GAME RESULT試合結果
第28節 2012/10/06(土)
観衆 15,118人
天候 雨、無 気温 24.6度 湿度 83%
主審:岡部 拓人 副審:原田 昌彦/武田 光晴 四審:岡野 宇広
J1 第28節
カシマ
5-1
試合終了
前半2-0
後半3-1
鹿島アントラーズ | FC東京 | |
---|---|---|
18' ドゥトラ 38' 柴崎 岳 69' 遠藤 康 71' ドゥトラ 87' ドゥトラ |
得点者 |
83' 高橋 秀人 |
78' 大迫 勇也 → 興梠 慎三 80' 新井場 徹 → 昌子 源 86' レナト → 本山 雅志 |
選手交代 |
35' 羽生 直剛 → 米本 拓司 57' 渡邉 千真 → エジミウソン 63' チャン ヒョンス → ネマニャ ヴチチェヴィッチ |
22 | シュート | 15 |
6 | CK | 10 |
9 | FK | 11 |
警告 | ||
退場 |
GK | 21 | 曽ヶ端 準 |
DF | 22 | 西 大伍 |
DF | 3 | 岩政 大樹 |
DF | 15 | 青木 剛 |
DF | 7 | 新井場 徹 |
MF | 20 | 柴崎 岳 |
MF | 40 | 小笠原 満男 |
MF | 25 | 遠藤 康 |
MF | 33 | レナト |
MF | 11 | ドゥトラ |
FW | 9 | 大迫 勇也 |
GK | 1 | 佐藤 昭大 |
DF | 23 | 昌子 源 |
MF | 10 | 本山 雅志 |
MF | 14 | 増田 誓志 |
MF | 16 | 本田 拓也 |
FW | 8 | ジュニーニョ |
FW | 13 | 興梠 慎三 |
GK | 20 | 権田 修一 |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 4 | 高橋 秀人 |
DF | 30 | チャン ヒョンス |
MF | 8 | 長谷川 アーリアジャスール |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 49 | ルーカス |
MF | 22 | 羽生 直剛 |
FW | 11 | 渡邉 千真 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 14 | 中村 北斗 |
DF | 33 | 椋原 健太 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 27 | 田邉 草民 |
MF | 32 | ネマニャ ヴチチェヴィッチ |
FW | 9 | エジミウソン |
【選手・監督コメント】
上位争いに加わるためにも連勝を目指す!
リーグ第28節は、アウェイで鹿島アントラーズと対戦。前節磐田戦は、後半に流れを引き寄せて逆転勝利を果たした。90分間をとおして主導権を握り、勝ちきることが本来の目指すべきサッカーではあるが、交代選手を含めて個々に走り負けず、どういう状況であってもやるべきことを判断し、流れを見極めたプレーはできつつある。今日はその真価が試される一戦でもあるが、さらに質の高いサッカーで上回ることを目指し、勝つことにこだわっていきたい。
対する鹿島は、現在勝ち点34で13位につける。前節G大阪戦は、終了間際に同点にこそ追いつかれたものの、FW大迫を1トップ、MFレナトをトップ下に配する布陣が機能。終始G大阪に対して優位に立って2得点をマーク。今節はMF小笠原と柴崎がダブルボランチを務める4-5-1の布陣に。直近の4試合では1勝2分1敗と、いまひとつ調子が上がり切れていないようだが、その地力は誰しも認めるところだろう。
東京は、前節からメンバーを変えてきた。1トップに渡邉、左サイドバックにチャン ヒョンスを起用。また梶山がボランチを務め、トップ下にルーカス、両サイドに石川と羽生の布陣で臨むことに。特に攻撃では、リズムをつかんだときに、決めきることができるかがポイントに。単調なパス回しに終わらせず、変化をつけていきたい。動きのあるポジショニング、素早い判断が重要になるが、長谷川や石川、ルーカスを起点に前線の流動性を増して、東京が相手の隙を突きたい。
