GAME RESULT試合結果

第34節 2013/12/07(土)
観衆 27,583人 
天候 晴、無 気温 12.5度 湿度 35% 
主審:中村 太 副審:小椋 剛/金井 清一 四審:長谷 拓

J1 第34節

味スタ

HOME

FC東京

2-0

試合終了

前半0-0

後半2-0

AWAY

ベガルタ仙台

FC東京 ベガルタ仙台
53' ルーカス
90'+2 平山 相太
得点者
54' ネマニャ ヴチチェヴィッチ → 石川 直宏
68' 渡邉 千真 → 東 慶悟
89' ルーカス → 平山 相太
選手交代 28' 柳沢 敦 → 赤嶺 真吾
64' 太田 吉彰 → ヘベルチ
79' 蜂須賀 孝治 → 中原 貴之
17 シュート 11
8 CK 7
14 FK 14
39' ネマニャ ヴチチェヴィッチ
70' 高橋 秀人
警告 55' 渡辺 広大
80' 梁 勇基
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 5 加賀 健一
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 7 米本 拓司
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
MF 49 ルーカス
FW 9 渡邉 千真
FC東京控え
GK 20 権田 修一
DF 16 丸山 祐市
MF 18 石川 直宏
MF 36 三田 啓貴
MF 38 東 慶悟
FW 13 平山 相太
FW 23 林 容平
ベガルタ仙台先発
GK 16 林 卓人
DF 33 石川 大徳
DF 3 渡辺 広大
DF 2 鎌田 次郎
DF 28 蜂須賀 孝治
MF 17 富田 晋伍
MF 14 佐々木 勇人
MF 11 太田 吉彰
MF 10 梁 勇基
FW 13 柳沢 敦
FW 18 ウイルソン
ベガルタ仙台控え
GK 21 関 憲太郎
DF 5 石川 直樹
MF 23 田村 直也
MF 8 松下 年宏
MF 15 ヘベルチ
FW 9 中原 貴之
FW 24 赤嶺 真吾

【選手・監督コメント】

味スタでのシーズンラストゲーム、めざすは勝利のみ


今季のリーグ最終戦を迎え、第34節が開催。ホームにてベガルタ仙台を迎え撃つ。前節柏戦で痛恨の敗戦を喫し、この結果、今季の順位は7位以下が確定した。一方、チームは第32節湘南戦にて J1でのホーム通算観客動員500万人を突破(5,010,257人)。ポポヴィッチ監督以下、選手たちは「最後まで“何か”が懸かったシーズンにしたかった」と自戒を込めた反省をしつつも、一年をとおして声援を送っていただいた多くの人々の期待に応えるためにも、「味スタでのラストゲーム、必ず勝利で締めくくりたい」と意気込みをみせる。

対する仙台は、現在勝ち点45で11位に。昨季は勝ち点57で2位につけた仙台だが、今季はケガ人の続出もあり、それ以上の躍進は叶わなかった。しかし手倉森監督の今季をもっての退任も決まり、彼らもまた「最終戦で勝利を」との思いは強いだろう。仙台とは天皇杯準々決勝での対戦も決まっているが、互いに運動量も武器とする両チーム。90分の中でボールの奪い合い、流れの掴み合いになることも予想される。そのなかで“仙台の時間帯”になったとしても、どう立て直せるかがカギになるはずだ。

今節はチャン ヒョンスが出場停止。そのため、センターバックには加賀を。またGKは今季リーグ戦初先発となる塩田、サイドにはネマニャ ヴチチェヴィッチを起用。前節とはメンバーを入れ替え、トップ下に長谷川、ボランチを高橋と米本が組む布陣で臨む。風は冷たいが穏やかに晴れた味スタ、試合は15時33分に仙台のキックオフでスタートした。

