GAME RESULT試合結果

第32節 2013/11/23(土)
観衆 21,648人 
天候 晴、弱 気温 13.1度 湿度 45% 
主審:佐藤 隆治 副審:安元 利充/田中 利幸 四審:竹田 和雄

J1 第32節

味スタ

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半0-0

後半2-1

AWAY

湘南ベルマーレ

FC東京 湘南ベルマーレ
68' チャン ヒョンス
90'+2 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
得点者 66' 高山 薫
67' 三田 啓貴 → 高橋 秀人
70' 渡邉 千真 → 平山 相太
88' ルーカス → ネマニャ ヴチチェヴィッチ
選手交代 59' 武富 孝介 → 亀川 諒史
79' 鎌田 翔雅 → 梶川 諒太
79' 菊池 大介 → ステボ
14 シュート 9
3 CK 4
16 FK 14
90'+3 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
警告 60' 菊池 大介
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 30 チャン ヒョンス
DF 6 太田 宏介
MF 7 米本 拓司
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 36 三田 啓貴
MF 38 東 慶悟
MF 49 ルーカス
FW 9 渡邉 千真
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 5 加賀 健一
DF 14 中村 北斗
MF 4 高橋 秀人
MF 18 石川 直宏
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
FW 13 平山 相太
湘南ベルマーレ先発
GK 38 アレックス サンターナ
DF 2 鎌田 翔雅
DF 22 大野 和成
DF 30 島村 毅
MF 5 古林 将太
MF 7 ハン グギョン
MF 6 永木 亮太
MF 8 高山 薫
FW 28 武富 孝介
FW 16 ウェリントン
FW 10 菊池 大介
湘南ベルマーレ控え
GK 1 阿部 伸行
DF 26 亀川 諒史
MF 23 梶川 諒太
MF 34 中川 寛斗
FW 9 ステボ
FW 18 古橋 達弥
FW 19 大槻 周平

【選手・監督コメント】

常に成長をみせ、攻守に湘南を上回る戦いを


リーグ戦が再開、第32節はホームで湘南ベルマーレと対戦する。天皇杯ではチーム一丸となって快勝した。そこで掴んだ手応えをもとに、さらに一体感と自分たちのサッカーを高めて、シーズン終わりまで成長を続けていく。代表メンバーの森重、高橋、権田、チャン ヒョンスも21日(木)からチームに合流。それぞれのコンディションを考慮しながら、ただちにリーグ戦に照準を合わせて準備をしていた。

対する湘南は、現在勝ち点25で16位に。シーズン半ばにGKアレックス サンターナや、MF大竹(東京からの期限付き移籍/現在は負傷のため離脱)らが加わり、浮上を図ろうとしたが、第19節以降、16位のままで推移。また前節、15位甲府との勝ち点差が9に開いたため、今節勝利できなければJ2への降格が決まる。

しかし前線からのプレスや運動量、勢いのある攻撃を決してあなどることはできない。特に5月のアウェイ戦では、先制点を奪われ、同時に自分たちのミスから手痛い敗戦を喫した。少しでも隙を作ると湘南にはそこを突くだけの力があるため、開始から最後まで集中して戦うことが大事になる。

湘南の武器ともいえる「あきらめない気持ち」や「粘り強さ」を発揮されても、慌てることなく対応し、東京も思い切りのよさや、自分たちのサッカーを出し切り、勝利につなげたい。東京は、GK権田、センターバックに森重とチャン ヒョンス、MFは天皇杯に続いて三田が先発。ルーカスがトップ下を務める布陣で臨むことに。陽が傾き、冷え込んできた味スタ、試合は17時3分に東京のキックオフでスタートした。