過去の対戦成績では東京の5勝5分13敗と分が悪く、アウェイ・カシマでは、リーグ戦では2007年に挙げた1勝のみ。局面での駆け引きにすぐれ、勝ち方を知っている試合巧者でもあるため、難敵であることは間違いない。それでもポポヴィッチ監督は「過去は取り戻せないが、ここからの未来は変えていくことができる。それをモチベーションとして、成功を追い求めていきたい」と決意を込める。試合は県立カシマサッカースタジアムにて15時03分に東京のキックオフで開始された。
鹿島の勢いを止められず、2点のリードを許し前半を終える
立ち上がりから互いに主導権を握ろうとし、一進一退の展開が続く。5分には森重の攻め上がりから、徳永→梶山が左前線まで攻め上がり、CKを奪う。この石川の左CKから、森重がどんぴしゃのヘッドを放ったがGK正面に。9分は鹿島・右MF遠藤が鋭いミドルを放つ。権田の手をかすめてバーをヒットし、CKを与えたが守り切る。小雨が降るスリッピーなピッチのため、なかなかボールが収まらず、互いにパスが繋がらない。
だが鹿島は集中した守備から攻撃への切り替えが早く、徐々に精度の高いカウンターから東京を押し込みはじめる。すると18分、鹿島・東京陣内での右スローインから、東京が一瞬、足を止めた隙を突かれることに。鹿島MF柴崎に右前線に走り込まれ、GKとDFの間に鋭いグラウンダーのクロスを入れられる。権田がギリギリのところで片手でセーブするが、こぼれを左エリアすぐ手前のMFドゥトラに決められ先制を許す。
反撃に出たい東京であったが、流れは変わらず。特に鹿島MFレナトとFW大迫のキープ力を活かし、2列目からの飛び出しに付いていけず、決定機を作られる。33分にはMFドゥトラに決定的なシュートを打たれたが、バーを越えてピンチを免れた。35分、足を痛めた羽生に代わり米本を投入。梶山がトップ下に。ルーカスが1トップ、渡邉がサイドに回る布陣に。
しかし38分にはカウンターから、フリーでエリア内に進入したMF柴崎に決められ追加点を与えてしまう。その後前半終盤に相手が疲れてきたところで、ルーカスが立て続けにシュートを放つも得点を奪えず。2点のリードを許して前半終了。
高橋がJ1初ゴールを決めるも、カウンターから失点を重ね敗戦
後半開始から東京は積極的に攻撃に出る。46分には石川、渡邉のコンビネーションからエリアに攻め込み、ラストは徳永の右クロスを、中央のルーカスが胸トラップしてシュートするもGK正面に。57分、1度はボールをカットされるが、そこからの鹿島のパスがミスになり、エリア内でフリーの石川もとにこぼれる。決定的な形になったが、反転して狙ったシュートはバーを越える。
直後に渡邉に代えてエジミウソンを投入。さらに63分にはチャン ヒョンスに代わりネマニャ ヴチチェヴィッチがイン。立て続けに攻撃的な選手を投入、DFラインは3バックにし、ルーカスとエジミウソンの2トップ、ヴチチェヴィッチと石川がサイドに。67分には梶山のパスからネマニャがエリアを突くが、DFに阻まれる。しかしこぼれを奪ったエジミウソンがルーカスとワンツーをかわして再びエリア内に進入しようとするもパスは通らず。
東京は完全に前掛りとなり、相手を押し込む場面が増え始める。しかし69分、試合巧者の鹿島はここぞという時を見逃さず。クリアを拾われMF遠藤にMFレナトとの連携から裏に抜け出されて3失点目。71分には鹿島に中央突破を図られ、ゴール前で東京DFを引き付けたFW大迫の短いパスから、MFドゥトラにシュートを突き刺され…。連続失点で4点差に。
攻めるしかなくなった東京は83分、長谷川が攻め上がり、右の石川に展開。右クロスからCKを得る。この右CKを石川がショートで出し、米本がクロス。これをエジミウソンが足元で受け、反転して狙ったシュートをファーの高橋が角度を変えるように流し込みゴール。高橋の今季初およびJ1初となる得点で1点を返すも時すでに遅く。さらに鹿島に加点されて終わってみれば大量5失点の完敗。連勝は叶わなかった。