仙台にリズムを掴まれたが、塩田を中心にしのぎきって


立ち上がりは東京が積極的に攻めに出た。4分、塩田のキックから左前線のヴチチェヴィッチがエリアにドリブルで仕掛け、中央のスペースにマイナスのパス。ここに高橋が走り込み、シュートを放つ。6分にはパスを回して再び高橋がミドル。しかしGKのセーブに阻まれると、仙台が逆襲。MF梁のクロスから、FWウイルソンが放ったヘディングはバーをヒット。その後も一進一退の攻防が続いたが、15分を過ぎる頃からは仙台に素早くボールを運ばれ、セットプレーを中心に攻め込また。

15分、仙台の右CKからDF鎌田が放ったボレーは塩田がセーブ。17分にはサイドで起点を作られ、FW柳沢の落としからエリア内のMF太田にシュートを打たれる。しかし守備では慌てずに対応し、反撃のチャンスを伺う展開に。21分には前線へのフィードを渡邉が落とし、後ろのルーカスが左エリアへパス。そこに走り込んだヴチチェヴィッチがシュートを放つが、勢いが弱くGKに。26分、太田の左クロス→ファーのルーカスが再び中央へ。これに合わせて渡邉が飛び込み、ヘッドで合わせようとしたが打ち切れなかった。

28分には仙台FW柳沢が負傷交代し、FW赤嶺がイン。その後も仙台のボール支配を許し、40分には決定的な場面を作られた。右クロスを、エリア中央のFW赤嶺が足を伸ばしてつなぎ、エリアに走り込んだDF石川がシュート。枠を外れてピンチを免れたが、前半は仙台の持ち味を活かされる格好に。それでも塩田を中心に我慢強くしのぎ切り、失点を許さずに前半を終了した。

ルーカスが決めれば負けない! 平山の追加点で勝利を飾る


勝負を賭けた後半戦、その立ち上がりに決定機を作る。46分、右サイドからのFKを太田が前線に送り、森重が足元でつなぎゴール正面のルーカスがシュート。しかしGK正面に。52分には米本→ヴチチェヴィッチが左エリアに抜け出し、中央へのルーカスへ。これも決定的な場面だっが、シュート寸前で仙台DFのスライディングに阻まれ、CKに逃れられた。しかし直後の53分、CKのこぼれをつないで右エリアの加賀がシュート。これはブロックされたが、セカンドを奪って右前線の加賀→後ろの長谷川が右クロス。これにエリア中央のルーカスがボレーで合わせてゴール!!

“決めるべき選手が決める”と、ピッチ内外もヒートアップ。熱い雰囲気に包まれる中で、東京がリズムを掴み、サイドを起点にした形や鋭いカウンターを仕掛けていった。60分、太田のオーバーラップから、エリアへのパスに合わせて渡邉が飛び出し、シュート。67分には米本のインターセプトからカウンターを仕掛け、途中出場の石川が相手DFの前に出て決定的なチャンスを作ったが、シュート直前で仙台DFに阻まれた。

一方の仙台も70分には左サイドバック蜂須賀に代えて、FW中原を投入。前線を厚くして反撃に臨んできた。その勢いに押し込まれる場面もあったが集中して対応。そこから守備の足が止まり始めた仙台に対して効果的なカウンターを仕掛けていった。89分にはルーカスに代わり、平山を投入。迎えたアディショナルタイム、相手陣内でプレスをかけ、徳永→米本が奪い切り、前に持ち出して右エリアからクロス。これをエリア中央の平山がヘディングで押し込み、2点目をゲット。仙台を突き放した。

この結果、リーグ戦は勝ち点54で8位に。なお、ルーカスは、G大阪所属時(2009年・第25節以降)より続く『得点を挙げた試合では負けなし』の記録を5シーズンにわたって更新。リーグ最終節を勝利で飾り、今季最後の大会・天皇杯に向かう。