ボールを支配し主導権を握り続けたが、湘南の守備を崩せず


立ち上がりからボールを支配。しっかりと試合に入り、優位に試合を進めた。1分、左サイドで起点を作り、太田と東のパス交換から、中央の渡邉がシュート。7分には、三田の展開から、左前線のルーカス→ニアの渡邉がシュート。10分には右の徳永から、再び三田から右サイドを駆け上がる米本へ。米本のクロスに、ゴール前のルーカスが低い体勢でヘッドを振り抜いた。

しかしこの序盤のチャンスをモノにできず、徐々に湘南の守備意識の高さと、厚いブロックに苦しめられることになる。16分、前線で三田が相手ボールを粘り強く奪い、左からフォローした東がゴールを狙ったが、湘南DFのブロックに阻まれる。25分には太田のクロスのこぼれに、再び太田自身が詰めるが、湘南DFと競り合う形でシュートは浮いてしまう。

ショートパスをつなぐだけでなく、クロスやロングフィードからも得点を狙い、37分には森重→東が前線へスルーパス。そこに渡邉が飛び出したが、一歩早くGKがキャッチ。40分にはチャン ヒョンスが持ち上がり、左の東へ展開。そこからのクロスに、ファーの三田がヘディングを放とうとしたが、湘南DFに抑えられて打ちきれず。東京は連動性を活かしてさまざまな攻撃パターンを見せたが、湘南の戻りが早く、分厚いブロックを打ち破ることはできず、スコアレスで後半に折り返した。

先制を許すが、ヒョンス、ヴチチェヴィッチの貴重なゴールで逆転!


後半の立ち上がりには、湘南にビッグチャンスを作られた。46分、湘南FW武富のポストプレーから、FW菊池が右から中央へドリブル。東京DFが次々に抜かれる形で、ラストは左エリアに上がったMF高山にシュートを打たれる。48分にも湘南MF高山の左クロスに合わせ、ファーからMF古林に飛び込まれる。いずれも最後の精度を欠いて東京はピンチを免れたが、湘南にリズムを掴まれることに。

すると66分、湘南に東京ゴール前でDF鎌田とMF菊池にボールをつながれ、再びDF鎌田からエリアのMFハン グギョンに。東京DFは足が止まり、MFハン グギョンはトラップで前に持ち出し、至近距離からシュート。これは権田がセーブしたが、エリア中央にこぼれたボールに湘南MF高山に蹴り込まれて……失点。先制を許してしまった。

67分には三田に代わって高橋を投入。直後の68分、左サイドからのFKを得て、太田が前線に送ったキックはクリアされたが、右サイドの徳永が再びゴール前に。これも湘南にクリアされ前に運ぼうとしたところで、チャン ヒョンスがインターセプト。ペナルティアーク内の長谷川に縦パスを送り、ワンツーリターンを受けてエリア左に抜け出し、左足で狙ったシュートは相手DFをかすめてイン! チャン ヒョンスの気迫のゴールで同点に追いついた!

その後は互いに仕掛け合う展開が続いたが、どうしても勝利が必要な湘南は、79分に攻撃的な2選手を投入。これに対して東京は3バックに変更して対抗しようとした。しかしそれでも残留にむけて負けられない湘南に攻め込まれる場面が続いたが、88分に東京はネマニャ ヴィチチェヴィッチを投入。これが奏功することになる。

迎えたロスタイム。徳永の右スローインを平山がヘッドでつなぎ、長谷川が体勢を崩しながらも前線へ送る。これに合わせて前に出たヴチチェヴィッチがドリブルで右エリアに進入。対面する相手DFをフェイントでかわして抜き去り、ファーにピタリと蹴り込みゴール。終了間際に劇的な形でヴチチェヴィッチが貴重なゴールを挙げ、逆転勝利を収めた。


【選手コメント】
《チャン ヒョンス》
「得点こそ取れなかったが、前半の内容はとてもよかったと思う。後半も同じように、良い流れで試合に入ろうとしたが、失点をしてしまい、少し焦ったとこもある。流れの中からの得点が課題だと感じているが、すぐに取り返せてよかった。得点場面は、インターセプトをして持ち上がったときに長谷川選手が見えたのでパスを出して、前が空いているのも見えた。

