる。59分には、高橋のクロスを梶山が右エリア手前で受けると、コントロールして右足で果敢に狙ったミドルは、DFとポストをかすめ……CKを得るにとどまった。62分には羽生に代わり石川を投入、さらに攻撃的に追加点を狙う。65分にはカウンターから太田→石川が前線に飛び出してスピーディなドリブルで仕掛けるが、相手DFも戻ってシュートまでは行けず。

 すると71分、相手陣内で右スローイン。椋原のロングスローから、右エリアのルーカスが相手と競り合い、相手DFの足元からこぼれたボールに、左エリアで反応した谷澤がきっちりと流し込んでゴール! 欲しかった追加点を奪うことに。その後もしっかりとした守備から攻撃的な姿勢は崩さず。86分には、谷澤の左FKから、前に飛び出した梶山が落とし、すぐ後ろの長谷川がシュートしたが枠外に。結局終始安定した試合運びで無失点で勝利し、連敗もストップした。

  【選手コメント】《梶山》「みんなが勝ちたいという気持ちをもっていたし、それを表現して戦えたと思う。前半は我慢をして、後半に2点を取れたことはよかった。(ゴールについて。リーグ戦初得点だが?)フリーだったので、ケンタのクロスにうまく合わせることができた。ずっと一緒にプレーしているので、ケンタのボールを決められてよかったな…と。インステップで抑えて逆サイドを狙ったが、当たりきらなかった(苦笑)。でも、いい角度でコロコロと転がって、反対によかったかな…。

 自分はトップ下なので、ゴールはもっと取らないといけないと思っている。監督からもずっと『シュートチャンスを逃すな』と言われていて、練習からシュートの意識を高くもって取り組もうとしているが、もっと『自分たちの形』を作っていきたい。今日もルーコンとのパス交換から、前に入っていくような場面を作れたが、そういう形をもっと増やしていきたい。

 《権田》「リーグでは3連敗していたが、間にACLが入っていたので、チームの雰囲気は悪くなかった。ブリスベン戦では主導権を握って、流れるような攻撃が仕掛けられていたので、個人的にもその流れを、リーグ戦のよい方向にもっていきたかった。今日はゲームを支配して、結果も伴った試合ができたと思う。これだけ支配してコントロールできたのは、初めてではないか。

 ただ、今日の試合を観てまた相手は研究をしてくるはず。特に札幌、ACL蔚山、鳥栖…と組織的なチームとの対戦が続く。今日、相手を崩せたから次も崩せるという保証はない。今日の勝利を次につなげるためにも、練習でもう一段階成長できるようにしていきたい。いまは戦績も『勝率五分プラス1勝』というだけ。本当に上位争いをしていくためには、ここから連勝していかなければいけないと思う。

 【ポポヴィッチ監督の会見全文】「今日は賢くクオリティの高い試合ができたと思っています。そしてこの試合が証明したように私たちはホームでもアウェイでも関係なく、試合開始から終了まで試合を支配することができるチームだと証明できたと思います。今日はゲームをしっかりコントロールして支配して攻め続け、点を取りにいく姿勢を見せることができたと思っていますし、結果を得るにふさわしいプレーができたと思います。さらに忘れていけないことは水曜日にACLのタフな試合があり、今日の試合とあわせて連続してクオリティの高い試合を見せることができた点は、さらに評価できることだと思いますし、今日戦ってくれた選手たちには感謝したいと思います。

 大切なことはこれを継続していくこと。みなさんにも考えていただきたいことは、結果だけで判断して欲しくないということ。3連敗中のときは連敗に関する質問が多かったのですが、サッカーのことを理解していただき、どのような方向性で進んでいるのか、これから先どのようなチームになっていくのかを考えて、そのような目でサッカーを見ていただきたいと思っています」

 【新潟・黒崎監督の会見要旨】「今日は本当にGWの中、サポーターがたくさん駆けつけてくれたのに、このような結果というのは非常に悔しいですし、自分の力が足りなかったと申し訳ない気持ちでいっぱいです。ゲームプラン、戦い方のところでウチはしっかりとブロックを作って、カウンターから早い攻撃を仕掛けていくことは前半はできた。後半に入ってあの時間帯に得点を奪われて非常に厳しくなった。そういった中でもシステムを変えたりして点を取りにいったが2点目を奪われたことが非常に大きかった。

 あのようなところでのミスを減らさなければ、なかなかリーグ戦で勝っていくことは難しい。今の現状では2得点、3得点することは難しい部分もある。1失点でもしっかりと粘り強く戦って、同点、その次に繋いでいければ可能性はあったと思います。今日は2点目が大きなポイントであったと思います」