GAME RESULT試合結果

第27節 2012/9/29(土)
観衆 22,165人 
天候 晴、弱 気温 28.1度 湿度 55% 
主審:佐藤 隆治 副審:八木 あかね/唐紙 学志 四審:中原 美智雄

J1 第27節

味スタ

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半0-1

後半2-0

AWAY

ジュビロ磐田

FC東京 ジュビロ磐田
54' エジミウソン
85' ネマニャ ヴチチェヴィッチ
得点者 09' 菅沼 実
46' 米本 拓司 → ネマニャ ヴチチェヴィッチ
62' 梶山 陽平 → チャン ヒョンス
80' エジミウソン → 渡邉 千真
選手交代 66' 松浦 拓弥 → 山崎 亮平
70' 菅沼 実 → 阿部 吉朗
83' 小林 裕紀 → 小林 祐希
13 シュート 11
3 CK 3
21 FK 17
警告 77' 八田 直樹
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 4 高橋 秀人
DF 33 椋原 健太
MF 7 米本 拓司
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 18 石川 直宏
MF 10 梶山 陽平
MF 49 ルーカス
FW 9 エジミウソン
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 16 丸山 祐市
DF 30 チャン ヒョンス
MF 22 羽生 直剛
MF 27 田邉 草民
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
FW 11 渡邉 千真
ジュビロ磐田先発
GK 21 八田 直樹
DF 5 駒野 友一
DF 13 宮崎 智彦
DF 22 菅沼 駿哉
DF 33 藤田 義明
MF 6 ロドリゴ ソウト
MF 7 小林 裕紀
MF 10 山田 大記
MF 11 松浦 拓弥
MF 15 菅沼 実
FW 18 前田 遼一
ジュビロ磐田控え
GK 31 竹重 安希彦
DF 4 千代反田 充
DF 20 山本 脩斗
DF 24 チョ ビョングク
MF 50 小林 祐希
FW 9 山崎 亮平
FW 30 阿部 吉朗

【選手・監督コメント】

ホームで連敗は許されない、磐田に走り勝て勝利をめざす


 リーグ第27節が開催。前節に引き続きホームにて、ジュビロ磐田を迎え撃つ。川崎戦は後半立ち上がりの2失点が響き、敗戦。前半は川崎を圧倒していただけに、ダメージは大きかったといえるだろう。それでも下を向いている時間はない。高橋は「内容と結果は、切り離されるものではない。よい内容でよい結果を求めることに向けて、自分たちを信じてやり続けるしかない」とさらなる決意を話し、今節こそはホームでの勝利をめざす。

 対する磐田は、現在勝ち点42で4位につける。そして総得点は『51』と、G大阪に次いでリーグ2位。その攻撃力は驚異だ。中でも日本代表のFW前田と、右サイドバックのDF駒野との“ホットライン”は、磐田の最大の武器。しかしながら右サイドを起点にするだけでなく、MF山田らのインサイドへの動きやセットプレーからもゴールを重ね、多彩な得点パターンをもつ。

 また、豊富な運動量をベースにした前線からのプレスも磐田の特長の一つ。それをかわして、いかに主導権を握り、自分たちのリズムに持ち込めるかが勝利のカギになる。たとえ磐田にボールを持たれたとしても、粘り強く守り、フィニッシュに持ち込ませなければ相手に焦りが生まれるはず。球際や走ることで競り負けず、よい守備から攻撃につなげ、競り勝ちたい。

 東京は、椋原が9月5日以来、3試合ぶりのスタメンで左サイドバックに。FWエジミウソンも先発に名を連ね、ルーカスが左サイドの布陣。またケガから復帰したチャン ヒョンスも6月30日以来にベンチ入りを果たした。よく晴れ、強い陽射しに暑さを感じる味スタ。試合は14時4分に磐田のキックオフでスタートした。

立ち上がりに先制を許し、磐田のプレスに苦しむ


 開始直後にチャンスをつくったのは東京。5分、スピーディに前線に運び、右サイドの石川が中央へ速いパス。中央を上がった梶山がワントラップでコントロールし、ボレーを放ったがGK正面を突いた。6分には米本のが攻め上がりから右サイドでFKを得る。これをルーカスがヘッドで合わせたが、枠外に。

 立ち上がりは押し気味に進めたが、7分には磐田のDFラインからのロングパスに合わせて、FW前田がオフサイドラインをかいくぐって右エリアに。これは東京DFがすぐに抑えたが、右サイドにつながれ、クロスからMF松浦がヘディング。DFのこぼれから再び磐田DF宮崎にシュートを狙われた。続く9分には、中央のMF菅沼実→MF松浦→右のMF山田が東京DFの裏にふわりとしたクロスを入れられる。これに合わせて左エリアに飛び出したMF菅沼実を東京DFが見失い、フリーでヘディングシュートを決められ……早くも先制を許した。

 これを機に勢いに乗る磐田。その厳しいプレスの前に、東京は自陣でボールを保持しても前につなぐことができなくなった。それでも26分には徳永が、前のエジミウソンに当てて強引にエリアに切り込み、CKを奪う。石川の蹴った右CKから、高橋が低い姿勢のヘッドを放ったが、ポストをヒット…。跳ね返りからルーカスが放ったシュートもブロックされてしまう。

 35分にはオーバーラップした磐田DF駒野が中に持ち込み、シュートを打たれたが権田がキャッチ。38分には中盤で米本がプレスをかけられて奪われ、一気FW前田に右エリアに抜け出され、シュート体勢に入られるが至近距離で森重がブロック。FW前田の前線への飛び出しに対しては、DFラインを上げてオフサイドにかけてピンチをしのぎ、追加点こそ与えなかったが、流れの中ではチャンスを作れなかった。前半ロスタイムには石川の突破からFK、続いて左CKを得て、ニアのルーカスが鋭いヘディングを放つが、GKの素早い反応にセーブされ……。セットプレーの好機は磐田に守り切られ、1点のビハインドを負って後半へ折り返すことになった。

ヴチチェヴィッチがスイッチを入れ、2得点を奪って逆転勝利!