パス&ゴーという基本的なプレーで、エリア内に上がっていった。そこによいパスが来たので、あとはシュートを打つだけだった。韓国代表でも東京でも、試合に臨む姿勢は変わっていない。ただ『代表選手としてしっかりとプレーをしよう』と思っていた。その姿勢は出せたのではないか」

《ネマニャ ヴチチエヴィッチ》
「ゴールは、長谷川選手からすばらしいボールが来た。チームが勝利できたことが一番うれしいし、大事なこと。シーズン終盤に近付いてきたが、一試合一試合、全力を尽くして勝てるように頑張る。東京は本当にグッドチームだと信じている」


【ポポヴィッチ監督の会見要旨】
「前半に関しては文句のつけようがなかった。たとえば学生チームであっても、相手に何もさせないで攻め続けることは難しいはず。ましてやJリーグチームを相手に、試合をコントロールできたことは満足している。主導権を握ってボールを動かして戦えると予想していたが、湘南も精度の高いカウンターを持っているので、そこを十分にケアをして試合に入った。前半はカウンターもしっかりケアして流れの中からチャンスを作らせなかった。チームとしてやるべきことがハッキリしていた。

だが後半始めに不用意なミスが続き、そこから流れを渡してしまった。そうなった問題点は、相手が前からプレッシャーをかけてきて慌ててしまったから。ラインを必要以上に下げてしまった部分もある。うまくいかない時間帯で失点をしてしまったが、その後にチーム全員が得点を奪いにいくという意思を見せてくれた。そして同点に追いつき逆転で終わらせた。チームの成長を感じるし、全員が勝ち点3を必ず奪うという強い気持ちをもって戦った結果だと思う。最後はそのプレーにふさわしい結果になったと。

途中出場の選手に関しても、それぞれの役割をしっかりと果たした。私は常々選手たちに、『何分出場したのか』ではなく『出場したときに何をやったか』が一番重要だと話をしている。今日は交代出場した選手たちが、まさにその言葉をプレーで見せてくれた。みなさんが作り出してくれた雰囲気も素晴らしかった。よいサッカーでよい結果を得ることができて満足している。このような攻撃的なスタイル、人を惹きつけるような魅力的なサッカーが、日本サッカー界にとって必要だと思っているし、今後も続けていきたい」

【湘南・曺貴裁監督の会見要旨】
「今日がリーグ戦32試合目になるが、シーズン前から言っていることは変えていない。『結果が良ければ、すべてが良いわけではない。結果が悪くても全部悪いわけでもない』と言い続けてきた。降格という重い現実があるが、その答えは試合後のサポーターの声援が示してくれていると思っている。あのクロスが…あそこで決められれば……と思うことはあるが、僕の中では『now』ではなく『at the moment』。その瞬間の気持ちを大事にしたつもり。瞬間にとった采配、判断や出場した選手、出られなかった選手も含め、全員によくやったと言いたい。

我々は自力でJ2からJ1に上がり、今は降格という現実を目の当たりにしている。でも足を止めて降格したわけではない。常に前に歩いて、その壁を越えようとしたが一歩及ばなかった。実はその一歩は小さいものではなく、大きな差であったと私は感じているが。また東京のようなチームと今後対戦するときに、『今日の試合があったから、今シーズンがあったから湘南は強くなった』と言われるようなチームになってもらいたい。

技術、戦術、メンタル、フィジカルなど様々要素があり、今日の試合も反省はある。しかし悔いはないし、選手には『胸を張ってスタジアムを後にしてくれ、お前たちの監督をやっていることを誇りに思う』と言った。責めるつもりは全くなく、それぐらい選手はよく戦った。足りないことを隠しても仕方がないし、それは全部自分にある。足りるものになるように頑張りたい」