GAME RESULT試合結果

第9節 2012/6/27(水)
観衆 25,813人 
天候 晴、弱 気温 21.2度 湿度 62% 
主審:村上 伸次 副審:岡野 宇広/数原 武志 四審:青山 健太

J1 第9節

国立

HOME

FC東京

0-1

試合終了

前半0-1

後半0-0

AWAY

柏レイソル

FC東京 柏レイソル
得点者 45'+1 増嶋 竜也
72' 田邉 草民 → 渡邉 千真
72' 谷澤 達也 → 河野 広貴
90'+2 長谷川 アーリアジャスール → 幸野 志有人
選手交代 81' 澤 昌克 → 茨田 陽生
84' 工藤 壮人 → 田中 順也
8 シュート 7
3 CK 7
23 FK 21
54' 米本 拓司
89' 河野 広貴
警告 60' ジョルジ ワグネル
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 5 加賀 健一
DF 3 森重 真人
DF 33 椋原 健太
MF 4 高橋 秀人
MF 7 米本 拓司
MF 39 谷澤 達也
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 27 田邉 草民
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 14 中村 北斗
DF 30 チャン ヒョンス
MF 17 河野 広貴
MF 28 幸野 志有人
FW 11 渡邉 千真
FW 24 重松 健太郎
柏レイソル先発
GK 21 菅野 孝憲
DF 4 酒井 宏樹
DF 5 増嶋 竜也
DF 3 近藤 直也
DF 6 那須 大亮
MF 10 レアンドロ ドミンゲス
MF 28 栗澤 僚一
MF 7 大谷 秀和
MF 15 ジョルジ ワグネル
FW 19 工藤 壮人
FW 8 澤 昌克
柏レイソル控え
GK 16 稲田 康志
DF 14 クォン ハンジン
MF 30 山中 亮輔
MF 20 茨田 陽生
MF 29 水野 晃樹
FW 11 林 陵平
FW 18 田中 順也

【選手・監督コメント】

ゼロックススーパー杯以来の対戦、昨季の王者・柏を迎え撃つ


 ACLのため順延されていたリーグ第9節が開催。ホームを国立競技場に移し、柏レイソルを迎え撃つ。前節はC大阪のカウンターに苦しみながらも無失点に抑え、長谷川、ルーカスの得点で勝利を収め、順位も5位に浮上。一勝の重みを感じる結果となったが、混戦の上位争いにくらいついていくためにも今節は負けられない一戦。連勝をめざすと同時に、3月3日富士ゼロックススーパー杯の雪辱も晴らしたい。

 ただし、前節右足ふくらはぎを傷めた梶山が欠場。一方、足首に負傷を抱えていた塩田は復帰。前節途中退場した長谷川は別メニューで過ごす時間もあったが大事には至らず、スタメンに。ボランチの一角には米本を先発起用し、ルーカスがトップを、長谷川がトップ下、谷澤と田邉が両サイドを務める布陣で臨むことになった。また幸野が初のベンチ入り。

 対する柏は、現在勝ち点21で11位に。昨季の王者は、今シーズン序盤は噛み合わないゲームもあり、ACLも東京と同様のラウンド16で敗退した。だが、MFレアンドロ ドミンゲスとジョルジ ワグネルのコンディションが上がるにつれ、戦績もアップ。直近のリーグ戦では5戦負けなしと上り調子のようだ。

 特に柏の攻撃力、特にカウンターの鋭さに対しては、90分間を通した集中力が求められるが、東京がボールを支配し、柏を守備に回らせることで対抗したいところ。攻撃のスピーディさ、攻守の切り替えの早さもこれまで以上に求められることになるが、積極的な戦いで勝利をもぎ取りたい。梅雨の合間、よく晴れた国立にて試合は19時4分にて柏のキックオフでスタートした。

互いに持ち味を活かしてチャンスを作るが、前半終了間際に痛恨の失点


 序盤は拮抗した展開になった。開始直後は東京がボールを保持し、パスをつないでチャンスをうかがったが、柏も落ち着いた守備から前線のFW工藤にボールを送り、反撃。互いに持ち味を活かす形になったが、徐々に東京がリズムをつかんだ。

 20分には米本がカウンターを仕掛け、田邉が左エリアに進入。ラストパスをゴール前に送る。22分には谷澤がミドル。26分には森重がFKを直接狙う。28分には自陣からスピーディに仕掛け、谷澤のサイドチェンジから椋原がシュート。続いて谷澤が右前線に突破を図り、マイナスのクロスがゴール正面の田邉の足元に渡る。だが、ここでコントロール仕切れず。30分には相手DFをチェイスしたルーカスがゴールライン際で奪い切り、正面でフリーの長谷川に。だが長谷川の決定的なシュートは、柏DFにブロックされる……。

 東京は思い切りのよい展開でチャンスを作ったものの、決めきれず。柏も鋭いカウンターを仕掛け、緊迫した攻防に。それでも森重を中心に慌てずに守り、スコアレスのまま前半を終了するかに見えた。だが迎えた前半ロスタイム、東京陣内・左寄りの位置で柏にFKを与えると、MFジョルジ ワグネルが前線に送ったキックから、ファーのDF近藤が右足でシュート。一度は権田がセーブするが、こぼれを柏DF増嶋に詰められ……。ここまで集中していただけに悔しい失点を喫し、リードを許して後半に折り返した。