 東京は後半からネマニャ ヴチチェヴィッチを投入。石川が左サイドに回り、ルーカスとエジミウソンの2トップに近い形で反撃に臨むことに。これが奏功し、ヴチチェヴィッチがスイッチを入れる形でスピード感のある攻撃で立て続けにチャンスをつくった。46分、エジミウソンが左サイドから中に切り込み、ゴール前のルーカスが狙う。47分には、エリア手前中央のヴチチェヴィッチがトラップから鋭い反転シュート。48分には梶山が左前線に抜け出してFKを得ると、石川が短く出し、中寄りのヴチチェヴィッチがクロス。ニアの長谷川がヘディングを放つ。

 迎えた54分、長谷川の展開から、石川が左前線を突き、内側を攻め上がったヴチチェヴィッチがエリア内でシュートを放つ。これはGKにセーブされたが、こぼれに詰めたエジミウソンが右足で決めてゴール。スピーディなコンビネーションプレーで同点に追い付いた。

 その後は互いに勝ち越しをめざし、攻守の切り替えが早い慌ただしい展開に。57分には磐田・DF駒野の右クロスがどんぴしゃでゴール前のFW前田に渡り、ヘディングがネットを揺らすが…これはオフサイドに。60分には石川がドリブルで左サイドを駆け上がり、対面した相手DFを押し込み、強引にシュートを放ったが、ニアを狙ったボールはポストをヒット……。

 62分には梶山に代わってチャン ヒョンスがセンターバックに入り、高橋がボランチに。磐田も攻撃的な選手交代を使い、76分には磐田・右エリアに抜け出したFW阿部が東京DFを引き付けて、ファーでフリーのFW山崎へ。決定的な形を作られたが、シュートは徳永がブロックし、ピンチを免れた。。緊迫した攻防の中、どちらにもチャンスがあったが、80分には渡邉を投入。足が止まり始めた磐田に対して、前線の圧力を増してさらにゴールに向かう。

 そして85分、自陣からパスをつなぎ、中盤の長谷川が右エリア手前の渡邉に縦パスを送る。渡邉は巧みなヒールのトラップで相手DFを抜き去り、ゴールライン際まで持ち込むと中央へマイナスのクロス。ゴール前のルーカスがDFを引き付け、後ろに空いたスペースにヴチチェヴィッチがどんぴしゃで走りこみ、冷静に強烈なシュートを突き刺し、GOAL!! その後、5分のロスタイムを含めて全員が走り抜き、磐田の反撃を抑えてタイムアップ。交代も機能し、後半に2得点を奪って逆転勝利を果たした。

 【選手コメント】《エジミウソン》「自分がゴールを決めて、そして逆転してチームが勝つことができた。それが一番うれしい。今日は先発とは思っていなかったが、いつでも準備はしていたので、開始のときには何も問題なかったと思う。大事なことはチャンスが来たときに、力を出すこと。ただ、自分の得点だけでなく、守備陣を含めてみんなで頑張って掴み取った勝利だと思う」

 《ネマニャ ヴチチェヴィッチ》「ここ何試合か、よいプレーをしてもなかなか結果が付いてこず、それに対して自分も責任とプレッシャーを感じていた。サッカーは結果が大事。今日も前半は磐田がよいプレーをして、我々は苦しめられたが、後半は本来の姿を取り戻して戦うことができたのではないか。それが逆転につながったと思うし、そこに自分も貢献することができてよかった。(自身のゴールについて)渡邉選手がすばらしいボールを送ってくれた。彼も攻撃の選手で結果がほしいはずだったが、今回は僕にアシストをしてくれた。そしてああいうシーンで一番大事なことは、冷静になること。それがすべてと言ってもよい」

 【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「前半と後半で違った姿を見せてしまった。ただ、試合内容はみなさんに喜んでもらえるような、両チームともにオープンで攻撃的だったと思う。前半はいつもと比べると動きが鈍く固かった。なぜかは分からないのですが、後手に回ることが多かった。相手がとても良く我々より上回ったと言うよりは、私たちの動きが固かった前半だった。

 前節は非常に良い試合の入り方をして、前節の前半のようなプレーができれば問題ないと思っていたが、このような前半になってしまったので、ハーフタイムには「固くなるな。いつもやっている通り、リラックスしてやってきたことをやる。自分の力を信じて出し切ってくれ」と話した。後半開始からはネマニャを入れて、最終的に試合をひっくり返して勝利を収めることができたが、そこに至るまで選手全員が諦めずに戦い、後半は自分たちがやれることをそれぞれがやり切った結果だと思う」

 【磐田・森下監督の会見要旨】「アウェイにも関わらず2,000人近いサポーターに来ていただき、後押ししていただいた。ゲームに関しては、選手は非常に良いプレーをしてくれたと思うし、このような経験を次の試合に活かせるように団結して、より高いところを目指していきたい」