【選手コメント】《高橋》「鹿島の枠内シュートがすべて決まってしまった…という気がする。僕たちは、誰が寄せるのかあいまいになっていた部分もあるし、鹿島のDFの背後を突く動きや、予備動作をしてからの動き直しが巧みで、その結果、フリーにさせてしまった。またブロックを作ってから仕掛けるカウンターも鋭いし、自信をもってドリブルで仕掛けてきた。それに対して受け身に回ってしまったことが残念。自分のパフォーマンスもよくなかったが、個々の能力を含め、鹿島の巧さと強さは考えていた以上だった。僕たちとは全然違うものがある…」
《長谷川》「やられてしまった…。僕たちも点を取りたい気持ちがあり、前に出ていったときに、鹿島のカウンターから失点を重ねた。前半に2失点してしまったことも痛かったが、後半、取り返しにいったところで、さらに失点してゲームが難しくなった。上をめざすチームであれば、5失点はしてはいけない。たとえ負けたにしても、1対2や1対3で終わらせなければいけなかった。仙台戦で4失点をしたが、今日ももっと踏ん張ることが必要だったし、最後にはみんながバラバラになった気もする。ここからもう一度、まとまらなければいけないし、ナビスコに向けて立て直していきたい」
【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「本当に後味の悪い結果になってしまいました。5対1という結果を見れば、相手におめでとうと言うしかありませんし、それにふさわしいプレーをしたと思います。試合を振り返ってみると相手のやること全てがうまくいった。逆にウチはやりたいことがうまくいかなかった試合だったと思います。細かい局面でボールがこちらに転がっていれば、また先に得点を奪えていたら状況は変わっていたかもしれませんが、今日はそのようにならなかった。やりたいことができませんでした。ただ試合の中でこちらの時間帯もあったし、そこで得点を奪えていれば違った展開になったかもしれません。その時間帯に相手に決められてしまったゲームだったと思います。
(不慣れな左サイドバックで出場したヒョンスの評価?)不慣れなポジションと言われましたが、慣れているポジションはどこですか?右サイドであってもセンターでも左でも、自分は関係ないと思っています。次の試合でも彼の力は必要になると思います。その試合でいきなりセンターバックをやることは、試合勘の面でも問題があるということもありました。ここで一度、使った方が次の試合でも入りやすいと考えて、今日の起用になりました。ただ、東京の選手であるならば、ポジションが10m右でも中央でも左でも、プレーする質が変わってはいけない。自分の力をいつも通り見せなければいけないと思っています」
【鹿島・ジョルジーニョ監督の会見要旨】「前節から新たなシステムになりましたが、前節でも手応えがありましたしプラスに感じるところがあった。MF遠藤が入ることによって、相手陣内でボールを持つ時間ができますしタメができます。私が求めたことはチームの守備の安定性。それと守から攻への切り替えを早くして、攻撃力を増すことを狙いとしてやってきたので、それがうまくいったのではないかと。MFレナトも親しんでいるポジションでやることによって、さらに力を発揮できる状況になりました。特に攻撃陣に対するスルーパスの精度や広い視野を活用することができるようになったと思います。
一番重要なことは、得点をしたとか機能したということよりも、気持ちの部分のところではないかと思います。選手一人ひとりが自分のプレーや仲間のプレーに対する責任を発揮しようという気持ちが出ていたし、伝わったと思います。このクラブ・チームの一員には、勝利に対する責務があります。それを全員が発揮するために気持ちを入れてプレーしなければ達成できないということを、ずっと話をしてきました。以前も気持ちの入った試合ではこのように強いチームに変貌しましたし、それが本来持っている力であって、あとはそれを継続できるかが課題になると思います」