【選手コメント】
《ルーカス》
「今日の試合に関してはパーフェクトだと思っている。チームが勝つことを最優先で考え、そのなかで自分が得点もできた。私は常に勝ちたいと思ってきたし、気持ちを込めてプレーをしてきた。そういうプレーで、メッセージが与えられればと思っていたし、みんなに伝えられたのではないか。ファン・サポーターの方々には本当に感謝をしている。それは今日だけでなく、これまでも、私たちが良いときも、キツイとき、苦しいときもいつでも応援をしてくれたから。みなさんとエネルギーを合わせて天皇杯の最後の最後まで一緒に戦いたい」

《塩田》
「前半は仙台の戦い方に四苦八苦することになった。ただ、我慢をすれば僕たちの時間になると話していた。後半は僕たちのペースだったし、これだけ多くのサポーターの中で勝てるという確信もあった。ルーコンとは同じ年に加入したこともあり、最後のリーグ戦で一緒にピッチに立てることになり、めぐり合わせにも感謝をしている。だからこそ、どんな内容でもいいので勝って送り出したかった。いろいろな思いがあり、プレッシャーになりかねなかったが、そういうときに何ができるかがプロとしての資質。自分を信じたし、なにより仲間を信じていた。勝利で終われたことが一番の収穫」


【ポポヴィッチ監督の会見要旨】
「前半と後半では出来が違い、二つの顔を見せてしまった。前半は、仙台のほうが良いプレーをしていた。我々の唯一良かったところは、得点を奪われなかったことだけ。いつもより気持ちが空回りしていたし、集中力も欠いていた。しかし後半は、ただボールを動かすのではなくゴールに向かうプレーが増え、相手にとって危険なプレーが数多くできた。やはりホーム最終戦を勝利で飾ることは大きなこと。来シーズンの開幕まで3ヶ月は待たなければならない。その間も、今日の勝利の味に浸っていられる。

そして引退を決めたルーカスにとって最後のリーグ戦。その試合で自らゴールを決めてくれ、勝利できたことは非常に良かった。ルーカスにはまずゆっくり休んで家族との時間を大切にして欲しいと思う。これまでは家族にかかる負担は大きいので、これからの時間を一緒に過ごしてもらいたい。我々にとってはルーカスは最高の見本。ルーカスもネマニャも34歳だが、トレーニングで全力を出し切るプロフェッショナルな姿勢と、34歳でもここまでやれるというクオリティを見せてくれた。若い選手にはそういったところを学び、感じとって次に活かして欲しいと思っている」


【仙台・手倉森監督の会見要旨】
「前節からの修正点として、アグレッシブにインテンシティの高いゲームをすること。同時にアグレッシブさの中で慎重さや、パスを出すタイミング、ポジショニング等を高めることができれば、東京のサイドバックの背後を突いていけるという考えだった。前半はそのアグレッシブさや巧い崩し方、FW柳沢を起点としてMF佐々木とMF太田がサイドを突く攻撃を示せていたが、後半に先制を許したことで少し慌て、攻撃の精度が落ちた。前半の東京の出来を見れば、我々が優位に進めている中で痛すぎる失点になった。それでも1点は跳ね返せるだろうと考えていたが、最後まで実を結ばず、反対にリスクを冒したことで、2点目を取られた。ルーカス選手の引退試合に花を添える格好となった。

この悔しさは天皇杯で晴らしたいし、来季からのキャリアのためにも、さらに勝利への厳しさを育くみ、進んでいかなければいけないと思う。昨年に引き続き、味スタにこれだけの仙台サポーターが来てくれたことには感激している。今季は下位に甘んじたシーズンだったが、選手たちには『今日失うものはない。ただ失ってはいけないものは我々の誇り。その誇りをサポーターは持って、一緒に戦ってくれている』と話していた。最終戦の敵地にこれだけ集まってくれたサポーターや、勝利を届けようとした選手たちに仙台の絆を確認できた。これは大きな成果だと思うし、この光景を見ると、私自身仙台を去ることに後ろ髪を引かれる気分にもなる。ただ、このスタイルを継続していければ、必ず東北のシンボルになれると信じている」