1失点が重くのしかかり、反撃も実らず……


 反撃に臨んだ後半、立ち上がりには勢いのある攻撃を仕掛けた。47分、エリア付近の混戦からルーズになったボールを田邉が奪い、ドリブルでエリアに突進。柏DFをかわしてシュートに持ち込もうとした。だがスライディングを受け、体勢を立て直したものの打ち切ることができなかった。52分には柏の右CKからDF近藤のヘディングがネットを揺らすが、その直前に柏のファールがあり、ノーゴールに。

 互いにスピーディに仕掛け、攻め合う展開になったが、徐々に東京のパスミスから逆襲をくらう場面も増え出した。56分には柏・右サイドバックの酒井のインターセプトから逆襲をくらう。DF酒井のクロスは森重が身体を投げ出してクリアしたが、こぼれから中央の柏MFレアンドロ ドミンゲスがシュート。しかし枠を外れてピンチを免れた。60分には長谷川→椋原が左エリアまで進入。ゴール前にラストパスを送ったが、中央のルーカスは相手DFともつれ込み、フィニッシュには持ち込めなかった。

 72分には田邉と谷澤に代えて、渡邉と河野を投入。渡邉がトップに、ルーカスがトップ下、河野が右サイド、長谷川が左サイドに回り、総力を尽くして反撃に臨んだ。74分、長谷川のドリブルから右サイドに展開し、徳永→長谷川→右エリアに米本が攻め上がるが、ラストのクロスはゴール前を横切った。80分にはDFラインからのロングパスに合わせて渡邉が前線に抜け出し、前に向き直ってシュートしたが……バーを越え……。

 88分には河野がドリブルで起点を作り、右に展開。徳永がクロスを入れたが、ニアの渡邉、ルーカス、長谷川には合わず、ファーに流れる。柏の迫力のあるセットプレーやカウンターに対しては身体を張って追加点は許さなかったものの、攻撃では最後の精度を欠いて無得点に。結果的に1失点が重くのしかかり、悔しい敗戦を喫した。

 【選手コメント】《米本》「セットプレーで失点してしまったことに悔いが残るし、すごく悔しい敗戦になった。個人的には久しぶりの90分間の出場だったが、思ったより走れたし、守備の面ではある程度できたと思う。けれども東京の生命線は『パス』。そこにもっと関わらなければいけなかったし、それができないから今日の結果になったと思う。自分たちのサッカーを貫いて点を取って、勝ちたい」

 《高橋》「上位にいるためには1勝ではなく、連勝が必要。それができずに残念。全体的な内容としては、横浜FM戦のようにすべて押し込まれたわけではなく、悲観するほどではないとは思う。ただ柏のように王者になるにはそれなりの理由があるはずで、今日もファールからのリスタートを中心として賢く戦われてしまった」

 【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「自分たちの方がよりサッカーをしたと思うが、勝ったのは柏。このような結果なので満足とは言えないし、柏にはおめでとうと言いたい。我々と、相手の選手に対してレフェリングの基準が同じではないのではないかと思う場面があった。もちろんレフェリングが試合結果に影響したということは全くないが、試合のリズムには影響したのではないかと思う。

 ただ、失点した場面に関しては自分たちの甘さだと認識している。それでも、故障者が多く出ているチーム状況で、今日ピッチに立った全員が力を出し切ってくれた。今日の試合を観て、そこまで主軸選手が欠けていたとは感じなかったはず。選手が欠けても、自分たちがやるべきことは示すことができたと思っている。だからこそ、結果は出せなかったが、昨季のチャンピオンと互角に戦えたことに対して『よくやった』と言いたい。

 (米本・高橋選手がよくボールを奪って試合をコントロールしたが、長谷川・ルーカスに繋げるところでうまくいかなかったが?)自分たちのミスもあったし、もちろん柏も良いプレッシャーをかけてきていた。ただミスを犯しながらも、怯むことなく怖がらずに前に出て行ったのは我々のチームだと認識しているし、主導権を握ろうとする姿を見せた。前半ロスタイムに失点をすると、後半にメンタルが落ちるチームが多い中でも、私たちは最後の最後までそのような姿を見せなかったし、逆転しようと勇気を持ってリスクを負って前に出続けた。今日の試合で一つ残念だったことは、結果が出せなかったことだけ。自分たちがやるべきことを信じて、引き続き、質を積み上げていくことを考えたい」

 【柏・ネルシーニョ監督の会見要旨】「大事なゲームと自覚して臨んだが、選手たちはチームとしての戦術を最初から最後までしっかり遂行し続けてくれた。勝ちたいという強い気持ちがそのままプレーに出て、スコアこそ1対0だったが、90分間落ち着いたゲーム運びができたと思う。今日はとにかく勝つことで上位に迫ることができる非常に大事なゲームだったので、良い結果が得られて満足している。

 前半は拮抗したゲームだったと思うが、途中からは判定のところで影響があったと思う。プレーが寸断され、止まるシーンが多くなり、そこでレイソルに分が悪くなり、どちらかというと東京がうまく流れを引き寄せたのではないか。私たちは前半も後半も、陣形やバランスを崩すことなく良いゲームができたし、ゲームをコントロールしていたと思う」